録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

Lucidlogix Virtuの可能性

2011-05-12 22:36:35 | 意味なしレビュー
前の記事は本来前置きとして利用しようと思ったのですが、犯罪というテーマは他と一括りにするにはあまりにふさわしくないものと考えたので独立記事にしましたが、今日書きたかったのはあくまでこちらです。

いよいよZ68チップセット、解禁ですね。P67やH67では中途半端にしか使えなかったSandyBridgeの機能がより多彩に使えると言うことで注目を集めています。とはいえ、3Dゲームやオーバークロックに興味のないわたしはH67で十分なのですが。
そのH67、P67とは違い、Z68からのフィードバックとも言うべきソフトが用意されることになりました。Lucidlogix社のVirtuです。
Virtuはあちこちでもう記事が載っているのでもう機能は知っていると思いますが、SandyBridgeの内蔵GPU、Intel HD Graphic 3000や2000を有効にしたまま、3Dなどの処理は別のGPUにやらせ、内蔵GPUはその結果を表示するだけ、になるという機能をソフトで実現するもので、nVIDIAがモバイルやION2などで実現している機能に似たものになっています。使い道になるかどうかはともかくおもしろそうな機能ですよね。ソフトはIntelで公開され、無料でダウンロードできますし、H67で使えるようですので、早速試してみましょう。ちなみに対応OSは32/64ビットともWindows7だけ。XPはともかくVistaで使えないのはなぜでしょうか? 残念です。
先にインストールしようとすると、「別のGPUがないとインストール出来ないから、してからやり直せ(意訳)」という警告が出てインストール出来ません。しょうがないので一度シャットダウンしてグラボを差し込みましょう。こんなこともあろうかと思って、1SlotタイプのGeForce9800GTをもう一枚用意してあるのです。と、いうより前に使っていたパーツのあまりですけど。現在メインPCは同じく1SlotのGeForce9800GTの補助電源不要タイプに変えたので、要電源タイプは使わなくなっていたのです。どっちにしてもいまさらの9800GTですが、未だに1Slotタイプでかつ回転するファンが隣のボードにふさがれにくいケース内部の方にあるもので最高性能のGeForceはこのzotacのGeForce9800GTしかないと思っています。ELSAとかが出している最近のやつはファンがとなりにボードを挿すとふさがってしまう、意味のない位置にしかありませんしね。なんとかして欲しいです。なお、別のグラボを挿してかつHD3000を有効にする必要がある場合、グラボを挿す前にBIOS Settingを起動させてVideoメニューからPrimary Video AdapterをInt Graphics(IGD)にしておく必要があります。

で、IntelHDと9800GTの両方が認識されていることを確認してから、Virtuをインストール。再起動すると常駐ソフトになります。Enbleになっていることを確認してからWindows エクスペリエンス インデックスを使って評価を起動させますが、数値に変更全くなし。あれ? ひょっとしてHD3000は結構優秀なので、9800GTに追いついてしまったのか? と一瞬勘違いしましたが、よく調べてみるとVirtuは登録されているソフトしか有効にならない、とのことでした。もちろん後からソフトを登録することも出来ますが、今回は登録されているソフトの中から、FFXIVベンチマークを使ってVirtuのオンとオフを比較してみましょう。果たしてHD3000は9800GTにどこまでせまっているのでしょうか?

HIGH(1920x1080) ヒューラン(男)のベンチを

・Corei5 2500K
・DH67CL
・DDR3-1333 4GB
・Windows7 Pro 64

の環境で、9800GTのVirtuオンオフでScoreを出します。結果は

オン 1344
オフ 356

全然及んでいませんでした。E-350を除けば最新最高性能と呼ばれるHD3000の性能を持ってしても9800GTの足下にも及びませんでした。

ただし、前述した通り、わたしは3Dゲームには興味はありません。やりたいのは、TMPGEnc Video Mastering Works 5でCUDAをフィルタ用として使いたい時だけ利用して、そうでないときは寝ていてもらうという使い方なのですよ。まずはVirtuをオンしただけでTMPGEncを起動させましょう。

・・・あれ? 普通にCUDAが使えます。

Virtuはソフトを登録しておかないと使えないはずなのですが、CUDAは使えてしまいます。試しにVirtuをオフにしてもみたのですが、やっぱり普通にCUDAは使えます。

