録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

ThinkPadX121e 自家製レビュー

2011-08-19 22:30:05 | 意味なしレビュー
先日勢いもあって購入したThinkPadx121eのIntelモデル。昨日から手元に届いています。とりあえず一通り試してからレビュー記事でも・・・と思っていたのですが、一足早く商業サイトのASCIIでまったく同じ機種でレビュー記事が書かれているではありませんか。

意外な名機!? フルモデルチェンジしたThinkPad X121e

商業サイトとは言ってもレビューに関してはライバル。うわー、先にやられたとショックを受けております。しかも、向こうさんは内蔵のHDDを能力の高い7200rpmの320GBタイプに変更しているではありませんか。わたしのは安い5400rpmの250GBで同じ機種でもランク落ちですし・・・。
まぁ気を取り直して。商業サイトで、ThinkPadを愛用しているライターさんがもっとも基本的なレビューを書いているからこそ、わたしは素人の視点で好き勝手なことが書けるというものです。「わたしらにとって必要なもの」を中心に独自視点のレビューと行きましょう。

Lenovoの直販サイトから注文した場合、海外(ShangHaiという表記が送り箱に見られます)から直接送られてくるという話でしたが、実際には一旦レノボジャパンに集められてから佐川急便に依頼して送ってくる、という形をとっていました。荷物はPC本体の箱をもう一度送り用のダンボル箱につめてくる、という厳重なもので、好感が持てます。仮に他者への譲渡という形で手放すことがあったとしても、本体ケースに貼り付けられた送り状をはがす手間も不要ですからね。外箱がキレイな状態の方が譲渡者の心象も良いでしょうし。
ディスプレイサイズは11.6インチ。これは10.1インチのネットブックよりも一回り大きい程度で両者を並べるとあまり変わらない印象を受けますが、単体で使うと10.1インチが「おもちゃに毛の生えたようなもの」で、パソコンとしては少し使いにくいものであるのに対し、11.6インチのものは「立派にパソコン」という存在感があり、サブの域は出ませんが普通のパソコンとして使えるものと思えます。キーボードもその印象を受け継いだものでほどほど使いやすく、長文の入力に耐えられます。実際、この文章はx121eで書いていますが、ネットブックやスマートフォンのキーボードと違って普通に使えてます。ただ、やはり多少縮こまったキーボードであるのも事実であり、わたしなんかは手が小さくて指が短いのでまだいいのですが、手の大きくて指の長い人では少し肩が凝るかも知れません。割り切りは必要です。
キーボードはやはりこだわりたい部分であり、LenovoのPCを選んだ理由のひとつがキーボードの打ち易さとしっかりした作りです。ただ、完全というわけではなく、多少たわみはあります。他の安いノートPCと違って真ん中はしっかりしているのですが、真ん中と端の中間部分がたるみ、少し頼りない印象を受けます。他の安いノートPCが
・二本の棟木の間に張ったシート
としたら、x121eのキーボードは
・二本の棟木の中間にもう一本棟木をおき、シートの張りを保護している
とでもいいましょうか。真ん中にあるデバイスを固定している部分がその真ん中の棟木の役目を果たしているのでしょう。
一部レビューで「左側がたるむ」というものがありましたが、実際には左右両方がたるみます。ただ、右側のたるむ部分は;:」のような記号が集中している部分なのでたるんでもそれほど問題はないのに対し、左側はASDというよく叩くキーが集中している部分なので左側のたるみが目立つのでしょう。ほとんどの人は右利きのため、左手は添えるだけの軽い置き方でしょうから大丈夫でしょうが、わたしのように左手についつい力を入れてしまう人間は少し注意が必要でしょう。ただ、それでも真ん中がたるむキーボードよりは強度は上です。
キーはいくつか利用頻度の低いキーが省略されていますが、そっちはわたしも使わないキーのため、気になりません。ただ、カーソルキーとページアップ・ページダウンがくっついてしまっている部分は使いづらく、なんとかしてほしかったところです。また、ザラザラした独特の感触を持つスライドパッドも慣れるまで時間を要するものでした。慣れてしまえばどうということはありませんし、むしろ指の汗に左右されやすい他社のものより使いやすく感じるほどです。が、それまでは「こんな使いづらいスライドパッドは初めて」と憤慨させられるほど感触が異なります。もちろん外付けのマウスかトラックボールを使えば問題は解決します。

