はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京の国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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お灸の思い出

2013-08-03 13:23:05 | 鍼灸
私の生まれ育った愛媛県では、お灸のことを「やいと」と云います。
私の地元の松山市は、昔から特にお灸が盛んな所です。
ドラッグストアにもぐさと線香のセットが売られているのも見かけたことがあります。

私の祖母は、よく自分自身でやいとをすえる人でした。
もくもくと煙を出しながら、足の裏の湧泉というツボに毎日たくさんのやいとをすえている姿を、今もはっきり覚えています。
いたずらが過ぎた孫にはお仕置きとしてやいとをすえたりもしてました。
子供は嫌がるものだけれど、それが気持ち良くて寝た子もいるくらいでした。
きっとすえ方が上手だったんでしょうね。

認知症になってからは、帰省の度に私がお灸をすえるようになりました。
「ばあちゃん、やいとすえようか?」と声をかけるとにっこり笑顔になって、足を出してくれます。
以前は、足の裏にスイカの種が付いているのかと思うような跡がついていた祖母の足の裏。
今ではすっかり痕は消えていて、白くて柔らかい足の裏になっています。
だから、もぐさの燃え方を調節しないと熱がらせてしまうので、慎重に丁寧に行うようにしています。

お灸をすえ終えると、毎回最高の笑顔でありがとう、と言ってくれる祖母。
帰省中、祖母にお灸をすえる時間はわずかな時間だけれど、私にとって、とても温かくて貴重な時間となっています。
こちらこそ、ありがとう、といつも思ってます。



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