AMDのビジネス向けAPU PROシリーズ展開からCarrizoのスペックを覗く

AMD製APUを搭載したタブレット型PC、bungbungameのPhoton2．やはり問い合わせに返事がきません。どうやらgooメールからだとはじかれてしまうみたいです。gooのメアドかサーバーが向こうのセキュリティに引っかかるのでしょうか？　今度はgmailあたりから問い合わせてみましょうか。

Photon2は正式ではなくともようやく発売になったと言っていいモデルですが、当初の予定では昨年度中にも発売する方針であり、もはや一世代前のAPUを搭載した製品でしかありません。こうした遅れはIntel採用機ではあり得ない動きです。我先にとこぞってIntel製CPUを搭載したPCが発売される(Broadwellのような例外はありましたが)のとはあまりに扱いが違いますね。製品が出なければ出してもらうようメーカーは動かなければなりません。AMDも今度はビジネス向けAPUのブランド、APU PROとプロセッサであるA12-8800Bを発表しました。

AMD，Carrizoを「AMD PRO A12」APUとしてビジネス市場向けに展開

ビジネス向けプロセッサだからわたしらに関係ある機能は特にないのでは？　と思いがちですがAMDがビジネス向けとして売っているプロセッサは一般・ホビー向けと機能的な違いは原則的になく、保証や製造・保持の期間が長く取られているというだけなのです。したがってA12-8800Bの仕様を見ればほとんど分からなかったCarrizoの仕様も見えてくるというもの。ちなみにA12という型番はAPUで今まで使われていた最上位のA10より大きな番号ですが、おそらくFXの代わりだと思います。ノート向けAPUではA10よりも機能の高いプロセッサにFXの型番を付けていますが、ビジネス向けでは別物と見られてしまいますので連番になるA12に差し替えたものと思われます。おそらくFX-8800Pと中身は同じでしょう。

A12-8800Bのクロックは最大3.4GHzとノート向けとしては高めです。ただしあくまで"最大"のため、普段の動作はもっと低めでしょう。残念ながら通常クロックは公開されていません。ただ、Kaveri世代のFX-7600Pが最大3.6GHzで通常2.7GHzでしたのでCarrizoもその近辺ではないかと思われます。GPUは8CUでグラフィックス演算コア512基となっています。おそらくA10までの型番は6CUで384基となるでしょうから格段に高い機能を発揮します。クロックは800MHz。これはFX-7600Pの686MHzよりだいぶ高い数字です。採用されたGCN1.2のTongaベースのRadeonGPUコアと合わせ、HSA1.0をサポートするにふさわしいパフォーマンスを発揮してくれると思われます。もちろん新しい世代ですから待望のHEVCデコーダーも搭載しています。特に発表はありませんでしたが、4KのAVCに対してもデコードできるのではないでしょうか。もっともノートですからPC本体が対応してくれないと使えませんが。
なお、APU PROシリーズにはデスクトップ向けも存在するとのことですが、資料のコードネームに「Godavari PRO」が見えるところからデスクトップにはこちらが提供される気配が濃厚です。やはりCarrizoは無理ですか、残念。

APU PRO搭載PCはとりあえずHPから発売されるとのことですが、おそらく日本には入ってこないでしょう。通所のAPUでもなかなか見ないのに、ましてビジネス向けPROですからね。ちなみに現在のHPサイトを見てもCarrizoはもちろんKAVERI搭載PCも一般向けAPUしか搭載されておらず、安いエントリー向けAPU採用が個人向けとして、性能高めのA10が搭載されたものが法人向けとして売られているのみです。PROでなくてもいいのでせめて普通のCarrizo搭載PCも日の目を見せてほしいですね。ベアボーンのような小型PCならもっといいのですが。