庭木などを雪や寒さから守る冬囲い。小さな木なら、自分でやる人も 多いが、なかなか難しい。造園のプロに、冬囲いの基本を教えてもら った。(北里優佳) 毎年、約280軒もの冬囲いを行っている、真鍋造園(札幌市豊平区) 社長の真鍋昌市さん(53)に実演してもらった。必要なのは、ホ-ム センタ-などで売っている根曲がり竹と縄。木によってむしろも使う。
男結び覚えよう
高さ1メ-トル前後のドウダンツツジなどは、基本的な囲い方=イラス ト参照=で大丈夫。まずは、根元から四分の三あたりを縄で縛る。 「占め過ぎると枝折れするので、半分くらいの力で」(真鍋さん)。ポイ ントは、男結びにすること。ほどけず、縄の無駄が少ない、園芸には 必須の結び方だ。竹は、根元から三十センチほど離して地面に差す。 根曲がりの先端が外側を向くように差すのがこつ。上で一つに束ねた とき、より弾力が出て雪の重みにも耐え、束ねたひももずれない。すべ ての竹を上でがっちりと束ねたら、下から順に、枝を中にまとめる要領 で縄をかけていく。縄と縄の間隔は十五-二十センチくらい。竹の節 の下で縄をひと巻きずつしていくと、ずり上がらない。背が高い木の場 合、斜めに伸びていても、あくまで真っすぐ囲うのがポイントだ。枝が広 がっている部分を縛り、長めの竹を低い木と同じ要領で差す。真っすぐ に囲うためには、木の曲がり具合にかかわらず、竹の先端を根元の真 上で束ねる。あとは、枝を中にまとめるようにして、下の方から縄をか けていく。
10度目安に防寒
むしろは、基本的には植えて三年目までのオンコなどの常緑針葉樹や、 ヒバなどのコニファ-類、シャクナゲなどを寒さから守るために巻く。 バラは四年目以降も巻くが、葉が落ちる木には不要。「むしろを早く掛け すぎると、木が蒸れカビの原因になる。昼の気温が10度以下になるころ が目安」と真鍋さん。例年、11月初旬から12月10日ごろに掛けるという。 基本の囲い方をした後、結束した竹の先端にむしろの網み目を通す。雪が 滑りやすいよう、斜めに巻き付け、縄で竹に縛り付ける。プロなら、これら の作業を1本十分程度で仕上げる。真鍋さんは「どうすれば枝折れを防げ るかを考えながら、木に合わせて囲う。春先は、気温が高くなる前にむし ろを外すのも大切」とアドバイスする。
体力に自信のない人は・・・ 専用の道具いかが
ホ-ムセンタ-などで売っている冬囲い道具を使うと便利だ。 「かんたん冬囲い」(2,480円から)が、作業の簡単さで根強い人気。 すのこのような木材を山型に組んだもので、地面にさすだけでいい。 「コンパス支柱」(998円)なら、コンパスのように2本の支柱の上部 を金具で留めているので、結束の手間が省ける。「お年寄りなど、 作業が大変な方が購入するケ-スが多い」とのことです。