録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

Core2Duoは本当にAthlon64x2より速いのか、実証編

2006-11-18 22:46:57 | 意味なしレビュー
コンビニエンスストアによったら、ある意味つわものと呼べる人を見た。
その人物はキャッシャーのまん前にある競馬新聞コーナーでいきなりしゃがみこみ、
各種競馬新聞を全部広げて読み、重要部分をメモ写し、読んだものをグシャグシャに
丸めると適当にコーナーに突っ込み、何も買わずに帰ってしまったのである。
さすがに店員の兄ちゃん、直している間、不機嫌さを隠すことも出来なかった。
いくらなんでも酷いよなぁ、そりゃ競馬新聞って高いんだけど、一部くらい買っていく
程度のことはすべきだろう。

ちなみにわたしは度胸も運もないのでギャンブルはやったことありません。


前回、Core2DuoとAthlon64x2の比較を有視界作業で行っていると書いたら、
kishow_99さんに「Avisynth使ってVirtualDubでバッチエンコすると良いっすよ~」と
アドバイスを受けた。が、Avisynthって一度も使ったこと無い・・・。スクリプト言語
形式のソフトって、面倒くさそうで避けていたんだよなぁ。エンコード屋として
は失格・・・。今回は使わなかったけど、おいおい覚えていきましょ。
で、今回は手持ちのCore2Duo E6300とAthlon64x2 4200+を、「エンコードを前提」とし
て比較を行ってみた。Avisynthが分からないので、使用ソフトはなんだかんだ言って
使っている人が多いと思われるAviUtl。エンコード先のファイルのCodecはWMV9 VCM
とMP3.なお、項目は以下の3つ

1.デュアルコアの醍醐味はPV3だ対決!
     ・・・PV3で1280x1080で録画したHD動画8分を、リサイズ1280x720、インター
       レース解除だけを行ったタイム。

2.デュアルコアの真骨頂は重量級処理だ対決!
     ・・・GV-MVP/GX2で720x480で録画したMPEG2ファイル(8Mbps・CBR・8分)を
       MPEG-2 Video Plug-inフィルタで読み込んで、色の変更、アンシャー
        プマスク、Wavelet_NR TYPE-G・640x480へのリサイズ、クロッピン
       グ、インターレースの解除といった、実際にアナログ映像の処理を
       行うときにありうるエンコード処理

3.デュアルコアの本領は並列処理でこそ発揮される対決!
     ・・・2で使ったのと同じMPEG2ファイルを、今度はリサイズとインターレー
       ス解除だけを行い、それと同時にスーパーパイの3355万桁計算を行う
       時間を測る。比較用として、スーパーパイを使用しない以外の条件
       は同じとしたエンコード時間も計測。なお、スーパーパイを使うのは
       AMD側が同じような比較デモ(使ったCPUも同じ)をやったときにスー
       パーパイではCore2Duoが圧倒的に速かったため、「円周率の計算がや
       りたい人はCore2Duoがお勧め」と皮肉な自虐ネタを言ったため。

ただし、両パソコンはCPUや、当然チップセット以外にも、以下のように仕様が異な
る。

Core2Duo E6300マシン
メモリ    DDR2-533 2GB
チップセット 945G
OS WindowsXP PROFESSIONAL

Athlon64x2 4200+マシン
メモリ    DDR-400 1GB
チップセット GeForce6150
OS WindowsXP MCE

特に大きいのはメモリ容量の差なので、少々Athlon64x2の性能は+アルファを考えて
見るべきかも知れない。

さて、結果は以下の通り

Core2Duo
テスト1.72分14秒 4334秒
テスト2.71分41秒 4301秒
テスト3.25分22秒 1522秒 スーパーパイ結果 44分39秒 未使用時 22分08秒
    (並列能力キープ、約87%)
Athlon64x2
テスト1.83分26秒 5006秒
テスト2.76分44秒 4604秒
テスト3.30分27秒 1827秒 スーパーパイ結果 50分06秒 未使用時 28分39秒
    (並列能力キープ、約94%)
 
予想通りというか、予想以上というべきか、Core2Duoが全項目でAthlon64x2を上回っ
た。ただ、見ていただければわかるとおり、処理が複雑であれば複雑であるほど両者
の差は縮まる。並列処理時の能力保持率もAthlon64x2の方が上だ。

これだけの結果で乱暴だが、あえて両者の違いを書いてみたい。
コアがデュアル・・・これを一度見たとき、誰もが一度は思いつくのは、「コアがデュア
ルなら処理能力も2倍、当然スピードは2倍になるのでは」という考えだ。Core2Duoは
どうも本気でそれに取り組み、実現することを目標にした感がある。一方、
Athlon64x2は従来通り「コアがデュアルになっても必ずしも速度が2倍になるわけで
はない」、あえて言うなら古い思想で作られたデュアルコアCPUだ。
昔から「デュアルCPUは個人には必要ない」と言われてきた。それはデュアルCPUの
能力は専ら並列処理や複雑な計算を効率よく行うために使われるものであり、単純
な処理の繰り返しが多い個人用途にはムダが多いとされてきたからだ。そのために
デュアルはサーバー向けとされてきた。それでもCPUが複数載るという設計には独特
のあこがれがあるのか、過去に2度ほどブームが来たこともある。が、いずれも
CeleronやAthlonといった本来デュアル向けでは無い、通常価格で販売されている
CPUを無理やりデュアル稼動させる、というものであり、もの珍しさの延長でしかな
く、すぐに沈静化した。稼動には高価なOSであるWindowsNTが必要であったのも原因
の一つであった。だが、現在はOSはNTがベースとなり、デュアルCPUを使うのに
制約は少なくなっているというのにCPUメーカーが一般向けに販売するのはデュアル
化の出来ないCPUばかり。シングルコアの性能が限界に達しつつあることも手伝い、
新たなデュアル化の必要性が出てきたのだ。だから、Core2Duoはあくまでクロック数
の上昇に変わる、CPU能力の上昇手段としてデュアルコアを採用したのであり、用途
は個人向けだ。そのため、従来ならシングルコアで行う処理をデュアルで如何に効率
よく行うか、そこに重点を置かれて設計されたのは正しい発想であったと思う。
一方、Athlon64x2はコア自体はシングルと同じため、足回りは別としても、コア自体
デュアルコアを最適とした設計が行われていない。よって、通常処理ではCore2Duo
にかなわないのではないか。もちろん、処理が複雑になればなるほど性能はCore2Duo
に近づくが、個人の処理としては重いWavelet_NR処理を行ってもなお、逆転しうる
ほどの重さはないのである。ただし、一番最初に行ったエンコードでは、テスト.2
において45分08秒・2708秒という信じがたい性能を発揮している。あまりの速さに
何かの間違いと思い、一からやり直したのが掲載した結果だ。

以上から、やはり評判通り、Core2Duoの方が速い、と断言してよさそうである。
ただ、参考記録から見えるようにAthlon64x2の潜在能力は侮りがたい。よって、
「どちらがお勧めか」と人に聞かれたら迷わずCore2Duoと答えるが、もしその人が
迷うようならAthlon64x2の方がいい、としておこう。止めるほどの真の性能差は
必ずしも両者にある、とは思えないからである。

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