Beerかた手に独り言

建築とJAZZと酒をこよなく愛するオヤジの想い

【アスペクト・イン・ジャズ】

2011-01-27 | Weblog





昔、昔~しまだ若かりし頃、東京でデザインを学んでいた頃の話しです。



東京FMの深夜番組に【アスペクト・イン・ジャズ(1973~1979)】と
言う番組が有りました。

私の敬愛するJAZZ評論家、油井正一さんがパーソナリティーを
務めていた『こんばんは、油井正一です』と始まる名物番組、
記憶ではTDKがスポンサーで毎週火曜日の深夜1:00~3:00だったと思います。


テーマ曲にジェリー・マリガンの【ナイト・ライツ】と言うアルバムの
中の【プレリュード・イン・マイナー】が使われていました。


Gerry Mulligan - Prelude In E Minor




元々は【ショパン24の前奏曲(プレリュード)第四番ホ短調】なのですが、
ボサノバに仕上っていてマリガンのバリトンサックスの音が漆黒の夜を連想させ
美しい素敵な曲になっています。


番組の前半は主に新譜紹介、後半は特集などで構成されています。
油井さんの深い話とちょっと講談調の語り口が好きで毎週、課題に追われながらも
楽しみに聴いていました。



とても懐かしい油井さんの声です。 
アスペクト・イン・ジャズ 1977年12月7日(水)




いつも三畳の部屋でヘッドホーンをして聴いていたのですが・・・ある時、なにかの
拍子にジャックが外れたらしく隣の住人に大目玉をくらった事を覚えています。
無理もありませんネ!! かなりな音量!!さらに夜中の2時でしたから。








油井正一さんは私がJAZZを聴き始めてから一番信頼出来た評論家であり、
私にとってはJAZZの世界の羅針盤的な存在で、昨今の【好み論的】批評を
する人達とは違い、誰にでも公平な真の評論家でした。

スイングジャーナルの新譜紹介で自分がこれは良いと思っていたアルバムに油井さん
が★★★を沢山付けてくれた時等はニンマリとしたものです。


そんな敬愛する油井正一さんも1998年79歳でこの世を去りました。

油井さんのお陰で大分耳が鍛えられ、他の評論家の皆さんのお力を必要と
しなくなりましたので、それからはスイングジャーナルなどの購読も止めてしまいました。



そんなJAZZを取り巻く状況も大分様変わりをし、本場であるはずのアメリカでさえ
有名ジャズクラブが次々に閉店、昨年は日本でも1947年創刊のスイング・ジャーナルが
休刊になってしまいました。

決定的にJAZZを聴く人間が少なくなったのが原因ですが、その影響で
CD売り場もどんどん縮小しJAZZと切っても切れない関係のオーディオの
世界も同じで、今は本当にニッチな世界になってしまいました。


そもそも音楽は社会情勢と密接な関係にあり、社会が変われば音楽に対する
環境も変化して行くのは当たり前な事なのですが、昨今の蕎麦屋やラーメン屋など
何処にいってもBGMがJAZZなのにはちょっと皮肉なものを感じてしまうオジサン
なのであります。






実はこの【アスペクト・イン・ジャズ】今、衛星デジタルラジオ
(ミュージックバード)で再放送を始めています。



    ちょっと、聴いてみたいですね~・・・






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【星影の小径】

2011-01-26 | 映画・音楽






【ちあき なおみ】がTVから姿を消してもうどれくらいたつでしょうか?

彼女の歌うこの【星影の小径】、私の記憶では今迄に3回TVコマーシャルで
使われています。

コーヒー、自動車、ジュースだったと思いますが・・・
アカペラで始まるこの歌をコマーシャルで聴いてからとても気になっていました。

その当時気になっていたのはどうやら私だけではないらしく、相当問い合わせが
あったようです。



2000年の6月に『ちあき なおみ これくしょん』
と言う6枚組のCDーBOXが発売になるのを知り、この一曲の為に手に入れたのですが
全曲聴いている内にすっかりはまってしまいました。



ちあきなおみ 星影の小径




このCDを手に入れた年のオーディオ研究会の例会を私の所で開いたのですが、
メンバーの自作によるドイツシーメンス社のEDと言う真空管を使ったアンプと
私のTADバーチカルツインで聴いた【星影の小径】は,出だしの『静~かに・・・』
で全員ノックアウト。

今迄底域がどうの・・・高域がどうの・・・と
なんやかんや言っていたメンバーが一瞬にしてシ~ンとなり、すっかり彼女の歌に
引込まれていました。

それを見た私はしてやったりとニンマリしたものです。
後日、何人かのメンバーからのCDを貸して欲しいとの電話でまたまた・・・ニンマリ!


