録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

発表されたPS4への興味

2013-02-21 23:06:35 | 意味なしレビュー
いよいよというべきか、SCEの最新ゲーム機、PlayStation4(以下PS4)が発表になりました。あまりゲーム機は取り扱わない当ブログですが、ことSCEの製品に関しては例外としましょう。

AMDのCPU&GPUに8GBメモリー! PS4のスペックチェック


ほぼ事前の噂通りのスペックなのでそれほど驚きはしませんが、これまでの噂は「AMDのCPUやGPUを使うらしい」「PS3との互換性はないが、クラウドからストリーミング方式でPS3のゲームを配信し、PS4で遊べるようにするらしい」と言った内部アーキテクチャに関することが多くて、ゲーム機として何が新しいのかの部分がまったく出てきませんでした。それが少しだけでも見えたのは朗報でしょう。と言ってもソフト的な進化の部分ばかりに見えますが、CPUにAMD、つまりWindowsPCなどど同じCPUを使い、近いアーキテクチャを採用したことでソフト開発を容易にしたのが最大の特徴というべきでしょうか。
Windowsと同じCPU採用のゲーム機、というとかつての初代XBOXを連想するところです。あのときは確かCPUはIntelのPentiumIII、GPUはnVIDIAのGeForce3をそれぞれカスタマイズしたものと記憶しています。あのときはかなりギリギリまで「CPUはAMDのAthlonを採用するらしい」という噂があったのにふたを開けてみればIntelでちょっとビックリした覚えがあります。当時AMDを止めるためにIntelから横やりが入ったのは間違いないでしょう。AMDとしては悲願のCPUゲーム機採用(AMDが買収したATIのGPUなら使われていますが)といったところでしょうか。PS4の当初はIntelで、という話もあったようですが、結局流れてしまい、再び横やりが入ることがなかったのは、据え置きゲーム機はすでに注目すべき市場ではない、というIntelの意思表示なのかも知れません。
一方、AMDには少々無理をしてでも採用させる意味はあります。AMDがこのところシャカリキにマルチコアアーキテクチャに走っていたのはこの、PS4採用を前提にしていたからのような気がします。ほぼ同じCPU/GPU採用ならいずれPS4とWindowsPCのゲーム開発が同時になると推測されますから、ゲームのマルチスレッド化が進むと考え、少々コア自体のIPCが落ちても総合力で優位に立てるという考えだったのでしょう。当ブログを見てらっしゃる方ならご存知の通り、AMDアーキテクチャはツボにはまれば爆発的な性能を発揮しますから。ただ、CPUがBulldozerベースではなくてJaguarベースだという話もありますので、それだとAMDとしてもあまり意味がない気がしますが。


さて、PS4でどんなゲームができるかとかはあまりこのブログで取り上げる話ではありません(個人的興味だけなら、PSVitaでPS4ゲームが遊べるというのは興味津々ですが)。ここでの興味の対象は、PS4がPS3と同等、あるいはそれ以上にメディアプレイヤーとして使えるのかどうか、ということです。
中期までのPS3がメディアプレイヤーとして圧倒的に優れていた、ということに異論をはさむ人はいないでしょう。たまに例外もありましたが原則PCで扱う圧縮動画フォーマットのほとんどに対応し、DTCP-IP経由でもローカルHDDにコピーしても高画質で再生できるPS3は、他のメディアプレイヤーが作ってきた市場を独り占めにするほど強力でした。特にSDのアップコンバートに関しては当時並ぶものなく、レターボックスの拡大すらそれなりに見せる動画にしてしまう驚愕の能力を保有しており、わたしも褒める以外に評価のしようがなかったものです。ところが、その最高画質最高性能の看板をSCEは「世界初のCinavia対応」という愚挙によって自ら投げ出してしまったのです。
あれ以降、SCEはどちらかと言えば動画ユーザーの期待に応えるとは逆の方向を向いています。せっかくの有機ELパネル&再生機能を持つPS Vitaにしたところで、たかが動画を転送したいだけなのにその都度最新のファームウェアのアップデートをしないと転送をさせてもらえないので、PS Vitaに動画を入れる気をなくさせてしまう仕様になってしまっています。あの志向がPS Vitaがいまだに売れない理由の一つとなっているのは間違いないところですが。ではPS4はどうなっているのでしょうか。さすがにメディアプレイヤー機能削除、ということはないでしょうが。
PS3はもっとも早い段階で、もっと広範囲なCinaviaに対応しています。が、あのCinaviaというプロテクト方式は後追いのプレイヤーはほとんどなく、PS3以外に高精度にCinaviaに反応するプレイヤーは存在しないといっても過言ではありません。対応していることで売り上げにはマイナスにしかなっていないCinaviaにPS4は引き続き対応しているのでしょうか? 第一の疑問です。

