地上デジタル放送で活用されない機能と言えば、マルチ放送。野球中継が延長になっても後の番組の放送時間を遅らせたり中止したりしなくても良くなる、という触れ込みだったのですが、マルチどころか野球中継そのものを放送しなくなってしまいました。視聴率がとれないこともあるかも知れませんが、結局マルチ放送そのものがやりたくないんでしょう。視聴率が分散しますし。例外は視聴率など二の次のNHK総合くらいなものです。
ところが、最近になって一部の放送局がマルチ放送を始めたらしいのです。当初予定されていたSDx3のマルチではないようですが、HD+SDx1という放送形態が可能になったらしいとか。NHKBS1で昨年のプロ野球プレーオフなどで実施されていた方式をまねたものでしょう。確かに地上波のキャパシティからして3チャンネルは無理ですね。でも2チャンネルなら可能ということでしょう。現実的な落としどころと思います。
残念ながら我が地方では全くその手のマルチ放送は行われていません。野球中継どころか通常番組を平気な顔でつぶして地元のお店やイベントの宣伝番組に差し替えてしまうような放送局ばかりなので、それを望むのは八百屋に魚を求めるようなものですからあきらめるしか無かったのですが。ですが、テレビ大阪を受信出来る環境にあるmakitaさんがビットレートなどを調べてくださったようなので、紹介します。
・マルチ編成開始前に受信機が「この番組の続きが放送される073chを視聴しますか?」という旨のメッセージが表示された。
・マルチ編成開始および終了時のメインチャンネルのフレーム停止はなし。(テレビでもPCのTSファイル再生においてもなし)
・テレビ大阪のウォーターマークは両方の番組に表示される。
・なんでも鑑定団本編の画面上部に「073chで野球中継が行われています。チャンネル上ボタンで視聴できます」という旨のテロップが随時表示される。
・スポンサーはなんでも鑑定団と同じ。
・CMの放映タイミングは両者の番組で別。
・野球中継終了後、なんでも鑑定団のサイマル放送を開始し画面上部に「071chではハイビジョンの高画質で放送されています。リモコンのチャンネル下ボタンを押してください」という誘導メッセージが表示される。
・073chで放送されたSD画質の番組は21時54分00秒で無くなる。
・マルチ放送
HD(071ch 開運!なんでも鑑定団[字])
MPEG2 1440x1080 MIN=1662kbps MAX=12822kbps AVG=10427kbps
AAC 48000Hz 2ch 192kbps
SD(073ch 全力!!虎中継 広島VS阪神)
MPEG2 720x480,NTSC 29.97fps MIN=612kbps MAX=4482kbps AVG=3791kbps
AAC 48000Hz 2ch 192kbps
・通常放送
アニメ・めだかボックス第5箱で調べました。
テレビ大阪(071ch 2012/5/5(土)2:10~2:40 めだかボックス 第5箱「勝って得よ!」)
MPEG2 1440x1080,NTSC 29.97fps MIN=2575kbps MAX=16565kbps AVG=13517kbps
AAC 48000Hz 2ch 192kbps
マルチを足すとほとんど通常放送に近いビットレートになりますね。音声が同じなのは、5.1chに対応するための余裕を利用したものでしょう。「開運!なんでも鑑定団」は動きの少ない番組ですが、一方で美しい静止画が重要な番組でもあるので、このビットレートはかなり厳しかったものと推測されます。
ちなみに、このマルチ放送の視聴率は合計で他局を上回った、という報告も届いています。人気番組を組み合わせた編成ならでは、でしょう。ただ、テレ東系というチャレンジが許される放送系列だからこそのやり方で、単番組視聴率至上主義の他局では難しいでしょうね。
ところが、最近になって一部の放送局がマルチ放送を始めたらしいのです。当初予定されていたSDx3のマルチではないようですが、HD+SDx1という放送形態が可能になったらしいとか。NHKBS1で昨年のプロ野球プレーオフなどで実施されていた方式をまねたものでしょう。確かに地上波のキャパシティからして3チャンネルは無理ですね。でも2チャンネルなら可能ということでしょう。現実的な落としどころと思います。