このアルバムにも入っている『夜を急ぐ人』と歌があるのですが、NHKの紅白歌合戦で
身体をくねらせ、髪を振り乱し、半狂乱のようにこの歌を歌った彼女を見て
白組司会者が「気持悪い歌ですね~」と言ったのは有名なエピソードです。



ちあきなおみ 黄昏のビギン




元々歌の上手さでは定評のある彼女ですが【美空ひばり】亡き今、ジャンルを
超えてきっちり歌を歌えるのは彼女ただ一人ではないかと思います。


ご主人を亡くした1992年から活動を休止している彼女ですが、ファンの一人として
是非、また歌って欲しいとせつに望んでいます。


彼女の歌うJAZZがまた、いい~んです!




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【 La Salle Of Jazz 】

2011-01-07 | JAZZ・コンサート




新年明けましておめでとうございます。
函館は穏やかな新年の幕開けとなりました。

今の日本の状況を考えると嵐の前の静けさと言う感じがしないでもありませんが・・・?



今年最初の話題はJAZZです。


新年早々、去年の話で大変恐縮ですが昨年、函館ラサール学園の創立50周年を記念
してラサールのJAZZ研OBによるジャズコンサートがありました。

ラサールのJAZZ研の存在は昔から知っており、顧問の沖田先生も奥さん共々お付き合いが
あり、JAZZ研の話は伺っていたのですが、このOBの数には驚きました。

     元岡 一英(P)
     高橋 知巳(ts,ss)
     寺下  誠(p)
     菊池 昭紀(ts,fl)
     浜田  均(vib)
     川村 裕司(ts)
     小林  裕(p)
     対馬 正徳(g)
     佐久間高広(b)
     吉岡 直樹(b)
     牧島 克彦(b)

JAZZ評論家 村井康司  佐藤大介

 




この日のコンサートはJAZZ研創部40周年の記念コンサートでもあり、
市民会館の大ホールは満席状態でした。

この日のコンサートは友情出演の久米雅之(d)意外は全てOBで
ピアノが三人、サックスとベースがそれぞれ二人にギターと言う
メンバーチェンジによる三部構成でした。

4ビートでアレンジされたラサールの学生歌演奏でスタートしたコンサートは
同じ楽器と思えない程それぞれ個性的でとても楽しめました。

また各人の完成度の高いオリジナル曲も良かったし、久米雅之の
安定感のあるドラムが素晴らしく、メンバーがリスペクトされて
行くのが面白いように分かりました。

中でも対馬正徳のスウィンギーなギターがとてもお気に入り、
圧巻だったのは、高橋知巳(ts)と寺下誠(p)のデュオによる
バラード、これは本当に素晴らしかった。


コンサートの帰りに買った記念の『Our Jazz Heart Is Here♪』と題された
このCDがまた中々の出来なのです。

西荻窪のライブハウス「アケタの店」で録音されたこのアルバムは全曲
メンバーそれぞれのオリジナルと言うもので、これが聴き込めば聴き込む程にいい~

全て文句の無い素晴らしい内容ではありますが、特に私のお気に入りはこれ!

4, ヴァイブの浜田均のオリジナル『Negunal』はサンバのリズムに乗せて
  コルトレーンばりの高橋のソプラノサックスが歌い上げて行くソロは圧巻、
  それに続く浜田均のヴァイブのソロも最高です。

7, コンサートでも演奏された小林裕(p)のオリジナル
  『Missing Moments3~The days with K.H』は2008年に亡くなった同期の
  ベーシスト牧島克彦に捧げたとても美しいバラードで小林の指が一気に
  メロディーを歌い上げ、聴く度に目頭が熱くなってしまいます。

8, 『Evening Tide』菊池昭紀(fl)のオリジナルでシンプルでオーソドックスな曲、
  ドルフィーばりの菊池のフルートの音色が本当にいい~

12, 『イャイライケレ』川村裕司(ts)のオリジナルでアイヌ語の「ありがとう」と
   言う意味だそうで、川村の活きのいいソロが凄い、それに触発された原大力の
   ドラムがまたパワフルで全編でスイングです。


このアルバムは本当に素晴らしい!久々に本物の日本のJAZZを聴いた気がします。

願わくばこれを期に毎年定期的にコンサートを遣って欲しいと
思うオジサンなのであります。

それにしても録音に参加しているドラムの原大力が鹿児島ラサールの出身だったとは
知らなかった。





どうぞ今年もピリ辛オヤジの独り言に宜しくお付合いくださいませ。

本年も宜しくお願いいたします。




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