録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

PCワンズからの挑戦状

2013-02-01 21:39:06 | 意味なしレビュー
大阪は日本橋にあるショップなので一度も行ったことはないのですが、一度通販を利用したことがあるのでメルマガがたまに来るので名前は存じているショップに、PCワンズというところがあります。
で、ここが毎週木曜日に「ワンズちゃんねる」というネット配信番組をUSTREAMで流してるんですね。で、昨日(1月31日)は、「AMD応援企画 FX8350を使ったエンコード検証」とネットで見ました。面白そうだったので、21時に該当チャンネルに行ってみたのですが。

MC「あるサイトで本当かな? って言う記事がありまして FX-8350の性能について検証を行ってみた、その中でもエンコード性能や如何に!ということで」

「CPUの性能の違いが、戦力の決定的な差でないことを教えてやる!」(池田秀一)

ほうほう。FX8350のエンコードについて書いたサイトの記事が疑問だと。わたしも何度も検証しているのでこれは見逃せない。

MC「あるサイトで書いていた記事を元に検証させていただんですが、そこでやっていた検証としては2600K、SandyBridgeの2600Kとこの8350を比較してました。で、その結果ですね、2600Kに、FX 8350の方がですね、ソフトによっては、ほとんど!勝っておりました。なので、そこの記事で3770といい勝負が出来るんじゃないか、と書かれていたので、非常に気になって・・・」

ははは、2600KとFX8350を複数のソフトでエンコード検証をするなんて、わたしくらいのものだったと思っていたが、世の中広い・・・。

ウチだよ、どうみてもこの「あるサイト」って orz

いやこのリラックスしていた途中で感じるむず痒さ。誰かが噂話していたら、それが自分のことだって気が付いたときの、居場所を失ったかのようなあの感覚。たぶんあちらも、わたしが見てるって思ってもいないのでしょうが。ライブで見てたんですよ~。ID持ってないので書き込みとかしませんでしたけど。
で、この放送で公開されていたデータがこちら。

条件
TMPGEnc Video Mastering Works 5
30分動画・60分動画・120分動画をそれぞれ1280x720のMP4に変換 ビットレートは平均2000、fpsは30固定で算出

比較機材 FX 8350とCore i5 3570K

30分動画
3570K 33分18秒
FX8350 44分08秒

60分動画
3570K 70分34秒
FX8350 99分05秒

120分動画
3570K 245分48秒
FX8350 164分33秒
3770K 123分くらい(MCさんの私物)

ほら、ここでもFX 8350は酷評されています。途中で「やめてくれ~」とか言っていたくらい。最後になぜか3570Kが不自然なほど遅くてフォローしてましたが。なんかこういうのを見ると、ウチの場合Core i7 2600Kが利用者の愛情が足りずに性能を発揮していないだけ、って気がしてなりません。が、その一方で「お前の記事間違ってない?」と言われているようにも聞こえます。いいでしょう、これは挑戦状と受け取りました。この挑戦受けて立ちましょう。そろそろ新CPUを買うまでエンコード速度の計測はやめようと思っていたのですが、わたしがやらずに誰がこの放送の結果にツッコミを入れられるというのですか、ということで封印を解きます。

なお、ライブ放送終了後から録画された動画が公開されていますので、興味のある方はご覧ください。

USTREAM:ワンズちゃんねる!

ワンズちゃんねる! #103 「8コアは伊達じゃない!」 vol.1の開始から20分くらいまでがFXエンコードネタとなっております。


さて、向こうさんの検証を・・・と思っても、入力ファイルの情報がないんですよ、これが。「ブルータス、お前もか!」ってなくらいにどこも必要な情報が不十分。今回はそこも含めて考えていきましょう。
まずは自分のハードでもう一度調査します。ただ、文字通り昨日の今日ですから比較とするには条件バラバラな普段使っているやつで。

AMD機
FX 8350 定格
DDR3-1866 4GBx2
GeForce GT640
990FX Extreme4
Windows7 Pro
電源プラン:バランス

Intel機
Core i7 2600K
DDR3-1600(1333動作) 4GBx2
内蔵HD3000
GA-H77M-D3H
Windows8 Pro
電源プラン:バランス

特にOSがそろってませんが、Intel機はWindows8にした方が少し速くなることが多いので、まぁ見逃してください。
用意した動画はもちろんMPEG2-TSで、1920x1080の1時間54分(114分)もの。音声も5.1chです。これを上と条件をそろえ、x264エンジンのMP4、H.264/AVCの1280x720の2000Kbpsに1PassのVBRで
・30分ピタリまでエンコード
・60分ピタリまでエンコード
・114分目いっぱいエンコード
・リサイズなしで1920x1080のままエンコード
の4種類を行い、時間を計測します。ソフトはもちろんTMPGEnc Video Mastering Works 5。