もっとも気になるのは、やはり再生画質です。以前はPS3の独擅場だったSD画質のアップコンバートですが、すでに後発も追いついています。PS4に採用されるGPUはRADEONのカスタマイズ版ということなので、そこは十分と思います。以前はSDのアップコンバートにはやや難のあったRADEONですが、最近のドライバーのアップデートで画質面でかなりの向上が見られています。この技術で作られるのなら、SDやHDの再生には特に心配はいらないでしょう。問題は、最近はやりの4Kに対応しているかどうか、です。現状のRADEONは4K出力は可能ですが、周波数が落ちてしまいます。4Kを高画質で再生するにはFireProなどの業務用でなければ行えません。はたしてPS4がその技術が採用されているかどうか、世代としてはギリギリな感があるのですが・・・。もし対応してくれていたらPC用ディスプレイと合わせて比較的手軽に2Kオーバーの再生ができる環境を作ることができ、人気を博すと思うのですが。

いずれにしてもそっち方面での詳細の公開はこれからですので、
・Cinaviaは意味がないので非対応
・4K再生はできる
ことを期待しましょう、AV評論家の麻倉氏が聞いてくれるらしいですけど。ただ、「安すぎたかも」発言をした時の当時の久夛良木氏は「PS3をゲーム機と言うくくりで考えてほしくないんです」と、PS3はゲーム機以上の存在であることをアピールしていました。なのでメディアプレイヤーとしての機能も充実している必要があったのです。が、少なくとも今回の発表を見る限り、PS4はゲーム機というくくりでしか見られない存在です。PS3がそうだったようにPS4もヘビーゲーマーでないユーザーでも「欲しい」と思わせるものを見せてほしい。それがわたしの望みです。

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23 コメント

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Unknown (なんだかなぁ)
2013-02-21 23:56:22
スあカパー!プレミアムのアンテナ取り付けしたところ、風邪をひいたのか体がだるい。
どうにかコメントできる程度に体調が戻ってきたので少々。

PS4の4K対応、4Gamer.netによるとメディアプレイヤーとしては4K60P対応予定のようです。
ただし4Kへの超解像アップコンバートは未定だそうです。
AMDもこれを機にRadeonでも4K60P出力対応してくれればいいのですが。

さて、懸案のスカパー!プレミアムの件、風邪をひいたかいあって受信できるようになりました。
ただマルチアンテナの特性の問題なのか、JCSAT3の受信レベルがJCSAT4に比べて少し低いようで。
しかもJCSAT4の受信レベルを最大レベルにすると、JCSAT3の受信レベルが少し低下するので、JCSAT3基準で会わせるしかないようで。
無料、マルチアンテナの性能だとこんなものか?
ともかく、お試し期間を利用して録画し倒してます。
※私も倒れてます。
久しぶりにアンテナ取り付けしましたので、少し苦労しましたが、受信レベルがグッと上がり36000km上空の衛星と握手した瞬間の興奮は、ほかではなかなか得難い体験であり、久々にやってよかったです。
※同時に12年間設置していたTDKのBS・CS110度アンテナは撤去いたしました。
さぁ受信系統は準備が整った!!
来たれ4K!!
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アプコン (HQV)
2013-02-22 02:01:09
>SD画質のアップコンバート

