システム担当ライブラリアンの日記

図書館システムやサービス系の話題を中心に。最近、歩き旅の話題も。

(2012.7.14)産学連携シンポジウム グローバル人材養成のためのキャリア形成支援

2012-07-28 22:52:41 | イベント参加
サブタイトル:日本企業が求める人材「グローバル人材」を考える

母校でもある立命主催のシンポジウム。
本学でも「国際性」が教育目標でもあり、何かヒントがもらえるかもと参加。
非常に有意義。各企業の取り組みや、人材に対する考え方、立命のプログラムの内容。パネルディスカッションでも異文化とのぶつかりも含め、興味深いことを聞くことができた。

仕事にどんな風に活かせるだろう。
また、図書館業界などでもこんな講演を聞くことができるといいなぁと思いました。

・主催:立命館大学
・後援:関経連、京都経済同友会
・場所:立命館大学 朱雀キャンパス

ポスター
http://www.ritsumei.jp/topics_pdf/extention_a2d207db59fda6575338962f23dda35d_1339137649_.pdf

グローバル社会を生き抜く人材の育成を 産学連携シンポジウム「グローバル人材養成のためのキャリア形成支援~日本企業が求める『グローバル人材』を考える~」を開催
http://www.ritsumei.jp/pickup/detail_j/topics/10881/date/7/year/2012

■挨拶(副総長、モンテ・カセム氏)
・「グローバル」じゃなく、「超克社会」「君富論」
・共通教養教育 RISE構想
 分野を超えた知識、Resilience, Innovation, Sustainability, Enterprise
・企業側: 知的資本
・オープンイノベーションの場所、APUの近くに
 京都にも。
・世界の原動力になるアジア
 基礎教育>専門教育>ゼミ等で世界的か課題解決策を出す。
・立命の拠点のないエリア
 中国以外のアジア、中東・アフリカ、インド洋地域
・迷いを希望に返ること

■基調講演 国籍を問わず採用する~企業が求める人材とは~ (富士ゼロックス 常勤監査役 日比谷氏)
○企業の立場で、つい短期的に考えることが多いが、産学連携という場で、自分も考えることができる。
 政治、官をサポートして、日本をよくしていくようなことをしていきたい。
 昨日まで盛岡で経済同友会の集まり。

○「グローバル」
・国家間の競争、連携というのを感じる。
○危機意識
 「人材育成」 シンガポール、中国、ASEANの例
 (アウン・サン・スー・チーさんが軟禁後初めて海外に出た場面:ビルマ資源の多さ、投資をしてほしい、しかし、利益はシェアしてほしいと)

・人材育成に対する国家としての戦略がなく...
・魅力ある企業、大学、日本にならないと持続的成長はない
・若い人に期待

 #日本への留学生は、何かを期待して来ているんでしょ。阪大への留学生も同じでしょ。
 
○富士ゼロックスの事例

・分度と推譲
・共通認識を持つ重要性(4万人の社員もいて難しい)
 客観視、外から学ぶ

 #大学(一部の)とか役所は、

○企業経営の要諦
・経営はリスクマネジメント
 1)組織肥大化のリスク(マネジメント)
 2)変化に対応できないリスク(リーダシップ)
 3)特定層に偏るリスク(現場の人が考えて動ける企業風土、人材育成)
・経営はバランス
 つよい、やさしい、おもしろい

・企業は人なり

○50周年
・新聞広告の子供たちの写真は日本で撮れなかった
・東北にも観光で行ってほしい。

○企業は人なり
・基幹人材養成プログラム

○経営哲学
・今道先生 教養、古典

○富士ゼロックスの求める人材像
 1)自分で考え、判断し、実行できる人
 2)その結果について自分で責任を負える人
 3)他人に対して思いやりのある優しい心を持った人
 
○桃太郎に学ぶリアル・チェンジ・リーダー

○若い人へ
・我々社会人がナナメの関係で入っていければ
・日本は、リーダシップより、「ホスピタリティ」ではないか ◆

○大学に期待すること
・全体像の俯瞰
・アカデミックスキル
・歴史、古典との対話を通じて歴史観、倫理観、人生観

・「教養」とは

○さいごに



■キャリア形成支援を通じた「グローバル人材養成プログラム」プログラム概要説明
 (キャリアセンター次長)

