録画人間の末路 -

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A's Video ConverterでVideo Codec Engineの片鱗を探る

2012-10-16 01:47:59 | 意味なしレビュー
リクエストをいただきましたので、この半日このソフトを弄ってました。

A's Video Converter
。さまざまなトランスコードのエンジンに対応したこのソフトは、かつてはAti AVIVO Converterの実質的フォロントエンドとして活用されてきました。それが、この10月14日に、はやくもAMD Video Codec Engine(VCE)に対応したというではありませんか。搭載はされていますが、まだ活用のしようがないAPU内蔵のVCEを計測するチャンスです。早速試してみましょう。なお、サイトでは32bitと64bitの2種類が交換されていますが、32bitは時々設定ファイルを手動で消してやらないととまってしまうことがあるなどしたため、OSも64bit版Windows7なので64bit版を使って実験しています。入れたランタイムはMicrosoft Visual C++ 2008 SP1 だけ。あと、動画+音声読み込み用に、ReadMe.txtの指示に従ってffdshowの64bit版(一応音声のみ)とHaali Media Splitterをインストールしてあります。

A's Video Converterは比較的簡易なトランスコーダーのため、アスペクト比などを指定できないようです。なので1440x1080の動画ではなく、1920x1080のMPEG2-TS、30分のものを用意しました。ただ、TSのままだと音のズレが少し発生したため、TMPGEnc MPEG Smart Renderer 4でMPEG2-PSに変更してあります。手っ取り早かったためにこれを使いましたが、他のツールでもかまわないと思います。
放り込んでトランスコードのエンコーダにAMD VCE Encoderを選びます。これを選ぶとフォーマットはH.264固定になります。品質VBRも選べますが、デフォルトのままだと容量が大きく、少しでも弄ると極端にファイルサイズが少なくなりすぎて画質が悪くなるため、ピークVBRを使うことにします。ProfleはBaselineかMain、ビットレートは4000平均の8000ピーク、音声は128Kbps、それとDXVAを有効にしてディインターレース処理などを有効にしました。デコードもGPUを有効にします。これでやってみましょう。

29分10秒

ほぼ実時間くらいです。1920x1080のH.264/AVCと考えれば十分速いと言えるでしょう。続いて、GPUデコードをはずしてDXVAによるディインターレースなどのみ有効にして計測しましょう。

22分34秒

なんかGPUデコードはずした方が速くなるんですが。じゃぁDXVAを外してGPUデコードのみ有効にしましょう。ディインターレースが無効になりますが、その分速度が上がるかも知れません。ちなみに、AMD System Monitorで確認すると、GPUの利用率が下がり、CPU利用率が上がります。本当にGPGPU使ってるのかと思うくらい。

12分01秒

速い! むちゃくちゃ速いです。ひょっとしたらと思い、GPUデコードも全部外してみると

8分27秒

・・・これやってるパソコン、A10-5800Kですよ? Core i7の6コア12スレッドモデルとかじゃないんですよ? 1920x1080で30分の映像をH.264に変換するのにかかる時間がたったの8分27秒。普通にソフトエンコードとかでやれば1時間を切ることはよほど画質を犠牲にしないかぎり絶対にないでしょうから、脅威としか言い様が無いです。ちなみにSpursEngineやIntelQVCにはリサイズを行うとエンコードが遅くなります。ならば、VCEはどうなるのかと最速のGPUデコード&DXVA無効の状態で、ソフト処理で1280x720へのリサイズを行います。

4分25秒

もはや時が止まっている間にこっそりエンコードしたとしか思えない速度(笑) よくあるポルナレフのAAが思い出されます。

して、問題の画質ですが・・・。従来の常識はすべて捨ててください。以前のATI Stream、nVIDIAのCUDA、QSVに、今まで脱CPUエンコードでは最高画質だったSpursEngine。そのすべてをVCEは確実に上回っています。言わなきゃ数倍の時間がかかるソフトエンコードだといわれても、おそらく信じてしまうでしょう。よく見ると細部が多少チリチリするところが見えなくもないですし、やや立体感に欠ける部分も見受けられます。が、少なくとも今回の動画では一所懸命粗探しをしてなんとか見つかる、というレベルでした。多くの人にとって普通に使える画質だと断言できます、この速度で!
ただし、すべてがいいわけではありません。インターレース保持の映像にすると、再生の時にうまく解除してくれないんです。GPU任せではダメで、VLC MEDIA PLAYERなどを使って映像ファイルごとに多少調整する必要があるでしょう。また、トランスコードゆえにシークバーで動画の好きなところを探すことが出来ない動画になってしまっています。ある意味仕方のない話と言えますが。

ですが、本気で驚かされました。少し興奮気味で今回のエントリーを、夜の夜中なのに書いてます。Trinityをお持ちの方、一度試して見てみてください、VCEの実力は相当なものです。ここまで持ち上げちゃってるのでその想像は超えないかも知れませんが、十分実感できると思います。後は優秀なソフトにそのエンコード環境をつけてもらうだけ。AMDさん、本気で営業がんばってください(涙)。


追記:夕べは興奮して書いてしまいましたので、過大評価なってしまいました。かなり厳しい動画を使ったためか、目標ビットレート4000Kbpsと指定したにも関わらず、ほぼ8000Kbps平均まで上がっていました。それでもTMPGEenc Video Mastering Works5の固定品質60換算くらいの容量ですが・・・。平均4000をきっちり守らせると、それなりに画質は破綻します。今度もう一度画質チェックをし直す必要があります。

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5 コメント

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Unknown (emanon)
2012-10-16 02:39:46
 おお すばらしい まさに神業w 

やっぱり H再生支援再生中の物をこうゆうソフトに直接流せたらと思ってしまいますよ  今のままでも十分印刷機のような速さですね 二つ同時なんて考える必要も無い 
画質比較できますか? なるべく部分的に良い所とまだダメな所を・・・ 

私の場合ブロックノイズを目立たなくと言う所で買い換えるのをためらってしまうか ペガシスさんお願いw
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Unknown (kazu)
2012-10-16 08:22:43
windows8発売と同時にQSVを導入しようかと考えてましたが、これはしばらく様子を見たくなりました。
ハード更新は一休止しとくか、ペガシスさんお願い、me too。
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Unknown (Unknown)
2012-10-16 10:24:28
>後は優秀なソフトにそのエンコード環境をつけてもらうだけ。

これが一番の問題ですよね
編集・エンコと一手間・快適にとなると、TMPGEnc+CUDAになっちゃうのですよね
実は私もwin8移行・QSV導入を考えてました

NVENCも含めて、ペガシスさんお願いw

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Unknown (なんだかなぁ)
2012-10-16 14:06:44
おっと、これは大いに期待出来る予感。
ハイプロファイルが今更使えないっていうのはどうなのよとは思いますが、その他は現状大きな問題では無いですし。
インターレース解除の品質はAV機器>PCの現状もありますし、バンディング対策の品質も同様である点から、
インターレース解除とバンディング対策とノイズ対策はあらかじめAV機器で行い、キャプチャした映像を一気に高速エンコードでも充分お釣りがきそうな予感。
これはペガシスさんに頑張って頂きたくなりますね。
う~ん、これはハードウェア更新計画を練り直す必要がありそうだ。
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Unknown (krmmk3)
2012-10-16 15:26:44
もうしわけありません。新エントリーでお詫びしていますが、指定よりずいぶんビットレートが高くなっていましたので、画質においては過大評価になっています。
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