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居酒屋放浪記 0392 - よき出会い、よき酒、それが人生 - 「亀谷酒店」(美濃加茂市太田本町)

2010-11-29 14:07:33 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋
I丸電気の取材を終えて、美濃太田の駅までブラブラと歩いて帰ろうかと思った。この後はゆっくりと大阪に向えば良かったからで、別段急ぐことはない。
すると、同社のI垣社長は「旧中仙道を通って帰られたら?」と提案する。
「旧中仙道?」と心の中で思ったが、とりたてて驚きもなかったのである。

だが、実際旧中山道に一歩足を踏み入れてみると、その景観に圧倒された。まるで江戸時代にタイムスリップしてしまったのではないという錯覚にとらわれたのである。これはいささかオーバーな表現に聞こえるかもしれないが、実際のところ、本当にわたしは驚いた。道幅、商家風の家々が並んでいるのである。
そう、ここが中山道69宿の51番目の宿、太田宿であったのだ。

その美しい家並みを見て回っていると、これまた美しいたたずまいの酒屋を発見した。
なんという工法なのか、知らないが、家の造りが特殊である。近年立て直しをしたようで、伝統の技と現代の店舗形態を融合させたように見事にマッチしている。
少し雨が降り始めたこともあり、わたしはそおこの軒先に雨宿りをする風をして、店内を覗き込んだ。
角打ちではなさそうだ。
わたしは少しがっかりしたが、やがてこんな考えが頭に浮かんだ。こんな美しい酒屋さんなら別に角打ちでなくとも、勝手に酒を買って軒先で飲めばいいじゃないかと。

そう考えて店に入ると、中から女性が出てきた。わたしは「こんにちは」と声をかけた。女性はやや戸惑った感があったが「こんにちは」と返した。「地元のお酒ありますか?」と尋ねると、近くに酒蔵さんがあって、そのお酒があると教えてくれる。「よかったら飲んでいかれますか」という。その意外な言葉に誘われて「是非」と答えた。1合が200円ならなんとも安い。

お酒は「御代桜」。
これが実においしかった。
キリッとした味わいがすっきりと口の中へ溶けていく。

店番をするお姉さんが言うには「ウチもかつては造り酒屋だったんですよ」。
戦前はお酒を造っていたが、戦中に諸々の事情でやめてしまったのだという。
そして、この太田宿の見所について、いろいろと教えていただいた。

「御代桜」を造る「御代桜酒造」さんは、すぐ近所にあるらしく、「是非寄っていかれたら?」と薦めてくれた。
見知らぬ土地で一杯のコップ酒を飲み、初めて会う方とお話をする。
これって最高の酒だなぁ。

その後、「御代桜酒造」さんを訪ね、またまた試飲させてもらった。



女将さんの気さくな人柄にすっかり魅了され、一本お酒を購入した。
よき出会い、よきお酒、それが人生。
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