つまり、Virtuの状態に関係なく別のGPUは普通に動いているのです。ただVirtuが動いていると3D結果を内蔵HDに手渡す処理が出来るというだけなんです。もちろん負荷を一切かけないときは電力をある程度落として動作してくれますが、わたしが期待していたようなほとんど動作していなくて寝てしまうほどにはならないようです。あくまでnVIDIAやAMDの省電力モードの想定内でしか省電力してくれないのですよ。ちなみに内蔵HDさえPrimaryになっていればVirtuがなくてもTMPGEncでQSVとCUDAの併用は、ごく初期のバージョンを除けば可能です。

と、いうわけでエンコード派には意味のないものとなってしまいましたが、たとえばどうせ3DはGPUでやるからHD3000搭載の2600K/2500KにこだわらずHD2000のもので十分と割り切るとも出来ますし、少しは3Dをやる、という人ならそれなりに意味はあると思います。
個人的に期待するのは、Virtu利用を前提としたディスプレイ出力機能のないグラボの登場ですね。コネクタが不要なのでFIRECODER Bluのように1Slotでも外部排気口をつけることが出来ますので、巨大化の一途
たどるグラボに別の道を用意することが出来るようになるのでは、と思うのです。また、アイドル時にはほとんど消費電力ゼロというGPUもこれからは登場するでしょう。まだ始まったばかりの機能ですから、これからどんどんよくなっていくことを願います。


追記:なんかVirtuと併用がゴッチャになっていますので、情報整理します。箇条書きで申し訳ない
・VirtuはSandyBridgeの内蔵GPUに別GPUで計算した3D処理結果を渡すソフトである。それ以外の機能はない
・Virtuの有効無効に関係なく別GPUは生きているので、併存的利用は可能。別GPUがGeForceの場合、CUDAも使える
・Virtuでなく両方の併用で良いのなら、別GPUをプライマリ・内蔵CPUをセカンダリもしくは動いているだけ状態にすることは可能
・手元のソフトではMediaEspressoは内蔵GPUを「動いているだけ」状態にしてもQSVの利用は可能
・TMPGEnc Video Mastering Works 5は内蔵GPUをプライマリにしていない限りQSV(Itel Media SDK Hardware)は使えない。GeForceを「動いているだけ」にしてCUDAを使わせることは可能

ってなもんです。参考までに。

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19 コメント

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レポどうもでした (N.Shim@)
2011-05-13 01:27:04
マシン組み直しの参考にさせていただきます。

ところで、HD2000とHD3000にQSVの性能差はあるんですかね。

どこかのWebサイトのレポではVirtu経由で外部GPUの3D主力をCPU内蔵GPU経由で出力すると、1割程度は処理速度が落ちるそうです。それでも、内蔵GPUと外部GPUの性能差がこれだけあるなら、私としては外部GPUはそのまま継続利用しようかな、と思います。

GeForceで今使ってる8800GTよりCUDAコアが多くて、TDPの小さいものが出るなら、それに変えたいんですけどね。そういうバランスのチップは今のところないんですよね。。
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Unknown (ドラッキー)
2011-05-13 10:02:30
いつもエンコード関係の情報を見るのに拝見させてもらっています。
Z68搭載マザーに
グラボを挿して そちらにモニタをつないだ状態でVirtu使用しても
エンコード時にQSVでエンコードってのは可能なんでしょうか?
通常使用時は拡張グラボを使い
エンコードの時だけQSVが働いてくれればなぁと思ってるのですが
そんなに都合のいいようには出来てはないでしょうかねぇ・・・
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Unknown (フリオ・イグレシアス)
2011-05-13 11:10:48
Virtuなるソフトは、てっきりドラッキーさんの書かれた方法(外付けVGA+QSV)を実現する為のものだと思っていました...
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Unknown (megalith)
2011-05-13 14:45:15
QSVですが、4Gameer.net 3/5の記事によると、GeForceは200/400/500シリーズ。
Radeonは、4000/5000でないとサポートしないそうです。
また、6000シリーズはまだ検証が終わっていないそうです。
よって残念ながら9800GTは対応しないようです。
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訂正 (megalith)
2011-05-13 14:47:04
>>QSVですが、4Gameer.net

QSVですが、4Gamer.net

でした。m(__)m
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訂正2 (megalith)
2011-05-13 14:52:17
>>QSV