現状でもPS3が優れてると思ってたんですが、最近はそうでもないんですかね?
個人的にSDコンテンツの画質向上手段として非常に重宝しているので
他機器のアップコンバート品質がどれくらい向上しているのか大変気になりますね。
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メディアプレーヤー (migisis)
2013-02-22 09:09:24
テレビに搭載されているメディアプレーヤーはSONYがいちばん使いやすく優れていると思えるのは、PSが存在するからなのでしょうかね。DLNAクライアントとしてのテレビとなると、ここしか選択肢がない感じがします。

とにかく、PCで再生できる動画はすべて再生可、という仕様は維持して欲しいところです。DLNA非対応ファイルも再生してくれるテレビは、自分にとり貴重な存在ですから。
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Sony Spirits (mitchell)
2013-02-22 11:03:56
果たして、今のsonyに期待していいものだろうか。
期待したいけどね。
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Unknown (秋山)
2013-02-22 12:21:39
肝腎なのはPS/PS2エミュレータが搭載されるか否かです。PS2の日本国内への出荷が昨年末で終了し、PS3が現行生産分ではPS2非対応という事で、x86ベースで公式のPS/PS2エミュレータ(非公式のは既にある)が出るか、SCEが過去の資産を大切にしているか否かが大きく問われています。
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Unknown (たん)
2013-02-22 17:51:34
PS4発表になりましたが、PCwatchのコラムによれば

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20130222_588869.html
AMDのAPUは例の委託生産の影響がPS4も例外ではなく必然的にJaguarになってしまったようです。
ただ消費電力がPS3よりは低くなると思いますので、
この点はいいと思いますが、実際はどうでしょうか。
PS3の互換性が無くなってしまったのは仕方ないところですが、(実はダウンロードでいくつかソフトを購入してます。)クラウドでエミュレーションを実現するのはそううまくいくのかのという疑問もあります。
PS2のPS4本体単体でのエミュレーションも難しそうですね。PS1は問題ないと思います。
しかしCellはもったいないですね。いろいろ応用が利く面白いプロセッサだったのですが消費電力の壁が大きく普及に至りませんでした。
そういえばSpursEngineはどこへ行ってしまったのでしょうか・・。
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Unknown (emanon)
2013-02-22 18:09:39
 >動画はUstreamをなどを通じて実況することもできる。さらに、視聴者は配信者にキャラクターの体力を回復させるアイテムと提供したりといった形でゲームに
それいいな ゲームだけじゃなく動画も希望 午前の国会中継ビール片手にヤジ飛ばしたい(音声認識で文字入力 

8コアのx86-64アーキテクチャーCPUでネット認証が有るという事なら男・女 十八禁ゲームも可能ですね 安心して親御さんがプレーできますw 
それとも… オフィスにPS4が並ぶ時代が来るのでしょうか クラウドは何でもありですからね楽しみですね
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Unknown (sazanami)
2013-02-22 18:44:01
 PS2.PS3では開発環境を用意せずソフト系の会社を
軒並みつぶしましたので、さすがに同じ轍は踏まないようです。

 現状半導体の進化が明らかに鈍いので一回作ったら
しばらくは優位を保てると思いますが
GDDR5_8GBがどういう結果をもたらすか楽しみです。

 PS3買いましたがBD再生にしか使っていません(笑
最終的にはこれ使って何するの・・という所がネックなので、まずは期待して待っていようと思います。

 あとは値段でしょうか(笑
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初代のPS3所有者ですが・・・ (Unknown)
2013-02-22 19:17:42

>2013-02-22 18:44:01さん

排気音がうるさくて、BDソフト観賞にも使っていませんわ。

PS4が静かなマシンであることを願います。
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Unknown (ねず)
2013-02-22 22:09:32
久々におじゃまします。
AMDのJaguarコアと聞いて、あれ?と思うところですが、後藤弘茂氏の記事にその辺りの事情が推察されてますね。
絶対性能でブイブイいわせてもしょうがないという時流になっていて、自分としても発熱と静音性を優先したいと思いますが、28nmの省電力チップということでその辺も期待できそうです。
汎用ゲーム機はずっとメモリー不足がネックでしたが、今回は改善していてマルチメディア用途にも向きそうです。
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