さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

あなたにとって、ゲイバーって、どんなところですか?

2009年05月24日 02時14分48秒 | ゲイ
ゲイバーって、一体、何だろう?

……

初めて上野傑作劇場や上野大番に行った時のことや、
初めて文通欄で出会った人のことをおぼろげながらにもちゃんと覚えているのに、
なぜか、初めてゲイバーに行った時のことは、不思議なくらい覚えていません。

でもおそらく初めて行ったのは、19歳か20歳の時。
たぶん、文通欄で出会った友達の仲間と新宿にあった、
とあるデブ専バーに行ったのが、おそらく初めてでした。

酒が苦手だったというのもあったのですが、
いま一つなじめなかったのは、
自分が「空気を読む」ことだとか、対人の間合いの取り方が苦手で、
緊張してしまって、全然楽しめなかったのだと思います。

しかも「若い」ってだけで、おしゃれでもないし、可愛くもない。
黙っていても、可愛ければ、そこそこ需要はあるのでしょうが、
そんな需要も自分には、なし。

要は、全然喋れないし、売れもしなかったということ。
今考えれば、ゲイバーなんて面白くなくて当然だったでしょう。

ところが、そんなゲイバー観がちょっと変わったのは、去年。
泡盛飲みながら、宿泊者みんなで「ゆんたく」と呼ばれる宴会をするような、
沖縄の離島にある、とある民宿に、二年ぶりに行きました。

いろんな地方から、いろんなバックグラウンドを持っている人たちが
旅するためにやってきた、その離島の民宿で、
食事しながら酒飲んで、語り合ったり、騒いだりするわけです。
もちろん次の日は旅立つ人もいれば、やってくる人がいるわけで、
その日にたまたま集ったメンバーによる、その日限りの、特別な宴会なわけです。

その時に、ふと思ったんですね。
「ゲイの人でも、見知らぬ人とこんな風に飲めたら楽しいだろうな。」

みんなは、自己紹介しながら、自分をさらけ出してしゃべっているのに、
自分は、自分のセクシャリティが自分を大きく構成している要素であるのにもかかわらず、
セクシャリティを隠して飲んでいることが、どこか心に引っかかったのでしょう。

もちろん、自分のセクシャリティを明らかにすることで、
不快に思う人もいるかもしれません。
隠すことだって必要だし、明らかにすることがどんな場合も正解だとは思っていないのですが、
どちらが自分に正直かと言えば…、答えは薄日の差す雲の向こうにぼんやりしています。

そんな気持ちを心に抱いていたところ、
昨年の暮れに、自分と同じ会社に勤めるゲイの先輩に、
「連れて行きたい飲み屋があるんだ。」
と言って、とあるゲイバーを紹介してくれました。

ちょうど、人事異動があったばかりで、とても緊張した日々を送っていました。
自分の自信のなさや、仕事の不安の払拭を息抜きの場が欲しかったのでしょう。

「ママが勝手にしゃべってくれるから、緊張しなくてもいいわよ」
と言って連れて行ってくれたゲイバーは、
お通しも結構本格的で、ご飯も出るため、次第に馴染んで通い始めるようになりました。

行けば、誰かいるし、いないときは、ママと話し、
適当な話で盛り上がる時もあれば、
ディープな話で盛り上がる時もあれば、
ひとりで勝手に悦に入っているときも。
自分なりのゲイバーの楽しみ方が、ようやくわかったようです。
それは、インターネット全盛で出会うだけなら本当に簡単な今だからこそ、
自分が求めているゲイバー像と重なってきているのかな。


自分にとっての、ゲイバーって、もうひとつの「居場所」なのかもしれません。
実は、そんな僕にとって貴重な「居場所」のひとつが、
先週、盛大にクローズしました。

画像は、上野「ファン太」で、ドンペリ。そしてオムレツに、シーフードカレー。
オードブルは、撮り忘れてしまましたが、キャビア風(あくまでも「風」!)の何かが載った
カナッペが出てました。
オムレツはスペイン風で具だくさん、シーフードカレーは海老にほたてがゴロゴロ!
隣のお客さんがカレーにそそぐ視線が痛いほどです。

ドンペリは、ミレニアムうんちゃらかんちゃらで、
品物は貴重なものらしいのですが、
人生でドンペリなんてあけたことなんてないし、味なんて、ろくにわかりません。
でも、豪華なお通しと、テーブルクロスにキャンドルで、店内は、いつもと雰囲気が様変わり。
この日は、ここを紹介してくれた先輩と一緒に、
「ファン太」らしいお別れに納得しつつ、
さすがにドンペリはきついぞ、ということで、「二人で一本」で、最後の営業にお別れです。

でも、自分と同世代とはとても思えないほどタフなママは、
そのキャラクターと人柄で、二日間の営業で
46本のドンペリの空きボトルをカウンターの上に並べたとか。
自分はバブルの頃のゲイバーを知らないのですが、
不景気だとかどうだとか言われている中、
奇跡のような出来事だと思わずにはいられません。
通った時期は短いですが、自分にとっては、後になって振り返ったら、
人生のターニングポイントになった店になるかもしれません。

実は店の名前と場所はそのままに、6月の初めには、別のママによって
「ファン太」がオープンするとか、しないとか。

個性的で不思議な魅力にあふれるママでした。
新しい旅立ちを心から応援したいのと、
自分も新しい居場所を作っていく、はじまりです。

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
居場所かぁ。 (おっちゃん)
2009-05-24 10:44:05
ちわ!

