はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京の国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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絵本「はらのなかのはらっぱで」

2020-06-28 12:37:45 | 鍼灸

古来、病の原因は虫によるものと考えていた時代がありました。

虫について書かれた書物の中でも、とびきりユニークで親しみやすく書かれているのが、「針聞書(はりききがき)」という書物です。

永禄11(1568)年、摂津の国に住んでいた茨木元行という人物によって書かれたとされています。針の打ち方、人体解剖図、病気の原因と考えられた想像上の虫の姿が描かれ、その虫の特徴と治療に有効な漢方薬などが記されています。
九州国立博物館に所蔵されているので、詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
 
まだ九州国立博物館行ったことがないのでいつか実際に見てみたいとは思いますが、ひとまず手元にある絵本と書籍で楽しんでいます。
特にこの絵本「はらのなかのはらっぱで」は腹の中にいて病の原因とされている虫たちが、ちょっぴり不気味だけれどかわいい姿で描かれていてお気に入りの一冊です。
冒頭の写真はカバー写真、下の写真はカバーをとった本体の写真ですが、どちらもとてもかわいいです。
裏表紙には五臓六腑のイラストが描かれています。
私たち鍼灸師にはお馴染みの絵で、個人的には現代医学の解剖図よりもしっくりくる感じで好きです。
 
九州国立博物館のサイトに虫たちについて掲載されているので、こちらをご覧ください。
 
私は鍼灸学生時代に肝虫に一目惚れしましたが、絵本のどこかにみなさんにとってのお好みの虫がきっといるはずです。ちなみに当院の患者さんで小3の女の子にこの絵本を読んでもらったところ、肺虫が一番かわいいとのことでした。


この絵本なら東洋医学の知識がなくても十分楽しめますし、読んでいるうちになんとなく東洋医学の世界観が分かってくるかもしれません。入手困難な時期がありましたが、現在九州国立博物館のオンラインショップで購入可能のようです。
 
来院予定で試しに読んでみたい方は、ぜひお声かけくださいね。
 
 
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7月の休診日

2020-06-23 09:05:00 | お知らせ
7月の休診日をHPで更新しました。
ご確認よろしくお願いします。
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アブラドウダン

2020-06-21 19:17:41 | 

花屋「森のなか」で初めてアブラドウダンを買いました。

ドウダンツツジの仲間で、ドウダンツツジよりも葉が柔らかく、質感もしっとりしている印象です。

冒頭の写真は、アブラドウダンの葉の裏側に咲いている花です。ひっそりと可愛らしい姿を楽しませてくれています。

 

玄関には毎年恒例となったスモークツリーと一緒に生けてあります。来院予定で興味のある方は、ぜひ葉の裏側をのぞいてみてくださいね。





 
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梅雨を工夫して乗り切る

2020-06-16 20:50:47 | 養生
散歩をしていると、あちこちで紫陽花を見かけます。
紫陽花が好きで庭木として植えているのかな、と思ったりします。
日本の梅雨の気候に相性が良いのも大きいのでしょうね。
 


ここ数年は、梅雨入り前に真夏日になったり、梅雨入りしたと思ったら晴れ間が続いたりと、なかなか暦通りとはいかない天候が多いです。
眠る前は蒸し暑いと感じて冷房を入れていたら、朝方寒くて目が覚めた経験がある方も少なくないと思います。
冷え性の自覚のある方は手の届くところに肌掛けをもう一枚置いておくのがおすすめです。
 
 
最近来院される患者さんの中で、お腹の不調を訴えられる方が増えています。少し前までは自粛による運動不足の影響か便秘の方が多かったのですが、今はお通じがゆるめの方が多いです。
日中気温が上昇するとつい冷たい飲み物をたくさん摂りたくなりますが、氷入りのものは極力避けた方が胃腸の働きを快適に保つことができます。同様の理由で、甘いものや脂っこいもの、お酒、生もの等を控えるようにすることも大切です。
旬の食材の中で湿(湿気)対策に良いとされるのは、トマト(消化吸収を促進する)、茗荷・紫蘇(湿を発散させる)、山椒(湿を乾燥させる)などです。
 
また、梅雨は関節痛が悪化しやすい時期でもあります。
東洋医学では、湿気は関節に溜まりやすく冷えの影響を受けやすくなると考えます。まさに梅雨時の関節痛はこれに当てはまります。腰痛であれば腹巻を、膝痛であればサポーター(履かなくなった靴下をカットしたものでも十分です)を、首辺りの違和感や痛みにはフェイスタオルや手拭いを首に掛けたら軽く巻いておくだけでも緩和できる場合があります。
 