残念ながら我が地方では全くその手のマルチ放送は行われていません。野球中継どころか通常番組を平気な顔でつぶして地元のお店やイベントの宣伝番組に差し替えてしまうような放送局ばかりなので、それを望むのは八百屋に魚を求めるようなものですからあきらめるしか無かったのですが。ですが、テレビ大阪を受信出来る環境にあるmakitaさんがビットレートなどを調べてくださったようなので、紹介します。
・マルチ編成開始前に受信機が「この番組の続きが放送される073chを視聴しますか?」という旨のメッセージが表示された。
・マルチ編成開始および終了時のメインチャンネルのフレーム停止はなし。(テレビでもPCのTSファイル再生においてもなし)
・テレビ大阪のウォーターマークは両方の番組に表示される。
・なんでも鑑定団本編の画面上部に「073chで野球中継が行われています。チャンネル上ボタンで視聴できます」という旨のテロップが随時表示される。
・スポンサーはなんでも鑑定団と同じ。
・CMの放映タイミングは両者の番組で別。
・野球中継終了後、なんでも鑑定団のサイマル放送を開始し画面上部に「071chではハイビジョンの高画質で放送されています。リモコンのチャンネル下ボタンを押してください」という誘導メッセージが表示される。
・073chで放送されたSD画質の番組は21時54分00秒で無くなる。
・マルチ放送
HD(071ch 開運!なんでも鑑定団[字])
MPEG2 1440x1080 MIN=1662kbps MAX=12822kbps AVG=10427kbps
AAC 48000Hz 2ch 192kbps
SD(073ch 全力!!虎中継 広島VS阪神)
MPEG2 720x480,NTSC 29.97fps MIN=612kbps MAX=4482kbps AVG=3791kbps
AAC 48000Hz 2ch 192kbps
・通常放送
アニメ・めだかボックス第5箱で調べました。
テレビ大阪(071ch 2012/5/5(土)2:10~2:40 めだかボックス 第5箱「勝って得よ!」)
MPEG2 1440x1080,NTSC 29.97fps MIN=2575kbps MAX=16565kbps AVG=13517kbps
AAC 48000Hz 2ch 192kbps
マルチを足すとほとんど通常放送に近いビットレートになりますね。音声が同じなのは、5.1chに対応するための余裕を利用したものでしょう。「開運!なんでも鑑定団」は動きの少ない番組ですが、一方で美しい静止画が重要な番組でもあるので、このビットレートはかなり厳しかったものと推測されます。
ちなみに、このマルチ放送の視聴率は合計で他局を上回った、という報告も届いています。人気番組を組み合わせた編成ならでは、でしょう。ただ、テレ東系というチャレンジが許される放送系列だからこそのやり方で、単番組視聴率至上主義の他局では難しいでしょうね。
実際マルチ編成を多用するMXは他社制作のスポンサードネット番組と通販というパターンが殆どです。(下手すりゃ両方通販なんてことも・・・)
系列に野球中継担当の有料BS/CS局もないし、近畿広域圏にはSUNもあるし、というTVOの奇策って所ですかね(そんな奇策を取れるTXNが大好きですw)
参考まで
地上波でハイビジョン放送とSDTV放送を同時提供、テレビ大阪がマルチ編成
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120426/393902/
テレビ大阪のハイビジョン・SDTVのマルチ編成放送、次回の実施は6月26日
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20120511/396133/
個人的に今回の放送で最も高く評価しているポイントがSD画質のストリームが登場するタイミングと消滅するタイミングでメインの071chの番組の映像・音声が止まるという事が生じること無くシームレスに次の番組が始まったところです。
NHK BS1においてはいずれのタイミングにおいても約1秒ほど映像・音声が止まる上に映像も瞬間的ブロックノイズが増えて乱れます。
スポンサーに関してはおそらく営業時になんでも鑑定団と阪神戦はセットにして行ったものと思われます。
大阪において阪神戦の生中継は需要が高いから出来たことでしょう。
在阪他の民放局(サンテレビ除く)でもナイターでの阪神戦の中継は行われますが21時以降は東京からの番組を放送しなければいけない都合上、延長放送は一切ありません。
ABC朝日放送の場合はサンテレビでリレー中継をすることができます。