さて、今回購入したx121eのCPUはCore i3-2357M、1.3GHzですがSandyBridgeで、内蔵GPUはIntelGraphicHD3000で、IntelGPUとしてはもっとも性能のよいものです。果たしてその性能はいかがなものでしょうか。性能、といっても3D処理能力には興味はありません。試すのはもちろん動画の再生ですよ。わたしなら当然です。ただ、x121eには動画再生ソフトがWindows7標準のメディアプレイヤーくらいしか入っていませんので、有料ソフトであるPowerDVD11をインストールします。光学ドライブもついていませんので、スカパー!HDのために買ったUSB接続のBDドライブ、BRD-U8DMを使って市販のBDソフトを再生してみます。
驚いたことに、再生はきわめてスムーズ、ありがちな引っかかりは全く感じられず、普通にBDソフトを楽しむことができたのです。ただし、BDソフトともなると内蔵ディスプレイの表現能力ではついていいけません。特に赤の表現は他の色から妙に浮き上がってしまい、そこだけ上からベタに塗りつぶしたような不自然な色合いになることがありました。見慣れた映像だったので不思議に思いほかの再生機で視聴しなおし、x121eの内蔵ディスプレイの問題であったことを確認しています。解像度が1366x768しかないことも原因でしょうが、内蔵ディスプレイの色表現能力がやや低いという事実を、この動画は物語っています。明るめの設定にすれば通常の操作をする限り画質には問題はなさそうですが、やはり動画向けとは言いがたい表現能力です。ただし、x121eはHDMIを搭載しているため、これを使って外部ディスプレイの出力すれば問題は解決します。GeForceやRADEONに比べると空気感に欠ける映像にはなりますが、素直なもので十分鑑賞に堪えられます。正直HD3000の動画再生能力を舐めていたと思ったほどです。DVDは、少々ノイズっぽく見えますが、これは画質補正昨日が他より劣るためでしょう。ただ、DVDの再生くらい補正を加えつつ実行できるCPU能力は十分持っていますので、あえてハードの再生機能に頼る必要はありません。ただ、PowerDVD11のTurueMotionの効きが弱いようには感じました。

Core i3-2357Mは第2世代Coreiシリーズとしては最弱とは言え、同シリーズの特徴はすべて持っています。つまり、QuickSyncVideo、すなわちハードエンコード機能も持っているはずなのです。今回Corei3なCPUに惹かれた最大の理由はそれでして、誰もやらないだろうモバイルでのエンコド作業、これを試してみたかったのですよ。さすがにフルソフト処理を快適に、というのは無謀でしょうが、QSVで十分な程度の動画なら予備のエンコードPCとしてこれを使うのもアリなのかなぁ、と。
使ったソフトはワンパターンの TMPGEnc Video Mastering Works 5 。これに1440x1080と720x480のMPEG2-TSファイル、それぞれ1時間のものを用意し、インタレース解除以外のフィルタを使わず、ビットレートの項目だけ調整して出力する時間を測ってみました。

1440x1080-58分54秒
720x480-21分9秒

今回わけあってCore i5 2500Kのシステムが使えませんので比較対象はありませんが、普段の経験から言って速度は半分以下、つまり2倍以上の時間はかかっています。ファイルの移動時間も考慮に入れるとあまり効率のいいサブエンコードPCとは言えませんが、動画再生も含めCPUに非力さをGPUで補うというIntelらしからぬいいバランスになってはいます。また、Lenovoの提唱するENHANCED EXPERIENCE2.0とか言うのに対応しているらしく、HDDかつ1.3GHzCPUにも関わらずOSの起動が待たされないものになっています。
と、言ってもCPUが普段支障のあるほど非力なわけではありません。通常作業においてCPUの不満を感じる場面が、今のところないのです。もちろん完全ソフトエンコードや3Dゲームをやらせれば別でしょうが、その気は全くないので。

