録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

このブログは

このブログは、PCでテレビ番組を快適に録画し、自由な形で好きなように活用するための実験結果報告をメインとしたものです。ですが、その自由を奪い、不自由を売りつけて無制限の利権を得ようとするものたちが、現在のテレビ界では勢力争いをしています。そういう連中とは断固戦い続けます。それが、ここのテーマです。
2011年7月24日まで続けることを目標にしていましたが、2011年いっぱいまで延期いたします。 ・・・の、予定でしたが、衛星放送の行く末が気になりますので、それまでは続けます。ああ、意志薄弱。



特殊なコンテンツ
・SpursEngine H.264エンコーダ 実験プログラムサポート&他ソフト紹介ページ
Lalfさんが作られている、SpursEngineで使えるエンコードソフトのリンク先の紹介などをしています。CUI版とAviUtlのプラグインの二種類があります。 また、それ以外に同じくLalfさんの作られたCodecSys Personal向け参照AVI、ravi2や、BOさんの開発されたLinux用HD PVRコントロールソフトのリンクもおいています。

※10/07/01 se_h264enc_auo ver 0.09、se_mpeg2enc_auo ver 0.05、Seche Technical Preview2 リリース

・スカパー!e2 各チャンネル解像度・ビットレート一覧表
独自の調査による、スカパー!e2とBSデジタル放送の解像度とビットレートの一覧表です。多少の間違いはご了承ください。

・意外とある、デジタル放送録画可能キャプチャーボード・ユニット
外部入力を用いて、デジタル放送のチューナーやレコーダーから出力される番組を、自由に扱える形式で録画可能なPC用のキャプチャーボードおよび外部ユニットの情報を集めたものです。

トカゲ特撮の世界

2015-01-30 00:22:30 | 特撮・モンスター映画
古い洋画の特撮もので、実在の生物を合成したりミニチュアの中を歩かせたりして巨大生物として表現する手段が存在することはわたしもたびたび書いていますが、それら実在の生物同士が戦うシーンがある映画はその生物に爬虫類か両生類を使っていることが多く、「映画の中に出てくる(悪い意味での)本物の巨大生物と言えばトカゲ!」と言う印象が強くなっています。これを"トカゲ特撮"と読んだのは眠田直氏のコラム上のことではありますが、あくまで笑いを取りに行くための表現でありました。が、どこの誰が書いたのか、いつの間にかWikipediaにも"トカゲ特撮"の項目が出来てしまっているのであります。ただ、明らかに上記のコラムだけをネタ元として採用しているので、いまやDVD化されたタイトル「ジュラシック・アイランド」と呼ぶべき原題「UNNOWN ISLAND」を日本語版が出る以前の「知られざる土地」としているなど情報が古いところもあります。正直あの言葉を一般用語のごとく扱うのは個人的に抵抗がありますが、本エントリーのような個人的趣味で書く分にはやはり便利なので使わせて頂きましょう。

そのトカゲ特撮作品の中でももっとも大作として作られている作品、「ザ・ロスト・ワールド/失われた世界」が先日ついに日本語字幕付きDVDとして発売されました。残念ながら予告編は収録されませんでした(現存しています)が、これでトカゲ特撮映画の大半を見ることが出来るようになりました。今回はいつものことながらマニアックにこの作品を含むトカゲ特撮の世界を堪能していこうと思います。

