小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

「にぎやかな落日」(朝倉かすみ著)

2024-05-08 | 読書
話題になっている「変な家」(雨穴著)をメルカリで探した。あるあるたくさん出ていて価格も大差ない。
出品されている中に四冊まとめて出されているのがあった。
「変な家」「賑やかな落日」「月の沙漠をさばさばt」「JR上野駅公園口」のとりとめのない四冊。
本屋さんの店頭では決して買わないだろう四冊。
「JR上野駅公園口」は柳美里さんの作品で今まで読む機会のなかったもの。
結構ゆるゆるした本が好みなのでもう一歩引いたけれど引きながら購入ボタンを押していた。
「変な家」は変な小説でとりあぜずどんな本かがわかった。
「にぎやかな落日」はすらすらと読めて人生の落日に思いを馳せることが出来た。
北海道で暮らす83才のヒロインの夫は特別養護老人ホームに入居している。東京の娘からは日に二度電話がある。
要介護2で糖尿悪化悪化しつつあって、医療付き老人マンションに入れられる。
痴呆がすすみつつあるが明るく朗らかで周囲からも好かれている。
何も起こらないけど少しずつ悪化していく体調。心もどんより、思い直して日記を書いたりして暮れてゆく。
老いてゆく心構えを教えてもらったような気のする一冊。
「日々の幸せと不安、人生最晩年の生活の、寂しさと諦めが静かに迫る物語」とカバーに書かれている。
しかし、自分ではこうはいきたくないと思う。一気に火の中に飛び込むようにあっちへいきたい。
そういう意味で去年の夏には逝きそこなって残念でならいと悔やんでいる。

次は「JR上野駅公園口」柳美里の著作ははじめて。なぜか、それをこの本によって解き明かされるのかな。

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