また、このマルチ編成が行われる前兆と思われるテレビ大阪でのマスター更新が4月頃に行われています。
更新を確認出来たのはウォーターマークの表示タイミングです。
現在はCM入りの1秒前に消え、番組本編再開の1秒後にウォーターマークが表示されるようになりました。
以前はCMに入る直前のフレームで消え、本編が始まる直前のフレームでウォーターマークが表示されるようになっていました。
関西でマルチ編成を最初に行ったのはMBS毎日放送になりますね。
深夜のローカルバラエティで行われたのと阪神戦の中継を18時15分のローカルニュース番組と同時に行っておりました。
メインチャンネルで19時から行われるものをサブチャンネルで前倒して行ったものです。
それ以外にはサンテレビが平日の朝7時30分に031chでアニメ、032chで通販番組の同時放送を毎日実施しています。
(これはおそらく試験的な意味合いが強いんだろうなとも思っています。)
(ビットレートを測っていただいた
makitaさんありがとうございます)
私の所はTVOのエリア外で
実際に見られなかったのが残念です。
他の民放では在京キー局の圧力で
おそらくマルチ放送は無理でしょうね。
しかし全国ネットのバラエティやドラマはあまりにもつまらないので、
視聴者がどんどん離れていくという現実です。
(報道もです)
以前もコメントしましたが、
MBSはゴールデンの時間帯もマルチ放送をする計画がありました。
いつになったらデジタル放送の長所を生かした、
番組を見られるようになるのでしょうか。
サブチャンネルは確かにスポンサー探すのは難しそうですが、スポーツ中継の延長ならいけるはずなんですが。まぁやっぱりドラマとかの視聴率が少しでも下がるのがイヤなんだと思います。
大阪だけですかねぇ、テレ東系でもこういうことするのは。
>makitaさん
このたびはどうもありがとうございます。
BS1は止まってましたっけ?そこまで確認してませんでした。
他県の情報が入ってこない限りですが、大阪のスポンサーの資質が特別なのかな?という気がします。結果視聴率より「この番組はダラダラ見るのではなくて見たくて見る人の割合が多そうだから、スポンサーをやる」とか「数字云々より阪神戦のスポンサーならやる」という感じで。
>野球好きさん
さすがにそれは放送料が高すぎて無理でしょう。そんなときこそスカパー!の出番です。
>たんさん
発端でございます。
在京の圧力は、ちょっと考えづらいです。私の地元みたいにキー局番組つぶして地元宣伝番組に差し替える地区もあるわけですから。
やはり番組作成能力の有無が大きいと思います。
>秋山さん
キー局二つ分の放送を行っている局なら、マルチで2番組同時放送とかやっても良さそうですね。
キー局に近い放送と、強力な単独番組制作能力を併せ持つ関西圏のテレビ局にはどこもちょっとかなわないでしょうね。だからこそ県民の要望に応えようとしないのではないでしょうか。
ビデオリサーチはマルチ編成別個の視聴率を調査・算出しておらず、
通常番組の視聴率が低下/上昇したかどうかは調べようがありません。
従って個別番組の視聴率を気にすると言う事は考えにくいです。
>>大阪だけですかねぇ、テレ東系でもこういうことするのは。
他地区では同じ試合を地上波で2局同時に放送してるなんて事はない上に、
ライバル局は完全生中継なんて特殊な近畿広域圏ならではだとは思います。
とは言え、今回はSUN並列放送なかったようなので、広まって欲しいところではありますが
TBSも早くからコレをやってりゃベイスターズ身売りせんで済んだかもしれんのに・・・
そうなんですか? 単に今までそういう視聴率調査をやってなかっただけ、という気もしますが。
ベイスターズは、球場が儲けを全部持って行っちゃうので赤字垂れ流しになるしかない、って話をどこかで聞いたことがあります。手放しは時間の問題だったでしょう。
(もっと言うと衛星放送はおろか独立局まで非対応です)
ベイの球場の件は来場者に関する収入の部分なので放映権料は別(というかTBSから球団への損失補填)で、「横浜-巨人戦はこのあと063chで試合終了まで完全生中継」ってなことをやれば案外何とかなった可能性・・・根本は弱いからイカンのですが・・・
なんか古い仕様ですね。見たこと無いんですが、デジタル化の際になんでそれに合わせなかったのでしょうか。
結局その損失補填が重かったんじゃないでしょうか。そういえばなんで横浜弱かったんでしょうね。放出した選手が巨人やホークスで主力張ってるのに。