居場所かぁ~。
それはゲイバーであったり、家族であったり。
友人の心の中であったり。
自分が素になりたい場所って欲しいよね。
それが、帰りたい場所になった日にゃあ、幸せだー。

kumazzzoの好きなバーかぁ。
一度連れてってもらいたかったなぁ。
ママさんの新しい門出に乾杯です^^
Unknown (Ikuno Hiroshi)
2009-05-24 11:38:15
 今の相方と付き合うようになってからは,とんとバーにもご無沙汰なんですけど・・・δ(⌒~⌒;)

 広島にいた頃は,行きつけのお店がありましたね。
 毎週のように通って,お客同士他愛ない話で盛り上がったり,人が少ない夜はゲームで遊んだり。
 忙しい時には,止まり木の片隅で一人ちびちびと酒を舐めながら,(精神的に)静かな時間を過ごしたり。
 そういえば,ママ&店子&常連さんで山陰にキャンプとか,福岡ハッテンビーチ旅行とかもしたっけ(ちなみに,ママさんはビーチからホテルの部屋にお持ち帰りした模様 笑)。

 やっぱり,セクシャルマイノリティのように日常生活で何がしか「偽って」生きなきゃいけない人間には,素が出せる場所が必要なんでしょうね。


 それにしても,こんな立派なものが出てくるバーって・・・スゴ! さすが東京だべや(笑)
ゲイバーか~ (ちゅ~)
2009-05-24 22:21:13
ご無沙汰してます。(笑

ゲイバーになじめなく、20代から30代をすごしております。(笑)

名古屋に住むようになって、僕にとってのゲイバーはあいかわらず安く呑める場所なのかもしれません。決してオープンゲイで日々の生活をおくっているわけではないのですが、同じ世代が結婚、家庭、彼女の忙しい中、相手をしてもらえるのが、ソコだったり。(笑)

ですが、ゲイバーでの話は、内容が無さ過ぎて、疲れることの方が多かったり。
それについて友達に聞いてみると、「当たり前でしょ!みんな、仕事で疲れているから仕事の話なんてしたくないのよ!」なんていわれるけど、仕事あっての大人だと思うし、家庭がない分、会社では「独身貴族」なんて思われているイライラもあるわけで、だれそれちゃんの服がオシャレとか、最近、だれそれがどうしただの、なんか、めんどくさっって感じです。(笑)。

でも、ようは、僕が暇な仕事してるだけの話かもですね。(笑)

そんなで、たまにゲイバーに行くものの、呑んで歌って、適度に酔って帰ってます。
なくなったら、なくなったで、別にいいかな~って感じです。

コメントくらーくなってしまいましたが、否定的な意味はなく、いろいろあるよね~、って感じです。

沖縄での経験、よかったですね!
Unknown (kumazzzo)
2009-05-25 01:59:17
>おっちゃん

そだねー、いろんな場所に居場所があっていいんだと思うんだ。
もちろん、仕事場が居場所になるのなら、
そんなに幸せなことはないけれど、
家族だって仕事だってうまくいっている時もあれば
そうでない時もあると思うんだ。
そんなときのために、居場所はたくさんあったら
人生は幸せだと思うんだ。
おっちゃん東京に来たらたくさん乾杯しよう!

>Ikunoさん

あまり他の店を知らないけれど、ここまで出すのは
珍しいんじゃないのかな。
通常料金で営業です~って言っても、こんなに立派な
お通し出して
おもてなしされたら、
シャンパンひとつ入れなくちゃーって思わせるような
雰囲気作りみたいなのに、
とっても長けていたし、
同じ歳なのに才能のある人だなあと尊敬もしていました。
ストレートが大多数を占める社会で生きているのだから
どうしたって生きづらいのは仕方ないけれど、
やはり息抜きの場って必要なんですよね。
それが恋人だったり、友達だったり、ハッテン場だったり。
去年の自分にはゲイバーという存在がどうしても必要だったんでしょうねー。

