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居酒屋さすらい 0452 - 煮物系多し。落ち着くなぁ - 「立呑み あかしや」(千代田区鍛治町)

2011-07-04 14:23:12 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋
まだ戦後の雰囲気を醸しだす店も少なくない。
わたしは立ち飲みラリーを急ぎすぎた。実は神田の立ち飲みには未だ行けてないところが多々あったからだ。
ちょっとやり直そうと思って神田に向かった。有楽町、上野と続いて、今度は神田。西口には商店街もあるが、ガード下は今でも怪しい雰囲気がぷんぷん匂う。

わたしは過去3年間、神田で働き、ある程度の飲み屋事情なら知っていると思っていた。だが、山手線の外側のガード下については何故か抜け落ちていた。
わたしはつい最近まで「立ち呑 あかしや」を知らなかったのである。
おかしい。実におかしい。
吉野家にはちょくちょく昼飯を食いに来ていたのに、何故「あかしや」を見過ごしていたのか。
この怪しい店構えが何故目に入らなかったのか。

「スタンド」「居酒屋」「立呑み」と書かれた「あかしや」。
この「スタンド」というのが時代を感じさせる。
店にはちょっと入りづらい雰囲気が漂うが、ここは威勢よく入っていきたい。店に入ったら、まずは店内の右のほうへ行き、つまみを物色する。
ここはセントラル集中方式。ひとつのところにつまみが置かれ、そこでお会計をする仕組みだ。数軒先の「味の笛」も同様である。

ビールは生が380円、瓶が480円。銘柄はサッポロ。
わたしは瓶をチョイスして、自陣を確保した。
店構えは少し変わっている。
入り口側の中央には何かのスペースがある。シャッターがかかっていて、中がどのようになっているのか分からないが、大きなデッドスペースになっている。昔はここでも調理をしたのだろうか。
周囲の壁にカウンターがあるのだが、店内中央にも白いカウンターがある。こうした形は最近の立ち飲み屋とは一線を画す。
まさにクラシックスタイルだ。

店のオヤジは優しそうな人。一方のお母さんは怖そうだ。
酒肴に「お煮しめ」(350円)をチョイスした。
この店、実に煮物系が多いのである。ちょっと詳細までは失念したが、焼き鳥や串揚げばかりにクローズアップされている立ち飲み業界だが、この煮者系の多さは出色だ。やはり、クラシックスタイルである。
そして、この煮物がまた胃に優しくてうまいのである。
日ごろ、わたしたちは脂っこいものばかり食べて内臓を疲弊させているが、本来日本人はこうした煮物と魚をいっぱい食べてきて生きてきた民族である。
煮物は我々のDNAにしっかりと刻まれ、一口食べた瞬間、頭の中に「ふるさと」がかけ巡るのである。

「うさぎおいしい、かのやま」
おいおい、うさぎは食べねえだろう。
「小鮒釣りし、かのかわ」
そうそう。
そして、ビールをぐいっと飲むと、何故かまた涙がこぼれてきそうになるのだ。

店内を見渡すと、虎があちこちにいる。
トラッキーである。
ななんと、この店はタイガースびいきのようだ。真弓監督が厳しい顔をするカレンダーがぶらさがっている。
そして、テレビはクライマックスシリーズ。だが、虎の姿はそこにはない。

周囲のお客が何を飲んでいるのか、見渡すと、緑色の飲み物をほとんどの人が飲んでいる。そして、「お茶割り」(320円)ね!という声があちこちで飛んでいるのだ。
わたしも試しに一杯飲んでみた。
悪くはない。そう思えるのはわたしも確実に齢を重ねてきたからだ。

つまみに「ポテトサラダ」(250円)をとった。
残念ながら、これは業務用とみた。
煮物はしっかり作っているのに、何故ポテサラは作りこまないのか?と疑問は胸にしまって、わたしはテレビのあるほうを見て、「お茶割り」とポテサラを交互に口に運んだ。

居心地は悪くない。
むしろ、煮物と同様、実に安心感がそこにある。
急かされるような立ち飲み屋が多い中、こうしたまったり感のある立ち飲みは少なくなったなぁと思う。
でも、ここはなんだか妙に落ち着くんだなぁ。
やっぱり、神田はいいや。
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