30分
2600K 22分10秒
FX8350 23分00秒

60分
2600K 44分27秒
FX8350 46分03秒

114分
2600K 85分22秒
FX8350 88分26秒

リサイズなし
2600K 162分06秒
FX8350 133分23秒
※この項目に限り数字が間違っていましたので訂正します。申し訳ありませんでした。

見てわかる通り、リサイズを行った動画に関しては少しずつですが2600Kの方が勝っています。こうなる原因は過去の検証ではっきりしていますが、現AMDアーキテクチャは単純な処理ほど得意で複雑さが増す処理は苦手です。1920x1080から1280x720へのリサイズというのは事前のデコード処理としては結構重いため、Intelに有利に働きます。前の動画のときに逆転がおこらなかったのは元動画が1440x1080だったため、リサイズの複雑さが少なくて済んだためでしょう。それが証拠に、リザイスなしのエンコードだといつも通り、FX 8350の方がCore i7 2600Kを凌駕します。
ただ、やっぱりPCワンズの用意したエンコードデータと違いすぎます。相対的に速そうに見えた3570Kも、こっちの2600KやFX 8350と比べれば1.5倍も余計な時間が掛かっており、激遅です。と、言うことは用意された動画はMPEG2とは考えられません。

MCさんは途中でブル(自粛)という一言を漏らしており、使われたのはMPEG2-TSよりはるかに重い、おそらくは高ビットレートのH.264/AVC動画でしょう。それなら、エンコード元のファイルがどんなものだったか、言うことができないのもわかるというものです。入手元はアレしかありませんからね。つまり、高ビットレートH.264/AVCの1920x1080動画を1280x720にリサイズしてエンコードするのなら、IvyBridgeの方がAMDのFXより有利ということです。ただ、そういう使い方って日常的にします? わたしの用途はMPEG2-TSをリサイズなしでx264エンジンを使ったH.264/AVCへのエンコードが大半で、これは日常的に行っています。これがベンチマークソフトならはじき出される数字はIntelがAMDより数段上、ってところでしょうが、わたしは自分の目的に合致した能力を持っていることの方を重視しているので、これだけではやはりFX 8350が一番と言うしかないですね。

どうしてもわからないのが3570Kの120分動画エンコードの遅さですが・・・リサイズし忘れたんじゃないでしょうかね。

参考:Core i7 2600K(HT機能無効化)の114分動画を1280x720にリサイズしたときの時間
30分 26分35秒
60分 53分30秒
114分 102分29秒
キレイに時間に比例しています。

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15 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-02-01 22:21:41
私もニヤニヤしながら昨日のワンズの配信とその結果を見てましたが、予想通りリサイズの問題だったみたいですね。

うちでも大抵のエンコはリサイズを行わずにやってるので、TS、H.264ソースで考えたらこりゃ意味のない比較だわと思ってました。
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Unknown (krmmk3)
2013-02-01 23:19:29
>2013-02-01 22:21:41さん
リサイズはエンコードの一つの目的ではありますけど、やらない人も少なくありませんからね。リサイズしたものだけで結果を語るのは不十分というものです。
返信する
Unknown (Unknown)
2013-02-02 07:06:24
調査結果を公表するなら、詳しい条件も書いてほしいですよね。
設定が適切かどうかというより、見る人の使い方に近い条件の調査結果を参照できれば、広く役立つデータになるわけですし。

うちではPhenom2の905eのPCがメインだったのですが、先日FX-8300のPCを組みました。メイン機にすべく調整中です。
そのFX8300ですが、アイドル時の消費電力はやはり低いです。
ロード時はそれなりに消費電力も上がるのですが、CPUの温度はあまり上がりません。ヒートシンクを触ってもヌルい程度で、気持ち悪くてクーラーのグリスを塗り直したほどです。