1.本プログラム発足の経緯
○企業からの声
・グローバル人材が日本の大学のどこにいるか分からない。
○目的
・総合大学としてグローバルな人材を育成しているというブランド化した大学を目指す
 (秋田国際教養大学、立命館APUなど)
・本当の競争相手は、海外の大学である。
 日本人と留学生をともにグローバル人材として育成する

2.これまでの歩み・到達点
・3年で140名。少ないが、手一杯、ある意味エリート教育
・あえて日本人学生を、マイナーな状態に置いた。海外赴任の状況を経験させるため。
・出身国: 中国・韓国が中心にならざるを得なかった。
      韓国やベトナムの学生が日中の触媒的な役割に
・就職状況
 著名な企業にも
 しかし、就職率を押し上げる原動力は、就職活動支援。
 キャリアセンターとの密接な連携が必要。

3.企業の求めるグローバル人材像の累計
 2型の人材育成に力点を置いた。

・定義や捉え方も千差万別
・人材像は柔軟に対応すべき

・ダイバーシティ

・求められる能力 ◆
 意見を伝える。前提としての自己省察。
 相手の意見を正しく理解する力。  → 相互理解

 妥協ではなく、新たな価値創造=「合意」
 二者択一ではなく新しい価値を創造する「ホスピタリティ」

・立命館の特長
 西日本一の女子学生、13学部15研究科・・・

 外国語>教養>専門性>論理的思考力
 協調性・気づきの力  コミュニケーション

4.本プログラムでのグローバル人材の定義


・「ホスピタリティ特論」
 ANAの研究所?の協力も頂いたとか。この席上にも来られているとか。


■パネルディスカッション 多様な人材が支える経済~グローバル社会における人材養成・キャリア形成について考える

・オムロン 執行役員 日戸氏
・ディーエスインターナショナル 総括マネージャー 生嶋氏
・神戸大 教員 石原氏(コメンテーター)
・2010年度プログラム受講生 燓氏
・2011年度プログラム受講生 原氏
・立命 共通教育推進機構、キャリアセンター 教授 広瀬氏

●第1ラウンド
○オムロン 日戸氏
・売り上げ、海外比率50%を今年、超えるだろう
・社員 3分の1が日本人
・コアポジション 167 → 非日本人はたった19 という実情もある

・今後、転落する危機感も。お客様へのイノベーションを起こしてきてきたか、ここ10年、日本メーカは負けてきたのではないか。
・ダイバシティ。お客さんと組んで、新たな価値を生んでいくことが大事。

・個々の人材。各自もグローバルな競争に巻き込まれているということも認識すべき。
・「現地」の仕事は、現地の人が行うのが中心になっていくだろう。
・日本に赴任してもらえない。社内の環境も
・研究開発や商品企画も海外に移すことも考えないといけないかも。
 ゆっくりグローバル化とか言ってられない状況。
 プログラムが始まった2年前に、そこまで考えてなかったですよね。

・新卒、じっくり育てるとか、、、何か足りないんじゃないか。答えは持っていないが。

・娘を見てると(プログラム受講生)、変わってきた。考え方の座標軸とか、親としては満足。
 しかし、企業から見ていると、なぁにか足りない、という印象。

○ティーエスインターナショナル 生嶋氏
・「大信」という会社から。外国人の社長、100人の日本人社員。
・ウェディング事業
・72万組の結婚届の内、結婚式するのは半分。
・外国人を日本に呼ぶか。海外でビジネスをするか、

・「おもてなし」が外国に通用するか。そう思わない。
 イタリア、陽気な人がフォークを投げたり。それが文化。
 日本、そんなに陽気じゃない。ミックスしたものを。
 お客様が、 どんな気持ちになっていただいたかを重視したい。

・社長、休みの日に休みじゃなくて、勉強すべき。しかし、そんな環境にもない。
 「この事業、やりたい人?」って、小さなことから、自発的にやるようにしている。
・行動力、実行力、コミュニケーション ・・・それが僕らの考えるグローバル人材

・「内向き」と批判するけど、それを作ってきたのは大人では?
 PBLを受講して、こんな大学あるんだ、って感動した。

・企業と大学の関係
 「ビジョンブック」を作ったけど、今回の受講がなければ、なかった。

○2011年度プログラム受講生 原氏
・将来な明確なビジョンを持つため
・外国人と関わるように積極的にしてきた。しかし、友人関係に留まった。
 プログラムで、同僚として関われるか考えることができた。