・紀元前百万年
紀元前百万年 ONE MILLION B.C. [DVD]
オルスタックピクチャーズ
オルスタックピクチャーズ


1940年のモノクロ映画。何度も取り上げてますけどやはり基本中の基本ですから外せません。本作は原人映画であるため、登場するトカゲはあくまで巨大トカゲの扱いであって恐竜ではありません。恐竜映画と思われるのはリメイクである「恐竜100万年」(原題はどちらも"One Million Years B.C.")では登場モンスターが全て恐竜に変更されたためイメージがこっちにフィードバックしたためです。登場トカゲは背中に帆を付けたワニ、トカゲ、イグアナの三種類。そもそも生物としての戦闘力に差があるうえにサイズも小型で勝ち目のないトカゲが帆ワニにギタギタにやられる戦闘シーンが有名ですが、それ以外もトカゲシーンは目を引くシーンばかり。なかでも突如発生した火山によって天変地異が襲ってくるシーンは圧巻。周りを火で囲まれ、逃げ場を失ったトカゲたちが地割れに自ら飛び込んでいくシーンは間違いなく本気で火を怖がってのマジ逃げ。それだけに大迫力でここに関しては名作の名高いリメイク版もかなわない出来ではありますが、やっちゃだめでしょ、こういうシーンは。また、クライマックスに主人公たち原人が新たな生活の場をもとめてその地のボスたるイグアナとの戦いではそのイグアナが崩された土砂によって生き埋めにされますが、その直前まで動いていたしっぽが埋められてからは動かなくなるので多分即死してると思います。古い時代だからこその作り方とは言え、あな恐ろしい作りとなっております。リメイク版もオマージュが本物イグアナが一匹だけ序盤・クライマックスの二箇所登場。やっぱり地割れに落とされてます。

・大蜥蜴の怪
大蜥蜴の怪(おおとかげのかい) [DVD]
ドン・サリヴァン,リザ・シモーヌ,シャグ・フィッシャー,ジェリー・コートライト,ビヴァリー・サーマン
有限会社フォワード


「人喰いネズミの島」のレイ・ケロッグ監督作品。残念ながら登場トカゲはGILA MONSTER(アメリカドクトカゲ)一匹だけでバトルもありません。おまけに撮影のしやすさを優先したのか、動きのにぶいトカゲを使っているので映像に迫力がなく、本編は頑張っている物の特撮としてはあまり見るところのない映画であります。やっぱりトライスターのGODZILLAはイグアナじゃなくてこのアメリカドクトカゲをベースにすべきだったと思う。

・地底探検
【お得な2作品パック】「地球の危機」+「地底探険」(初回生産限定) [DVD]
ウォルター・ピジョン,ジョーン・フォンテン,バーバラ・イーデン,ピーター・ローレ,パット・ブーン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


SFの始祖の一人、ジュール・ヴェルヌ原作の有名作だけにリメイクもされてますが、トカゲが出てくるのは1959年度作品版。なお、「大蜥蜴の怪」も同じ年の作品なんですが、さすがにお金かかっているだけあってトカゲシーン一つとっても迫力が違います。クライマックスに真っ赤に塗られたやつも出てきますが、最大の見所は中盤の背中に帆を付けた同じデザイン同じ種類の大トカゲがたくさん登場するシーン。主人公一行の攻撃によって一匹が倒されますが、劇中のストーリーだけでなくトカゲ自身も(おそらくスタッフの手によって)血まみれになり、瀕死の状態においこまれます。すると同型のトカゲたちが一斉に駆け寄ってきて、瀕死の仲間をバクッ・・・なんと映画の中で共食いを始めるのです。さすがに食いちぎる様ははっきり画面には映りませんが、口を真っ赤な血に染めているやつもいるあたり、爬虫類の苦手な人なら気持ち悪がって逃げ出しかねないおぞましいシーンとなっております。
ちなみに帆のついた大型トカゲと言えばディメトロドンという古生代に生きていた生物が有名です。昔の恐竜本では一緒に紹介されることが多かったために恐竜の一種もしくは祖先くらいに考えている人も多そうですが恐竜とは関係なく、むしろほ乳類の祖となったのではないかと考えられています。ひょっとしたらあなたもわたしもディメトロドンの子孫なのかも知れません。

・ザ・ロスト・ワールド/失われた世界
ザ・ロスト・ワールド/失われた世界 [DVD]
クロード・レインズ,マイケル・レニー,ジル・セント・ジョン,デヴィッド・ヘディソン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


