遥かなるピリカヌプリを求めて

ピリカヌプリに行ったので、次は1839!

空沼岳から狭薄山へ

2012年04月24日 | 登山:札幌近郊

平成24年4月22日(日) 空沼岳~狭薄山

昨年2度にわたって途中敗退していた狭薄山にやっと登ることができた。しかも今回は空沼岳を経由した約26km、総時間11時間のハードな山行。会のメンバ4名と朝の6時半に採石場を出発した。

今回は出だしからアクシデントに見舞われた、登山口にあるはずの橋が流されて見当たらないのだ。渡れそうな箇所を探しながら上流に進み、多少足を濡らしながら何とか対岸に渡った。地図を見て後から分かったことだが、登山口を過ぎた林道の先に橋があるようなので、そこを渡った方が良かったかもしれない。

万計山荘には9時頃に到着、そこには大学生と思しき男女3名と、スキーを履いた男女の2人組がいて、スキーの2人とは狭薄山の手前で再会した。万計山荘から空沼岳へは夏道コースではなく、万計沼対岸からの最短コースを行った。この付近はとても分かりにくい地形で地形図を何度も確かめながら1180Pと1153Pの間のコルを抜け、最後の急坂を登って空沼岳への稜線にでた。2月の万計山荘雪下ろしから3ヶ月ぶりの空沼岳山頂であった。


(空沼岳から狭薄山を眺める)

青空が広がり最高のお天気に恵まれたが、札幌岳へ向かう稜線上では猛烈な風が吹いていて、何度も体が持っていかれそうになった。また、春の陽気で雪面が緩み気味になっていて、スノーシューを履いていても何度も足が深く沈んだ。1197Pを越えてヒョウタン沼付近までくると数名パーティが休憩していた。聞くと札幌岳を目指しているとのこと。


(札幌岳への稜線を行く)

ヒョウタン沼からは、狭薄山への支尾根を辿り、3ヶ所のピークをアップダウンする。空沼岳からの行程でかなり体力を消耗し余力もなくなっていたので、最後は気力で頑張った。何もない山頂であったが、漁岳、恵庭岳、無意根山をはっきりと眺めることができた。さすがに狭薄山は簡単に登れる山ではないと思った。帰りも何箇所も登り返しがあり、ヒョウタン沼まで戻ってやっと下山を開始するという気分になることができた。真簾沼の横を通過し万計山荘に戻ったのが午後4時、すでに薄暗くなりつつあり、休憩もそこそこに下山を急いだ。


(狭薄山の山頂)

橋の流された川は、最後なのでじゃぶじゃぶと膝まで濡らして渡った。駐車地点までの道のりがなんと長かったこと。心底疲れたが、目一杯歩いたという充実感に満たされていた。これで札幌50山のうちの厳しい山のひとつが減った。


(トラックログが消えていたので、記憶を頼りにルートを描いた)

〔コースタイム〕
採石場 6:30
登山口 6:50
万計山荘 9:00
空沼岳 11:30
ヒョウタン沼手前 12:15
狭薄山 13:40
(休憩)
ヒョウタン沼手前 15:00
万計山荘 16:00
採石場 17:30

以上


栗山小林酒造の酒蔵まつり

2012年04月16日 | あれこれ

先週末は栗山小林酒造の酒蔵まつりに行ってきた。11時20分発栗山行き高速バスの乗降口は既に長蛇の列ができていたが、増便された2台目のバスに何とか乗ることができた。栗山までは1時間半、うとうとしているうちに栗山駅前に到着していた。

酒蔵まつりは、栗山に住む従兄弟に会う貴重な機会となっている。こういうこともないと会う機会もなく、山登りの予定をキャンセルして駆けつけた。記録的な豪雪で、栗山町内はまだ辺りに多く雪が残っていたが、快晴で風もない穏やかな陽気で最高のイベント日和となった。

会場は多くの人でごった返していたが、半日居座るための場所取りをする。今年で5回目ともなると要領も得てくるものだ。何度も往復してタダ酒で気持ちよく半日を過ごした。


屏風岳から朝里天狗岳へ

2012年04月08日 | 登山:札幌近郊
平成24年4月8日(日) 屏風岳から朝里天狗岳へ

所属している会の会山行で、屏風岳から朝里天狗岳を縦走してきた。ルートは、朝里峠トンネルの手前の駐車から出発し、屏風岳を下り、コルから朝里天狗岳を登り返しして魚留の滝の付近に下山するというもので、クルマをデポするため一人では実現できない。



総勢20人を超える大パーティで長い列をなし雪に埋もれた旧道を8時半頃に出発した。同じ頃にスノーモービル集団も大きな爆音を響かせて出発していった。すぐに旧道をそれてほとんど傾斜のないだだっ広い樹林帯の中をラッセルしながら行進する。途中から林道と合流し屏風岳に向かうが、ほとんど傾斜がないため山に登っているという感じはしない。


(コルで休憩)

