私の大好きな作家、池波正太郎の本に、『男の作法』と言うのがあります。
【作法】とは何か?
広辞苑によると、「物事を行う方法」「起居・動作の正しい法式」
「きまり、しきたり」とあります。
この本は池波正太郎が色々な話の中で編集者の質問に答えた事を纏めた内容なのですが、
軽妙洒脱でこれが中々、面白い。
「食べる」事についてのくだりは食通で有名だった彼らしく、一本筋の通った
食への拘りを感じる内容で、これがまた気持ちが良く、読んでいて
「そうだ、そうだ」と言う感じなのです。
そんな食べる事についての話の中で「鮨屋」についてのくだりがまた中々いい。

『鮨』:鮨屋へ行った時は「シャリ」なんて言わないで普通に
「ご飯」と言えばいいんです。
『わさび』:たいていの人はワサビを取ってお醤油で溶いちゃうだろう。
あれはおかしい。
『トロ』:店の立場と言うものを考えてね、鮪もむしろトロじゃなくて、
赤いところを食べればいいんだよ。
『勘定』:自分が初めて行く店の場合、一番隅の方へ坐って、一通り握って
くださいと言えばいいんだよ。
と、まあ〜こんな話をしているのですが、その言葉の中には美味しく鮨を
楽しむ為の拘りや、店や他のお客へ配慮をとても感じるのです。
本当の「粋」とはこう言う事なのだと・・・・
実はオジサンには、この『トロ』のくだりで思い出した忘れられない出来事があるのです。
それは、まだ二十代のむかし、むか〜しの話、
仕事が終わり会社に戻った社長との世間話の中で『鮨』を何個位食べれるかと言う話になり、
その場にいた同僚と三人でトロ食い競争をしようと言う話になり、勇んで大門の『鮨金』へ
出掛けました。
勿論、会計は負けた人間だから、さ〜大変!
大将にその旨を告げ、始めたのはいいのですが、何せ「大トロ」なものだから大変、
お醤油の皿はもう脂でギトギト状態、ゆっくり味わっている余裕などありません。
ついには、店のトロを全部食べ尽くしてしまい勝負有り。
結果は同僚の支払いになり、支払い額はその当時で3万ちょっとだったと思いますが、
その後が大変、皆トロの脂で遣られてしまい大変な思いをしました。
因みに白状するとオジサンは、この社長にヒゲを落とせと言われ、新婚4ヶ月にして
この会社を辞めてしまいました。(笑い)
それもこれも、ま〜若かりし頃の馬鹿げた思い出ですが、この本を読んでしまっては、
誠にもって恥ずかしい限りなのです。
そんな鮨屋で、オジサンにはどうしても我慢成らない事があるのです。
その一つは、カウンターに子供を座らせる馬鹿親!もう一つは香水を浴びた馬鹿女!です。
この二つだけはどうにも我慢ならないし、そしてこんな店には二度と行きません。
これもオジサンにとっての『男の作法』なのであります。
最後に池波正太郎は『男をみがく』と言う事についてこう語っています。
男と言うものが、どのように生きて行くかと言う問題は、結局、その人が生きている
時代そのものと切っても切れない関わりを持っています。
この本の中で私が語っている事は、かつては『男の常識』とされていた事ばかりです。
しかし、それは所詮、私の時代の常識であり、現代の男達には恐らく実行不可能でありましょう。
時代と社会がそれほど変わってしまっていると言う事です。
そして最後に、『男の顔をいい顔に変えて行くと言う事が男を磨く事なんだよ』・・・と
いつの世も物事の筋を通すと言う事は何事も辛いものです。
がしかし、「タマ」を持った男にはどうしても譲れない事がある、
たとえそれが、火の粉を被る事になってもです。
この震災は企業や政治家、自治体や官僚、マスメディアなど、様々な世界で
このちゃんと二つ「タマ」を持った男と、片方しか無い男、両方とも無いの男の
違いをハッキリと私達にみせてくれた様に思います。
久々に『男の作法』を読み返してみて、何か清々しいさを感じるのは
私だけでしょうかね〜・・・?
是非、カンから菅を初め、今の永田町の皆さんに読んで貰いたい一冊である。
政治家の皆さん、「タマ」があるのなら「タマ」に恥じない行動をいたしましょう
それが本来の『男の作法』なのだから〜!!
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