バッテリーの持ちも悪くなさそうです。さっきからエンコード・BD・DVDの少しずつの再生、この記事書きとずっと作業を、明るさを"12"にして(最大は15、バッテリー作業時の標準は10)バッテリーだけでやっていますが、3時間たっても残りバッテリーは40%もあり、まだ2時間持つと表示されています。量販店モデルと違って6セルのバッテリーを標準装備しているためです。その分少し大きく重くなりますが、PC本体に多少傾斜がつく程度ですし、中央はたわまないので傾斜によって遣いにくくなることはありません。重さも私が使う限り気にするほどではない(約1.4kg)です。それより電源のない場所でも十分作業ができる時間が確保できることの方が良いことだと思います。


総評としては、重い作業が趣味の中にない人は、十分普段使うPCとしても使える実力をx121eは持っていると言い切っていいでしょう。動画の再生を直接ディスプレイに映す時以外は特に不満はありません。もちろん音もよくないですが、そもそもノートの内蔵スピーカーに音質を期待するほうが間違ってますから。使っているうちに不満を覚えるときがあるとしたら~それはこのPCに限った話ではありませんが~縦が768しかないことでしょうね。WEBサイトを見るときはどうしてもその狭さが物足りなく感じてしまうのですが、横長パネルばかり液晶パネルメーカーが製造している現状が変わらない限り、それは我慢するしかないのでしょうね。

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29 コメント

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Unknown (emanon)
2011-08-20 21:15:55
 値段・性能・稼働時間と考えると手ごろな製品ですね Think好きなの忘れてましたw

まあ、そうですね わざわざ高いのに手を出さなくともそのうち手ごろに交換可能なCPUが出るかもしれませんし 

重箱のような派手なノートはダメか… w
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Unknown (たん)
2011-08-20 23:54:07
ThinkPad良さそうですね。
(私はまだAMD E-350かCore i3かどちらかで迷っています)
以前、IBM時代のThinkPadを使っていたことがあるのですが、
キータッチがすごく心地よく、とても気に入っていました。
現在はコストダウンの影響で、
なかなかいいキーボードがないのが困ったところです。

話が変わりますが、
HPがPC事業を分社化か売却してしまうようです。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110819_471465.html

個人的には良質な製品を作る企業が少なくなっているのが残念に思います。
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Unknown (krmmk3)
2011-08-21 21:23:00
>emanonさん
ノートは小さいのに限る、がわたしの考え方なんですよ。それで縦解像度が高ければ最高なんですが。
なかなか万能な。いいノートPCですよ、x121eのIntelモデル。

>たんさん
総合的パワーではCore i3に分があり、GPUの機能サポートではEー350が上。使用目的を考えると少しくらいCPUパワーがあってもあまり関係ないし、迷うところですね。思い切ってTDPが低いC-50、いかがっすか。
安さばかりが絶対の基準という消費者が増えてしまいましたからね、安さにつられて買ったわたしが言うのもヘンですが。総合的価値を評価してもらうために商業レビューも悪いところは悪いと書くのが業界のためなのでしょう。
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Unknown (megalith)
2011-08-22 10:18:57
うらやましいですねえ。
Think Pad派の自分も今のX121eは欲しいと思ってしまいました。
去年買ったNet Book(なぜかONKYO(^^;))は液晶が1024×600ですから、不満いっぱいですし。
しかし、モバイルは買ってもあまり使う機会が無くなりそう(せいぜい東京へ行く時位ですか)ですし、迷っています。

ちなみに、先日東京に行った時仕事用中古PCを探しに秋葉へ行きましたが、Think Pad T61は、30,000円以下では良い物は無く、結局R61が19,000円で出ていたのを偶然発見し、購入しました。
デカイ、重いで運ぶのが大変でしたが、
画面が広くなったのでEXCELが見やすくなり満足しています。