・グローバルPBLがしんどかった。企業の方も含めて、解決策を考える。
 仲のいいチームが、後期になって、濃厚な議論を重ねることで変わってきた。
 中国において云々というテーマ
・国による考え方が出てくる、衝突
 「本番直前の合宿でついに爆発」
・日本は部活とかグループ活動あり、中国は個人活動。それを知って、活用していれば、うまくすることもできただろう。
・口で言うのは簡単、実行は難しいと感じた。

・「自分の軸」を持つことができた。
 グローバル人材はTOEICの点数で計るものでなく、
 異文化を受け入れて、議論できる力。実行する力。それらの喧々ガクガクをやって身につくもの。

○2010年度プログラム受講生 燓氏(現村田製作所)
1)知行の統一
2)日本の企業・大学

1)知行の統一
・日本の企業での働き方
・チーム力の大切さ
 いかに相手の話を理解し、納得する
・ホスピタリティ

2)日本の企業・大学
・大学。留学生にとって就活は難しい。
 企業の探す方法。情報量の少なさ。
 模擬面接とかあってもいいのに。Practice makes perfect
・企業。
 採用の時は、やりたいことを、って言うけど、実際させてもらえるのか。
 留学生のキャリアプランを持っているのか。

○プログラム アセスメントデータ分析結果(キャリア教育センター 副センター長 廣瀬氏)
・留学生の内定者と非内定者の比較(3年前の調査)
 日本語能力は変わりなし。就活の早さ、アクションの多さ。
 内定者の方が、安定志向、文化受容 高い。

 自己分析、達成力 高い
 理想の職場、選社基準
  →協調・協働指向が強い留学生が、内定者に多い
  →チャレンジ、オリジナルティを重視する留学生は非内定者に多い

 ドメスティックな日本企業を示す?
 日本企業のホンネとを示す建前? 
 「エッジの効いている」学生が内定を取れていない。

・細かな能力分析でも有意な変化が見られる


●議論
○(日戸)大学側への人材育成の要望もあるが、異分子、異文化を排除する方向性が出てしまうのかと思った。
 企業と大学も一緒に考えていかないと。

・オムロンの中でPBLを発表してもらったりしたら、なにか化学変化あった?
 →人事部のスタッフにやってもらったが、触発を受けた。

・(生嶋)自分たちも受け入れる風土があるとはいえない。

・(原)日本人学生。TOEICの点数、留学経験を重視される傾向がある。企業にも変えていってほしい。
 グローバル・マインドをどう育てていくかも考えられたら。

・(燓)日本人の思考も変わるもの。自分も周りに刺激を与える。一緒に世界を変えていく。

・(日戸)オムロン自体を無国籍にする気はない。
 オムロンの社訓も、結局「和」(Harmony) ではないか。
 原さんの言うところは、グローバル以前に、ビジネスをするための基本、リテラシーくらいに思ってほしい。
 エントリーシートみんな一緒で、いいことしか書いていない(受講生2名うなずき)。
 自分だって入社した時、TOEIC280点だし。だけど、こんな立場にいるし。

○(司会)生嶋さんはウェディングという感性に関係する業界にいると。
・(生嶋)サービス業としては、会った瞬間にこの人にサービス受けたいというインスピレーションが大事と思ってる。
・(燓)入社した後に、ギャップはそんなに感じてない。自分は満足している。
・(廣瀬)授業で「理不尽」ということから。留学生はあまり知らない言葉。
 「不文律」についても、日本企業によくあること。
 大学側としては、きれいごとを言わず。それらを「我慢しなさい」ではなく、その中で「他者のためにがんばる」という楽しみ・喜びを感じるように。「打たれ強さ」みたいなことを大学の中でサポートできる仕組みを作るのも大事ではないか。

○(最後に総括的なコメント)
・プログラムの成果、上げているといえる。

・否定的な面。大学でできることは限られている。企業と協力して。
 大学でほとんど学ばなかったが、海外旅行・卒論2本・・・という人間力を育てるにはどうしたらいいか。

・日本の企業に足りないこと。
 技術のブラックボックス化。技術はいずれ流出する。営業力。
 日本の技術を活かせていないのでは。典型は新幹線ではないか。事故を起こした後の処理、きめ細かい発券システム。

・日本だけの利益を考えていいのか。そんな狭い思考の人間を育てるのが大学の役割か。
 例えば、戦争や貧困が起きないようなことを考えることは、日本企業にできることでは。しかし、伝えられない。
 夢を与える教育もしてこなかったのではないか。

(以上)
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