>ちゅ~さん

おー、ちゅ~さん、お久しぶりです!
ちゅ~さん懐かしいなあ。お元気ですか?
ゲイバーに求める意味は、もちろん人それぞれですよね。
もしかしたらちゅ~さんみたいに、
安く酒が飲める場所って考えるのが力が抜けていて良いのかも。
ゲイバーに対して求めるものもいろいろで、
それぞれが居心地が良い場所が見つかれば
一番の幸せですよね。
初めての沖縄の離島の旅行は、三年前にさかのぼるのですが、
そこでの体験が、随分今の自分に大きく影響しているんですよ。
人生を変えるような旅ができたことが、
僕にとって大きな財産になりましたよ。
Unknown (DASS)
2009-05-25 23:12:39
こちらのバーはお通し?でここまで出るのはすごいですね!
僕も行きつけのバーの一つがママさんの代替(←引退ではなくいい表現使いますよね)で、変ってしまいちょっと寂しいです。
店子さんがあとを継いだのですが、
今でも前のママのことは思い出したりします。

僕がはじめてバーに連れて行ってもらったのは龍児さんと海さんでしたが、覚えてないです・・・。
その後行った九州男さんと中野のバーはよく覚えてるのですが。
バーのママさんや店子さんには色々な事を教えてもらったり、色んな出会いも会ってとても大切な場所です。
東京だけで数百店は超えるのに自分の行きつけは片手で数えるだけなので、
お店の数だけカラーがあって、色んな人生模様があるんだろうなと思うと、
なんだろう、ちょっと安心感であったり、ずっと大切にしていきたいなと思ってしまいます。
Unknown (龍児)
2009-05-26 04:13:17
上でDASS君が書いてるけど。
俺もゲイバーに行ったことが無い人を案内する、というか引っ張ってゲイバーに連れて行くようになったんだなぁと感慨深いです。
実は俺も若い時はゲイバーが苦手でした。どうやったらいいのか分からなかったし、オネェ言葉自体が苦手だったし、まったくモテなかったんでもうどうしようもなかった。だからここでkumazzzoくんが書いていることの意味が良く分かるよ。
それでもそのうち、自分みたいな奴でもここにいていいのかなぁと思えるようなバーがいくつか出来てきて、今ではそういう場所に「帰っていく」のが楽しみになってます。
馴染みのバーが閉店したり、お店の人が変ったりするのは寂しいもんだよね。その逆にいつ行っても同じ場所と同じ顔で迎えてくれるバーがあるとホッとするし。ほんと、ゲイバーって不思議な魅力を持つ場所だね。
Unknown (kumazzzo)
2009-05-27 01:25:01
>DASS君

通常の営業の時はこんな豪華じゃないけれど
でも三品くらい料理出てきて、
最後は必ず飯なんだよなあ。
飲みに来るってよりも、食べに来るって感じかも。
東京は本当にゲイバー多いよね。
まだまだいろんな店あるんだろうなあと思うと、
あちこち行ってみたくなるよね。
ゲイバーって初めての子に男との付き合い方だとか
酒の飲み方とか教育するシステムみたいなのが
昔はあったけれど、今はそういう濃い営業って
なかなかないみただしうざく思われるみたいだから
DASS君に教えてくれたママや店子さんの存在って
とってもありがたいよね。

>龍児さん

龍児さんがゲイバーが苦手だったというのは、
今の雰囲気からだと意外です。
自分が喋れないし、もてなくて居心地が悪いほど
辛いことはないですよね。
でも、居心地のいい店ってあるんですよね。
喋れないママで繁盛している店だってあるし、
要は雰囲気が自分と会っているかどうかってことかな。
移り変わりの激しい、ゲイバーの世界で、
ずっと長くやっている店って本当に尊敬するし、
そういう場所に帰れることの安心ってありますね。

俺も書いてみたよぉ! (ponpoko)
2009-05-29 00:32:38
俺も書いてみたよぉ!
この店、くまぞと一緒に行きたかったなぁ。
残念っす。

これからもどんどん一緒に飲みにいこうなぁ!!!
デビューは (海坊主)
2009-05-29 10:10:51
「昔の事は忘れたわ!(笑)」と言いたいけど、
いまでもハッキリ覚えています。

パソ通のオフ会があり、2次会で初めて言ったのが
2丁目デビュー 大人数で行ったのもあり、楽しく
盛り上がって、その後も何度なく通っていました。

それからパッタリと2丁目に行かなくなり、サラリー
マンを辞めるか辞めない時に行き出し、中野の店では・・・

これ以上は長くなりそうなので、得意の端折りで勘弁
して下さい。

でもゲイバーは歳相応の楽しみ方があると思いますよ!
Unknown (kumazzzo)
2009-05-29 19:18:57
>ponpoko君

そうだね!一度一緒に行きたかったけれど、
また違う形で実現すると思うから、
その時は一緒に飲もう!
楽しみさー

>海坊主さん

パソ通って歴史感じますねー
PC-BANとかnifty serveなんてあったころですよね。自分はちょうどインターネットが広まり始めた頃に
大学生だったんだけれど、
高校生の頃パソコン通信って憧れていたなあ。
40代になったら、きっとまた別の楽しみがあると!
楽しみです!!
海坊主さんみたいに、いい歳重ねて生きていきたいなあ。





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