でもエンコードは最近ほとんどやってません。BD-Rが十分安いので、もうTSを直にBD-Rに焼いています。
せっかくのFXがもったいない気もしますが、トータルでみると前環境より省電力になる見込みですし、自己満足度は高いです。
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Unknown (kazu)
2013-02-02 08:11:52
またまた今回もおもしろい結果ですね。
私もやはり、TSファイルからの変換が主です。
ベンチマークとして統一的な対象(TSファイルとか)およびそのエンコード設定があるとハード依存の結果は見やすいですが…。
それとて、VMW5だとバージョン違いでも差があるでしょうから何ともいえませんが。
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AviUtl分割同時エンコード (めもも)
2013-02-03 00:04:43
前のFXの記事大変参考になりました。
ありがとうございます。
わたしはaviutlで圧縮をしてます。
上記のサイトを参考に同時エンコしたところ飛躍的に時間の短縮ができました。
(ひとつのaviutlにひとつのコアが必ず担当するかどうかわたしにはわかりませんが)

ところが最近.TSがどんどん溜まってエンコが間に合わなくなってきました。
そこでPCの中身を入れ替えようと思ったのですが、AMDにするかintelにするか悩んでおります。
そこで10分程度の映像で構いませんので同クロックでAviutl8個同時エンコの実験を2600Kvs8350でしていただけたらと思います。 実コア8と実コア4+HT4のどちらが速いか知りたいのです。ご検討お願いします。
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Unknown (krmmk3)
2013-02-03 22:47:06
>2013-02-02 07:06:24さん
FX 8300ですか。今買うのならそっちの方がいいかなlと思っちゃいます。無駄な電力を抑えてますからね。
途中で「まんま保存でいいじゃん」と思ったとき、わたしもありました。でも、やっぱりエンコードすることに戻っちゃいましたね。

>kazuさん
今はおおっぴらに元ファイルを語れない時代になってしまいましたからね。隠すが、まったく逆にふつう使わない形式のファイルを用意するかのどちらかですから。ただ、ウチとしてはなるべくMPEG2のみを扱っていきたいと思っています。

>めももさん
8個ものソフトを同時に立ち上げるには、それだけ大量のメモリが必要です。まして動画を扱うのですから最低でも16GBは欲しいところでしょうか。わたしはそのようなメモリを搭載したPCを持っておりません。まして8個同時というのは正直非常識なやり方で、ふつう行われるとは考えられません。通常使われることのない、実験のための実験を行うのはわたしの主義ではありません。
AviUtlで急いでエンコードを行うのなら、IntelCPUに拡張QSV出力を入れることをお勧めします。固定量子化を使えば、そこそこ容量を抑えて非常に速いエンコードができます。
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Unknown (通りかかりの人)
2013-02-03 23:11:44
PT1で録画したtsを、TMPGEnc Mpeg Editor3 で ts->ps 変換(音声のみmp2へ変換)して、Mediacoder で(memcoder で1280x720にリサイズ+yadifでインターレス解除)しながら、x264(H264、2pass、1.5mbps)でエンコードしています。

ソースの動画の、ビットレート、画素数に左右されますが、1055T で、各パス1.0~1.3倍のフレームレートでエンコードできています。

一般的な例かどうかはわかりませんが、FXはどうなんでしょうね。
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Unknown (krmmk3)
2013-02-03 23:36:16
>通りかかりの人さん
エンコード目的のカット出力なら、音声はmp2よりリニアPCMの方がよくないですか?
あまりリサイズしないんですけど、今回の記事が参考になると思います。リサイズの苦手なFX 8350でも1920x1080を1280x720にリサイズエンコードを、30分の1passを23分で終えてます。実時間の8割切ると思ってください。
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りサイズ (kk)
2013-02-05 14:09:53
りサイズがAMDの泣き所っぽいのは理解したんですが縮小ではなく拡大の場合はどうなのでしょうか?
たとえば1440x1080の左右それぞれ180カットして1080x1080にしてそれを1440x1080にリサイズしてエンコードする場合とか。
本来ならアスペクト比の設定とかで何とかすべき話なんですが再生機器によっては決まったサイズの動画しか使えないんですよね。

自分的にはこのパターンでインテル並の速度で動いてくれれば買い替え候補なのですが…
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Unknown (Unknown)
2013-02-05 19:17:16
>kkさん
検証できる環境がないので、結論は出せない上に憶測も入りますが…

リサイズの計算方法はいろいろあって、それぞれスピードとか画像の種類(実写かアニメかなど)によって向き不向きがあったりします。
TMPGEncが拡大と縮小で同じ計算方法を使っているなら(多分同じだと思います)、速度の傾向も同じになるのではないかと推測できます。

ただ、縦のサイズを変えない場合と変える場合で傾向が変わってくるかもしれません。
例えばAvisynthを使う場合、Avisynthのリサイザは縦と横で独立しているそうなので、縦のサイズが同じならリサイズ処理は軽くなり、結果として影響は小さくなるのではないかと思います。
返信する

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