Virtuでした。

自分なにやってるんだろ・・・・
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Unknown (krmmk3)
2011-05-13 22:35:47
>N.Shim@さん
QSVの性能差はないようですが、CPU性能も全く影響しないわけではないのでCPUは高い方がQSVでも早く終わるようです。わずかな差のようですけどね。
nVIDIAのHybrid SLIも少し性能が落ちるところはありましたし、データ転送の無駄はありますから少し遅いのは仕方がないですね。
グラボでTDPが低いのって、ないですね。そういう選択肢も欲しいです。

>ドラッキーさん
H67は少なくとも無理です。内蔵GPUプライマリになっていないとエンコーダーは有効にならないんですよ。エンコード機能だけ欲しいというのはみんな思うんですけど、もしZ68でそれが可能なら、Virtuが正式サポートされる必要ってないんですよね。で、多分無理です。

>フリオ・イグレシアスさん
あくまで3D以外は全部内蔵でやるじゃないとエンコーダーは使わせないというIntelのお達しです。3Dに興味のないわたしも動画の画質補正はGeForceの方が良いと思っているので使わせて欲しいのですが、今回も無理でした。

>megalithさん
4Gmaer.netのは事前情報でしたからね。少なくともわたしの9800GTはしっかりVirtuが有効になりましたし、FFベンチでははっきりとその効果が見られました。
返信する
Unknown (ドラッキー)
2011-05-14 05:05:54
そうですか、やはり無理ですかぁ>_<
Virtuのサポートでそれが可能になれば・・と期待したのですが
それならばグラボは別途買う必要はなさそうですね
コストがかからないのはいいけども
やっぱりなんか中途半端感が残念な仕様ですねぇ・・・
(オーバークロッカーの方々にはいいんでしょうけども)
返信する
Unknown (ドラッキー)
2011-05-14 05:07:23
そうですか、やはり無理ですかぁ
Virtuのサポートでそれが可能になれば・・と期待したのですが
それならばグラボは別途買う必要はなさそうですね
コストがかからないのはいいけども
やっぱりなんか中途半端感が残念な仕様ですねぇ・・・
(オーバークロッカーの方々にはいいんでしょうけども)
返信する
省電力エンコード派 (N.Shim@)
2011-05-14 18:16:59
Intelのサイトで「Virtu」で検索すると、"Lucid Virtu Users Guide v1 2 Universal.pdf"というドキュメントが読めます。
このドキュメントによると
"Virtu works in two flexible configurations: User has the choice of using either video output on the desktop board or to directly connect to the discrete GPU. Refer to the table below on specific features supported by each configuration:"
と書かれており、その下の表は
Intel Quick Sync Video がどちらのモードも"レ"で、Intel Insider がd-Mode(discrete-Mode)のみ"x"なんですよ。表の通りなら、QSVは外部GPU接続使用でも使えて、でもディスプレイ出力としてのIntel HDは使えないよ、という仕様のはずです。

krmmk3さんのところでは、この表通りになっていません。これがZ68とH67の違いかどうかはなんとも言えませんが、私は今のところ設定やBIOS/ドライバの組み合わせによる差ではないかと考えています。

それから、VirtuはIntelからダウンロードできるファイルのバージョンが1.1.101、Lucidlogixからダウンロードできるものが1.7.105なんですよ。
この間コメントでダウンロードできる報告をしたときに、Lucidlogixからもダウンロード出来るのに気がついたんですが、Intelからダウンロードするものと同じものか自信がなかったので報告しませんでした。

Lucidlogixの1.7.105の動作リストでは、GeForceの場合は9xxx以降でドライバがWHQL 266.58を対象、RADEONの場合はHD 4xxx以降でドライバはWHQL 11.3を対象としているとのことです。

GeForceの場合、実際は製品名の区切りではなく、チップG92世代以降の対応になっているのではないか、と想像しています。なので、8800GTの私は密かに使えるんじゃないかと、皮算用しているわけです。

TDPの低いGeForceなんですが、よく考えたら一応ありました。Quadro 2000です。CUDAコアが192基でTDPが62Wの1スロット仕様。恐らく省電力エンコード派が8800GT/9800GTとリプレースするのに理想的なボード…なんですが、価格検索では5万円以上…。お高いわぁ~。(;_;)

省電力エンコード派といえば、Intel HD2000でもQSVの性能が落ちないのであれば、Xeon E3-1260LというステキCPUが出たのですよ。4コア8スレッド、QSV入りで45Wですってよ、奥さん。(^-^)へ
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110514/etc_intel2.html

今日午前中にアキバに居たんですが、荷物になるのを考えなければ、マザボと一緒に欲しかったですよ。これにしようかな、と思ってます。
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