752mの屏風岳から683mの朝里天狗岳方面は、ひとりでは躊躇してしまうほどの急坂を下ってコルに降りなければならないが、みんなで降りれば怖くないものだ。コルから朝里天狗岳への標高差100mを登ると360度の見晴らしが待っていた。やっと山らしいところにきた。帰りは標高差300mを一気にかけ降りた。湿った雪にスキー組は苦労していた。


(雪に埋もれた朝里天狗岳の標識)

屏風岳から朝里天狗岳へのルートはとても面白いコースである。また、逆のルートもありだろう。ただ、ひとりで行けないのが残念。



〔コースタイム〕
朝里岳トンネル 8:30
屏風岳 11:30
(途中大休止)
朝里天狗岳 12:50
魚留の滝 13:20


南岳を目指したが、しょうがないので毒矢峰に

2012年04月07日 | 登山:札幌近郊
平成24年4月7日(土) 毒矢峰

昨年途中敗退の定山渓南岳に登ろうと勇んで天狗小屋まできた。そこから先が通行止めになっていることは承知していたが、人の通行も禁止だと言う。大型ダンプが走っているので、人が歩いていると確かに危険ではある。昨年も同じように通行止めであったがその先の山鳥峰林道まで歩いた。その時は朝早かったため守衛さんが不在だった。

しょうがないので代替場所を毒矢峰にした。この山も昨年登っているが、今回はスキーでのチャレンジである。いつもは天狗小屋の付近は除雪されているが、当日は最近降った雪の除雪がなされておらず、橋を渡って進入することができなかった。しかたがないので、守衛さんにお断りして道路脇に止めた。ここの除雪はスノーモービルの会の人達が自前で行っているとのことだが、シーズンは終わったのだろうか。



登山者のクルマが1台あって、その先行者のトレースに沿って進み林道の分岐点から尾根に取り付く。いきなり急登となるが、最近の湿った新雪のグリップが効いて、案外とスキーでも直登できた。668Pの手前で先行者が下山してきた。降雪が強まったため様子を見ていたが、安全のために引き返してきたとのこと、先頭に押し出されてしまった。668Pから先は自分のトレースを雪面に刻みながら進む。そして2時間ほどで標識のある山頂に到着した。山頂は風もなく快晴、これぞ春の雪山である。



天候が崩れるかもしれないので食事を摂って速やかに下山する。途中登り返しがあるためシールを付けたままとした。20センチくらいの湿った新雪はスキーコントロールが難しく、668Pの手前から急坂の区間をスキーを抱えてツボ足で降りた。当日出会った登山者が登りの時に会った1名だけ、というのはちょっとさびしい。



工事は5月下旬までとなっていたが通行止めは1年以上続いている、南岳にはいつになったら登れるのであろうか。



初心者のGPS考

2012年04月03日 | あれこれ
山の道具や登山技術は先人の知恵により熟成されてきた。かなり緻密な理論的裏付けもなされている。初心者の自分としては、それらを謙虚に受け止めなければいけない。しかし、道具の進歩も日進月歩、安全を守るするための道具も変化している。三種の神器といわれるビーコン、ゾンデ、シャベルはその代表格で、少し前は使う人はいなかった。目的が全く異なる携帯型GPSも進化を続けているが、現在のところ、持たずに山に入るな!ということにはなっていないように思う。

GPSは現在位置の測位技術をベースとして、それに地図情報が加えられカーナビに発展した。携帯用GPSも目指すはカーナビであると思われるが、画面の大きさやバッテリの動作時間の関係で、使い勝手は大きく制限され、それらを補う使い方が求められる。

紙の地形図とコンパスで地形を読みながらルートファインディングするという基本をGPSがとって代わることはないとは思うが、その一部を補う使い方としての応用範囲は広い。特に高度表示は重要な情報のひとつである。トラックログで山行を正確に振り返りることができることもGPSならではの使い方だ。

ルートファインディングのために地形図とコンパスをしっかりと使いこなすことができるようになることは、自律する登山者への出発点であると思うが、その上でGPSによって更なる安心や利便性を得ることができれば、それに越したことはない。雪山でホワイトアウトとなった時には、晴れるまで待てというのがセオリーで、GPSがあるから直ぐに行動してもよいという人はいないと思うが、直ぐに行動しなければならない場合には、GPSはたいへん心強い道具であることに疑いはない。

自分の場合、あまりにGPSに頼りすぎて地図やコンパスを使う機会がめっきり減っていった。今でもカシミールを使ってGPSにルートを登録し、視認性を考えて1/25000の地形図をマップカッターで切りだして格納して山行に臨んでいるが、基本的には紙地図とコンパス、そして必要ならルート旗をつけて行動するようにしている。しかし、最後の砦としてGPSを持ち歩いていることの安心を手放すことは最早できない。

地図やコンパスがあるから安全とか、GPSがあるから安全ということではなく、インターネットなどでルートを事前に調査するとか、天気の良い日を選ぶとか、トレースの残っている時期を選ぶとか、いろいろなことのひとつにGPSがあるのではないだろうか。