今回ついに発売になった映画で、1960年の作品です。監督は後に「パニック映画の巨匠」と呼ばれるアーウィン・アレン。ただ、個人的な評価ではプロデューサーとしては掛け値なしの一流(主な製作作品:ポセイドン・アドベンチャー)ですが、自らメガホンをとって監督を兼用した作品は一段落ちる(主な監督作品:ポセイドン・アドベンチャー2)と思ってます。
本作は一般に1925年度作品「ロストワールド」のリメイクとされています。1925年度版はウィリス・オブライエンの人形アニメによって非常に多数の恐竜が登場する映画となっていましたが、今回の1960年度版の恐竜はもちろんトカゲ方式で撮影されていて数はたったの四匹。すべてのトカゲになんらかの装飾がなされており、なんとかトカゲっぽさを消そうとする努力は見られます。ちなみに書かれた絵のうち一番小さく書かれているのがティラノサウルス・レックスで、大きいのがアパトサウルスだそうです、似ても似つきませんけど。ただ、特撮の演出は意外と丁寧で、夜に森の中チラチラと姿を見せるシーンなどかなり雰囲気が出ていて悪くありません。バトルはカラーということもあってかなり壮絶、意図的にワニにトカゲを咬ませているのでトカゲ君かなり苦しそうです。両者の決着はつかず、もろともに穴に落ちていくのですが・・・落ちていっているのもあきらかに本物です、ちなみに。
実はこの1960年度版、1925年度版とストーリーはあまり似ていません。同じなのは序盤の恐竜生存を主張してバカにされ、探検隊を結成してアマゾンへ出かけていくところまで。25年度版はワラワラ出てくる恐竜の世界の表現がメインでそのあとロンドンへ連れていったアパトサウルスが逃げ出して大暴れすると恐竜映画になっているのに対し、60年度版は恐竜シーンは少なく、ストーリーは原住民とのトラブルがメインとなっており、最後も手に入れた卵から孵ったティラノサウルス(これだけ造形物)に喜ぶシーンで終わっています。もともと原作ではロンドンに持ち帰るのはプテラノドンで、逃げ出すと同時に飛び去ってしまう終わり方なので、どちらでも原作と異なることに変わりはないのですが・・・。これは25年度版ロストワールドのストーリーがのちにあまりに有名な作品に構成をほとんどそのまま使われてしまったからでしょう。その作品は言わずと知れた「キング・コング」です。キング・コングはそのあともリバイバル上映され、ストーリーは知られていましたから25年度版のストーリーをなぞると「キング・コングのパクリ」とみなされる恐れがありました。いくら本当の元祖はロストワールドであっても、有名すぎるオマージュは知られないオリジナルよりもオリジナル扱いされることはよくありますから、使うわけにはいかなかったのでしょう。ですから60年度版は25年度版のリメイクというより、コナン・ドイル原作「失われた世界」の二度目の映画化と言うべきです。
本作の特撮はスタッフ・ロールでは25年度版やキング・コングのウィリス・オブライエンとなっていますが、実際には何もしていないようです。これは1956年にやはりアーウィン・アレンが作った映画、「動物の世界」の恐竜部門の特撮をオブラエンとレイ・ハリーハウゼンの豪華師弟コンビにまかせたところ、アレンの視点からすれば撮影に時間をかけすぎた~もちろんオブライエン/ハリーハウゼンからすれば時間が足りなすぎだったようですが~ために人形アニメ方式を使わなかったからと思われます。事実上特撮を担当したのがL・B・アボット。先に書いた「地底探検」でも特撮を行った人です。つまり、アーウィン・アレンはあの共食いトカゲを気に入って本作のためにアボットを引っ張ってきたと推測できるのです。これをキッカケにアボットはアレンの作品の常連となり、あの「ポセイドン・アドベンチャー」の特撮を手掛けることになるのですから世の中何が起こるかわからないというものです。

・恐竜王
トカゲ特撮最後の大物です(笑)が、残念ながら日本語DVD化されていません。本作のトカゲは言われる「紀元前百万年」の流用ではなく、オリジナルのものです。しかもシーンが非常に多く、バトルもイグアナ対ワニ、イグアナ対トカゲの二ラウンド製で血まみれ凄絶ぶりは他作以上。予算がないので爬虫類への装飾は全くやっていませんが、不自然さがなくてかえっていいかも。監督は「戦慄!プルトニウム人間」のバート・I・ゴードンで、これがデビュー作。ただ、のちの作品と違って本作に限り、自分で特撮を行っていません。これ以降は本作と同じ実物を合成する方式で巨大生物映画を連発するようになるので多分裏でやり方を学んだのでしょう。あまりいい見本とは言えなかったようですが。


長いけど中身のないエントリーを書いてしまいました。洋画の特撮ものは邦画ほど一作一作が深くないんですが、全体として把握しようとすると違った楽しみがあるのですよ。
コメント
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