こんな季節には特にやりたくない作業

ネタに詰まってますので、天気の話から入った上でわたしの仕事の話なんぞをさせていただきましょうか。


すっかり暑くなってまいりました。今日のニュースによりますと日本全体では通常の三倍もの雨量があるようですが、わたしの地元はその逆で雨量が極端に少なく、作物はもちろん気温への影響も含め、そろそろ一雨欲しいところです。

こうなりますと、倉庫の仕事など力仕事は汗が噴き出るのでつらくなりますが、まぁあれはいいんです、労働の覚悟が出来てからやるのですから。もっとこの時期やりたくない作業が、我が職場では待っているのです。それは絡まったネックレスをほどく作業・・・。
なんのことかわからないでしょ？　ネックレス、もちろん金やプラチナのネックレスというのは、昨今の中古屋では欠かせない商品です。所謂喜平の、太いやつならいいんですが、中には糸のように細いやつも存在するわけです。ちゃんと専用のケースに、丁寧に入れて保管してあったものは問題ないんですが、入れずにそのままタンスに放り込んであったようなものの中には、タンスの引き出しを開け閉めして他の品物に転がされるたびにねじれていき、いつのまにか縛ったとしか覚えないようなダマ状態になるまで絡まってしまったものが持ち込まれることがしばしばあるのです。
どうするか。もちろんほどくしかありません。ですが、おそらく経験した人は少ないと思いますが、絡まったネックレスのほどきにくさというのは、異常です。鎖状になっていますから引っかかりが強く、おまけに糸や紐と違って一切の伸び縮みがないため、拗けただけの絡まりだというのに、まるで力を込めてしっかり結びつけたように丈夫な結び目が完成しており、指でほどくのは至難の業です。ほどくには、一つ一つの結びつきを丁寧に解く細かい作業が必要になります。これでもわたし、スカウトの経験が長く、ロープワークは現役時代から得意でいまなお素人の比ではない自負があります。手先が不器用でしたからその分知識と経験で補うしかなかったからです。ですが、細い鎖の結び目を解くに必要なのは知識よりも指先の器用さ。滅多矢鱈に結び目にいどんでもかえって絡まりがひどくなるだけです。
わたしに取れる方法は一つ。金属を傷つけない程度に柔らかく、それでいて結び目につっこませやすくて、しっかり穴を広げてくれる堅さとするどさを持つ道具を使って、一つ一つ一番端の部分を結び目から抜いていくだけです。いろいろ試しましたが、一番しっくりくる道具として、爪楊枝を愛用しています。指輪の裏の文字の彫り込まれた部分にたまった手垢を取り除くにも便利ですし、わたしには欠かせない七つ道具の一つです。使い捨てなのが難点ですが。
それを使っても、細いネックレスをほどくのは気の遠くなる作業なうえ、大変な集中力が必要であり、大変さは倉庫整理の比ではありません。基本不器用で細かい作業が苦手なので手がブルブル震えますし、体にストレスのようななにかがたまってくるのが良くわかります。最低でも2分に1回は鎖を力任せに引きちぎりたくなりますから。集中力を使うとわたしは額や胸から大量の汗がしみ出てくる体質であり、ここ最近の暑さが相成ってしたたり落ちる汗の量も尋常じゃなく・・・。寿命が縮む気さえしてきますよ。やっと終わっても達成感も開放感もまるでありませんから。

えー、なってしまうと本当に戻すのが大変な細いネックレスの絡まり。これを避けるためにも、長期間保存する時は必ずネックレス用ケースを使い、中の引っかかりとゴムの押さえを使って引っかからないようにして保管してください。ケースを壊してしまった場合などは、伸ばした状態で、ティッシュで海苔巻き状にくるむか何度も折るかして鎖同士が接触しないようにし、封筒に入れておくのがよいかと思います。わたしはウチの品をそうやって保管しているんですが、ウチの親父などすぐ「ティッシュがもったいない！」などと言い出してそのまま封筒に放り込みますから、取り出してみるとやっぱり絡まっていて・・・。明日もまたほどき作業が待っているわけです。一年中いつあっても大変ですが、特にこの時期は勘弁して欲しいものです、はい。