仕事を終えて、夜の街に。
「殿(しんがり)」という店を目指す。長年、チェックしていた店だが、まだ訪問は叶わなかった。座飲みっぽいが、立ち飲みスペースがあるらしい。いつか行こうと思って、なかなか食指が伸びなかった。途中、総武線のガードを超えた。驚くことに、「しょっとおかめ」が閉業していた。ロックな立ち飲みの灯りはもう灯らない。そういえば、風の噂で、アキバの「晩杯屋」も店を畳んだと聞いた。この2年半で街は変わっていた。
「殿」まであと少しというところに来て、見かけない店があった。立ち飲みっぽい。店内のネオン管には「イエロ」とある。おや? 蔵前の店と系列店か?
さて、どうするか。予定通り、「殿」に行くか。それとも、この「イエロ」に入るか。悩んだ挙句、目の前の店舗に突入した。どうも、「殿」には縁がないらしい。
店員は緑の帽子を被った髭もじゃの男だった。
蔵前のお店はまだ一軒目使いが出来るお店だったが、アキバの店舗はどっちかといえばバーっぽい。カウンター下のタイルがオサレだ。
メニューを見ながら、どうしたものかと悩んでいると、髭もじゃの男が近づいてきて、「ウチは初めてですか」と聞いてきた。蔵前に一度行ったと告げると、「レモンサワーはご存知ですね」と言ってまた調理に戻っていった。3種類の焼酎と5種類のフレーバーで15種類の組み合わせが楽しめるレサワ。蔵前の店で初めて説明を受けたときは感動したものだが、あまりもう驚かない。それは多分、値段によるところが大きい。「金宮」をプレーンのレサワでいただくと600円。さらにフレーバーをチョイスするともっと高くなる。確かに瀬戸内の国産レモンとやらを使っていて、安心な食材というのは分かるが、ドリンクはもう少し値段を抑えてもらいたい。ただ、せっかくお店にきたのだから、その「金宮」とプレーンテイストを組み合わせた「フレッシュレモンサワー」をいただいた。
つまみは「アンチョビキャベツ」。この塩気の多い保存食とレサワの組み合わせで、もしかすると、レサワの甘みが高まるのではと思った。ちなみにレサワで塩フレーバーをチョイスすると+50円となる。その思いは的中し、レサワの味がマイルドになった。
やがて、一人の女性客が入ってきた。どうにも常連さんのようである。蔵前の「イエロ」も女性2人組が入店した。こないだも桜木町の「ふくふく」でやはり20代と思しき女性2人が自分の右隣で立ち飲んでいた。店にも拠るのだと思うのだが、女性は普通に立ち飲みに出入りする。
もう一杯飲むつもりだったが、髭もじゃ店員は女性客にべったりになってしまい、オーダーを入れるタイミングが難しい。面倒になったから、1杯で会計した。完全に不完全燃焼。どこかで、もう一杯とも考えたが、この日はもう真っ直ぐに帰った。
明らかに若い人向けにやってるっぽいから蔵前すら入ったことがありませんな。
最近安いチェーン店すら入りやすい店とそうじゃない店がはっきりしてきた感があります。
アキバは高所得の若者向けです。オタク相手でもありません。
>最近安いチェーン店すら入りやすい店とそうじゃない店がはっきりしてきた感があります。
団塊ジュニアが一番人口が多くて、まだ金も持ってるほうなのだから、そこをターゲットにするのが一番なんだと思うけれど、どうなんだろ。
逆にこの歳で店やろうとするなら同世代くらいの方々がターゲットになる、ってことじゃないかなあ。
自分のやりたいことやるのが楽しければ、それが一番だね。