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居酒屋さすらい 0456 - 伏兵、掘り出し物の店 - 「居食亭 くいどころ」(大田区仲六郷)

2011-07-18 13:00:57 | 居酒屋さすらい ◆東京都内
あまり期待を寄せていないのに「おっ」と思わせる店がまれにある。
そんなときは、ものすごい得した気分になり、必要以上にお酒が進んでしまう。
東京の南のはずれでそんな経験をした。

多摩川を渡る際の宿場町、六郷。
この町、あまり居酒屋は多くなく、駅前に数軒あるのみ。
かつて「山ゆう」という居酒屋に入ったが、今回はその隣の2階にある「くいどころ」を訪れた。
店名も店構えもさして期待を寄せる感じではなかったし、店の中は民芸品のようなもので溢れ、壁には様々なものが貼ってあり、ありふれた町の居酒屋感は強かった。
午後17時過ぎ、カウンターに一人の客がいる以外はガランとした中、わたしは5~6席あるうちのテーブル席についた。この店、面積としては座敷の方が広いのではないだろうか。

まずは生ビール(サッポロ)。
キンキンに冷えた、というか凍ったジョッキに注がれた生ビールは泡もクリーミィでホントに素晴らしい。
この辺りからかな。
この店に対して「おや?」と思い始めたのは?
メニュー表を繰る。
そのもの凄い品数にまた驚く。
居酒屋って、まずメニューの中から、何を食べようかというワクワク感がその醍醐味だと思う。
その醍醐味を十二分に味あわせてくれるほどのメニューの多さなのである。
見たところ、100品をゆうに超えているのではないかと思うほど。その中からわたしがチョイスしたのが「たぬき豆腐」(390円)だ。
「たぬき豆腐」といえば、過日「吉乃川酒蔵」で食べたばかり、その余韻が舌に残る中、わたしはこの一品に賭けた。
それが、大当たりだった。
「吉野川酒蔵」の遥か上をいく味わい。本物の出汁と蕎麦屋顔負けのつゆの味。そこにひたひたと入る絹ごし半丁。
味わい深い!

生ビールをやっつけてホッピー(450円)を頼んだ。これもわたしの心を奮わせた。
3冷である。
例のキンキンの凍ったジョッキに、これまた冷蔵庫から出したキンミヤ焼酎を注ぎ、出てきたホッピー。
「氷どうしますか?」と店員。
もちろん「氷なし」を頼んだ。
これがまず感動だった。
こんな地味な店が、といったら失礼だが、このグローバルスタンダードに価する対応をしてくれるとは。

つまみは「おでん」(500円)。
ホッピーに「おでん」も最高の友だ。

ホッピー450円はよくあるプライスだが、この内訳がちょっと違っていた。
外が300円、ナカが150円なのである。ナカは「居酒屋さすらい」史上最安!
仮にナカを2回お代わりするとしたら、ホッピーに関しては最安かもしれない。

「たぬき豆腐」と「おでん」だけを見て、この店の仕事ぶりは分かった。
地味だけど、ホントに素晴らしい店。
まさに掘り出し物といった感じ。丁寧な仕事は居酒屋の基本。安さばかりの追求が居酒屋界に蔓延しているが、仕事の丁寧さが評価の絶対基準ではないかと思う。
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