ジメジメと湿度が高い梅雨が苦手な方は多いですが、少し工夫するだけで意外に快適に乗り切れます。
 
 
 
こちらは少し前に患者さんから頂いた紫陽花。

毎年お庭でたくさんの花を付けるそうですが、数年前から紫陽花を勝手に取っていってしまう人がいるそうです。昨年はむしり取られて無残な姿に悲しくなってしまい、今年からは咲いたら花が好きな方々に配ることにした、と話されていました。私としては頂いてとても嬉しいですが、何とも切ないお話。せっかくの美しい紫陽花をみんなが楽しめるといいな、と思いました。
 
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オンラインで勉強会

2020-06-10 20:43:06 | 鍼灸

昨年から始めた、鍼灸師の弟子仲間による症例検討会。3回目となる今回はオンラインでの開催となりました。

初めての試みであることと、オンライン上では多少タイムラグが生じて対面よりも会話しづらいことを考慮して、事前にテーマを3つ決めました。また本来であれば症例検討会として互いの臨床の話をする場ですが、今回は新型コロナウイルスに関することに絞りました。
 
まずは、今回の新型コロナウイルス感染拡大下で困ったこと、大変だったことを話しました。
来院される患者さんの減少はみな共通。特に4月は3〜4割減で新規の患者さんはほぼいない状況でした。往診においても自らが媒介とならないよう余分に上着を羽織って移動するなど、これまでにはない気配りが必要だったようです。
 
次に、感染防止対策として行ったことを報告し合いました。
鍼灸師として普段から手指消毒には気を遣っていますが、より徹底して行なう、室内の換気や消毒も十分に行なう、患者さんへの説明をこれまで以上に行なう、といった内容でした。
東洋医学が西洋医学と異なることの一つに、病気にならないよう養生するという概念があります。このような状況なので、初めて鍼灸を受けてみようと思う人はまずいないと思います。まだ東洋医学を知らない人たちにも良いところを知ってもらい、病気に罹りにくい身体作りの一環として鍼灸治療に親しみを感じてもらえるようになったらいいなとも思います。
 
 
最後に、鍼灸師として何ができるかを話し合いました。大事ではあるけれど漠然としたテーマでもあり、はっきりと結論が出たわけではありません。これだという正解があるわけでもないので、それぞれが日々の臨床の中で見つけて実践していく中で自ずと答えが出てくるのかなと思いました。
 
次回はみんなで集まれる状況になっていることを願いつつ、会を終了しました。
 
 
 
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開院9周年を迎えて

2020-06-02 21:35:57 | 鍼灸

今日6月2日で開院9周年を迎えました。

昨年・一昨年は記事を書くのを忘れましたが、今年は忘れることなく迎えることができて良かったです。
 
この一年でこんなに世の中が大きく変わることになるとは、一年前には思ってもみませんでした。
新型コロナウイルスのもたらした影響はあらゆることに及んでいます。緊急事態宣言が解除されて少しほっとしているところはあるものの、油断できない状況はこの先も続くと思われます。
 
このような状況下で鍼灸師として何ができるのか、診療を続けるかどうかを含めて葛藤しながら考える日々でした。自分の治療が東洋医学の持つ力を生かせられているといえるものなのかどうかも自問自答しました。
東洋医学は経験医学といわれています。基本となる概念を元に、先人たちが創意工夫を重ねて現代まで受け継がれている医学です。もし眉唾物だったとしたら、人々から信頼されることなく歴史上のどこかで消えてしまっていたと思います。自然環境や社会状況の変化に応じて変わってきた部分はありますが、根本的なところは変わっていません。その変わらない部分とは、人体を局所ではなく全体で診るということ。どんな症状であっても、外面的なことも内面的なこともその人の全てを診て、原因を探り治療方法を見つけ出すことができる。東洋医学の素晴らしい点であり、強みでもあります。
 
師匠をはじめとする何十年と臨床経験を積まれている先輩方にはまだ遠く及びませんが、及ばないところを認め、真摯に鍼灸と向き合うことで、確実に一歩一歩進めるようになってきたとは思います。
 
10年目もさらに精進して、少しでも患者さんへの治療に還元できるようにがんばります。
7月末には新店舗への移転が決まりました。そろそろ準備を始めるところです。
どうぞ今後ともよろしくお願いします!
 
コメント (2)
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