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居酒屋放浪記NO.0213 - 立ち飲みのファストフード - 「焼鳥日高」(江戸川区南小岩)

2008-12-21 14:51:13 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋
 確かキャプテンから話しを聞いたのがそもそもの始まりだった。
我が草野球チームのキャプテンが、数日前だかに『日高屋で飲んだ』と言ったのだ。
 日高屋とは首都圏を中心に展開する安価なラーメン店チェーンのことである。
 その日高屋で飲んだとは果たしてどういうことなのか。

 確かに同店ではキリン一番絞りの中ジョッキを390円で提供している。
彼が『日高屋で飲んだ』と言うのは、軽くビールをあおったということなのか、すぐさま彼に聞き返した。
 『あそこ結構飲めるの?』。
 するとキャプテンの口から意外な言葉が返ってきた。
 『日高屋の立ち飲みがあるんだよ』。
 更に話しを聞いていくと、どうやらそれはJR小岩駅前にあるという。
それなら、今度野球の練習の帰りにでも寄ってみようとその機会をうかがっていたのだ。
 そして案外その日は早く訪れた。

 7月27日の草野球、対FCボンバーズ戦の終了とともにオレは監督のクルマに同乗させてもらい、JR小岩駅を目指したのである。
小岩駅、ロータリーを挟み、ほぼ正面にある好立地。そこにバカでかく「立ち飲み 日高」と赤く染められた看板は目に痛いほど。圧倒的な訴求力で昼間から酒を飲みたい「のんだくれ野郎」に訴えてくる。
店はガラス張りで中の様子はまる見え。なんて、分かりやすく、且つ入りやすいのか。

 早速、店に入ると、笑顔の女性店員に向けられた。
 「おひとり様ですか?」
 などと丁寧語で立ち飲み屋で迎えられたのは、恐らくこれが初めてではなかろうか。
 それも、まだ20歳そこそこの今時の女の子にである。
 「すげぇ!」
 オレは心の中で叫んだ。
 同店はあらゆる面で立ち飲みの常識を打ち破ったといえる。
店内の照明も、ファストフードやコンビニのように明るい蛍光灯を使用している。コンビニの照明は明るすぎて、現代っ子の体内時計を狂わせていると社会問題にもなったが、この店の照明も明るすぎる。

 だが、こうしてファストフードよろしく、お店を演出してみても、店内で飲んでいるのは、オレも含めおっさん5匹。せっかく若いユーザー獲得を目指す策も功を奏しているとは言い難かった。

 オレはお店奥のカウンターに陣取り、女の子に「生ビール」(390円)を注文した。ビールはもちろん「一番絞り」。ラーメン部門の「日高屋」でも圧倒的訴求力を持つ、この390円の「一番絞り」。それは、店舗が170店にものぼる同社のスケールメリットを存分に活かした戦略だ。
 大量仕入れ、本部の一括仕入れによるメリットは、安価な酒肴にもよく表れている。

 「モヤシのナムル」が180円。「冷奴」200円。共に量はかなり多い。奴にいたっては1丁の半分もあるほどだ。材料高がいわれた昨夏、特に大豆の価格が高騰したこの時期に200円の値段で、半丁もの豆腐を出す居酒屋は他にないのではないだろうか。
 しかも、その冷奴の上には大量の生姜と刻みネギがのせられている。

 「もつ煮込み(おたぐり)」(390円)も素晴らしかった。
 「おたぐり」と注釈が付けらており、それは長野県飯田地方、或いは伊那の北部のもつ煮を再現したものと思われる。「おたぐり」に使われる腸は馬のものであり、白味噌が基本である。この煮込みのうまかったこと。まさに馬かったである!

 さて、店の雰囲気について簡潔に説明しよう。
 客のほとんどは店の西側の壁に付けられたアクオステレビに夢中である。
 この日の主役は大相撲の千秋楽。大関(当時)白鵬が全勝優勝に挑んでいた。
 しかし、そうと思えば店内には有線放送がかかり、草野マサムネの甘い声も鳴りひびいていたりしてはいたのだが。

 さて、帰るかな、と思っていたら、ものすごい雨が急に降ってきた。
 傘を持たない人々がバス停の周りを右往左往しているのが、分かる。
 
 やれやれ、しばらく雨宿りか、と思いオレは酎ハイ(300円)頼んだ。肴にはコロッケ(130円)をチョイス。とにかく安い。

 17時半を過ぎて、俄然雨は強くなった。
 この夏、頻発したゲリラ豪雨。

 オレは、降り続く雨をみながら、しばし酎ハイを傾け、このファストフードに似た酒場で雨宿りをしたのだった。




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