さてX121eですが今後SSDに換装する予定はありますか?もしご存じでしたら申し訳ないですが、この機種のHDDやSSDは通常と違い、7mmの物を採用しているそうです。そのため、SSDに換装される時はintelの320シリーズかCrucialのC300かm4シリーズで、SSDに付属しているスペーサーを外して使うそうです。また、その際外したネジは使えず別途7mm用のネジを調達する必要があるそうです。
もし予定があるようでしたらお気をつけください。
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Unknown (krmmk3)
2011-08-23 00:01:06
>megalithさん
ネットブックは解像度に制限があるのがつらいですね。でも安いですし。x121eも安いですけど、たまにしか使わないのならちょっと高いですし。
他のレビューサイトでHDDが厚さ7mmという報告、ありましたね。交換するのなら注意は必要ですが、HDDでも起動だけなら早い(常駐ソフト入れすぎのデスクトップ機よりはるかに(^^;))ので、当面SSD換装の必要はなさそうです。
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ThinkPad でなければ役所にころがっているビジネスモデルの FMV か^ ^; (昔は東通工)
2011-08-24 18:05:52
 障害対処お疲れさまです^ ^;。やはり最新のものでしっかりとしたキーボード、さすがは ThinkPad シリーズですね。

 キーユニットの剛性しかり、手抜きのないパンタグラフ構造もまたしかり。個人的にはモバイルノートでも 16.5 ないし 17mm ピッチあれば、フルスピードの 7 割前後で打てるので(過去の実績から)使える範囲かなと感じています。
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Unknown (krmmk3)
2011-08-24 20:57:42
>昔は東通工さん
値段を考えたら相当しっかりとした作りになってます。IBMからLenovoに移っても作りの良さは変わらない印象です。
わたしはデスクトップでもThinkPadキーボードを愛用しているせいもあって、モバイルでもちょっと肩をほぐす休憩タイムが多くなることを除けばほぼ100%の速度で打てました。
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あらたな反韓ネタ?出現 (昔は東通工)
2011-08-24 22:32:30
 それはすばらしいですね!。ThinPad 品質が健在で安心しました。ノートでは本当に良いキーのものは少ないですよね。私は昔メインだったデスクトップ自作機に、プロトコル変換器まで作って PC-9801 シリーズのメカキー(PC/AT 用は高価!)を使っています。もう変態レベルです^ ^;。

 反韓?関連ネタです。三星が Apple との iPad 訴訟の反証として、'69 の SF 名作「2001 年宇宙の旅」にタブレット様のデバイスが登場している、として新たな論争になっている模様。Bluray@HD で問題シーンを見ると確かにテーブルに載った縦長の端末機が。しかも青地に白で「IBM」のロゴ入りでした♪。
 もちろん Youtube に貼られている動画では全く解りません。
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Unknown (krmmk3)
2011-08-24 23:59:49
>昔は東通工さん
NECがPC98-NX出す時に出したPC-98配列キーボード、恐怖の9800円! それでNECは「激安」とか恐ろしいこと言っていた覚えがあります。もちろん今と単純比較は出来ませんが。古PCの雰囲気を再現したキーボード、とかあってもいいですね。
さすがHALの出てくる宇宙の旅!ですね。ただのタッチパネルだとは思いますが、よくもまぁ見つけたもんです。アメリカの裁判ってそこまでするものなのでしょうか(^^;)
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2001 年の至るところに IBMが・・・ (昔は東通工)
2011-08-25 01:40:32
 NX も激なつですね!^ ^;。メカキーといえばミネベアあたりで Net PC が買えそうな勢いのお値段の PC/AT 用があり目玉が飛び出るかと思いました。

 「2001 年~」の謎の IBM 端末機ですが、News Pad という名があるそうな!?(端末名の書かれたサイト http://www.papiercolle.net/critique/kubrick.html)。LD 時代から何度も見返しているのですが、Bluray も HD の画質に感激するばかりで IBM ロゴすら見過ごしていました(ある意味再発見)。
 よく見ると 10 個くらいボタンらしきものが並んでいます。操作法は映画に登場しないので不明ですが、原作小説では電子版の新聞などを読むシーンも。
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