やまかブログ

小説・漫画・ゲームなどインドア系趣味感想ブログ。
傍らにある統合失調症について真面目に語ることも。

【ゲーム】イグジストアーカイヴ(PSV) プレイ日記21(完) 星の枢軸を巡る戦い

2016年01月27日 20時05分28秒 | ゲーム
 仲間を誰一人帰還させることもなく、ゼノビアが各エネルギープラントに放ったシャサールの精鋭は退けることが出来た。しかし、アマツメの機能を司る紫の動力炉は爆破されてしまった。他のプラントは囮に過ぎず、ゼノビアの狙いは最初からアマツメの動きを止めることにあった。
 残るシャサールの軍勢、及びカガトを引き連れ、アマツメの塔に乗り込んでいくゼノビア。
 惑星プロトレクサと魂を司るシステムを巡る戦いは、いよいよ終曲を迎えようとしていた。


【第12章/終曲の刻】

 システムを止められたアマツメは眠りにつき、存在結晶の献上や仲間たちの地球への帰還は不可能となった。アイテムの変換と生成は出来る模様。
 多少レベル上げを試み、塔へ向かう。

 ○ 星の枢軸 → 塔の中枢へ(推奨LV100~)
   カナタ LV108、レン LV108、光秀 LV116、ユイ LV115

 いよいよラストダンジョンとなる。
 アマツメや存在結晶の生成など、あらゆる星のシステムを管理する、レディウムシステムの中枢、そこにゼノビアは待ち受けるという。塔の天辺を目指し、駆け上がっていく。
 他のダンジョンに比べるとやや広めである。数秒乗っていると消える足場、動く足場を上手く移動、スイッチを扱い、通れないバリアを消して先に進む。

 途中、12人目の魂保持者・冥寺 僂人が再び立ちはだかる。
 「君たちと戦っていると色々なモノが生まれる」
 生まれつき感情の無いカガトは、ヤマトガのチカラの恩恵、そしてカナタ達との交戦を経ることで、自分の中に様々な感情が生まれてくることに気付いた。戦いの中で生じる恐怖、感情を得る喜びを感じながら、戦いを挑んでくる。

 VS カガト (HP 197025)
 ゼノビアのチカラを受け取り、以前戦った時よりはパラメータが上昇している。
 しかし、基本的な動きは変わらないので、接近攻撃に対するカウンターに注意しつつ、こちらは『明鏡の見切り』スキルで相手の攻撃をキャンセルすべく迎撃の構えをとる。

 戦闘後、カガトは戦いにより疲弊し、倒れ込む。
 魂が全て揃ったとのヤマトガのつぶやきに、ヤマトガ達の思い通りになるのは癪(しゃく)だ、と身をくらませる。悔しがるヤマトガ。いちいち言わなければ良いのに……。

 更に先へ。
 塔の頂上、レディウムシステムの前でゼノビアと対峙する。
 眷属は滅びの道を辿っており、見捨てるわけにはいかない。カナタが黒い存在結晶を与えていれば、事はもっとスムーズに運んだ。アマツメの起動時間まで立っていられればカナタ達の勝ちだと、最後の戦いを挑んでくる。やはり黒い存在結晶はストーリーの分岐に関わるか。相手にとって不足なし。いっちょ、やるよ!

 VS ゼノビア (HP 167500)
 デフォルメキャラとの、まずは前哨戦。
 「ゼノ・プラズマ」など、HPマックスから3桁まで削られる強力な攻撃もあり、油断は禁物。カガトよりはHPが低いので集中攻撃で倒す。ハーフガードをつけていないので、魔法攻撃はノーガードにし、APを稼ぐ。
 HP 0にすると、真の姿を表す……想定内だ!

 VS ゼノビア
   腹部:HP 58000、右腕リング:HP 35000、左腕リング HP 35000
 まずは下位の各パーツを破壊。腕は4本あるが、とりあえず狙えるのは2本。
 どれか一つ破壊するとダウンを奪え、上半身へ移行していくようだ。

   胸部:HP 53000、右腕リング:HP 38000、左腕リング:HP 38000
   右肩:HP 42000、左肩:HP 42000
 各パーツ破壊による恩恵、効果は不明。胸部を破壊すると本体HPが露出する。
 数ターン経つとまた下位に移行する。下位のパーツを全て破壊するとしなくなると思われる。
 ゼノ・ポリューシオ(縦軸ブレス/麻痺効果)やゼノ・プラズマが痛い。
 ジャマーでステータスを下げておくのも手。
 本体HP:317060、果てしない戦いが予期されるが、下位に戻っての攻撃軟化やパーツ破壊によるダウンで、チャンスは何回かある。一斉攻撃や回復、立て直しを図ろう。


 撃破後、アマツメが再起動を果たす。
 逃げ出すチャンスはあったはずなのに、なぜ逃げなかったのかとゼノビアに問うアマツメ。ヤマトガへの想いをほのめかしながら、結果的にはヤマトガも自分もカナタという若者に負けたのだと答えるゼノビア。死を受け入れながら、カガトはヤマトガの思い出として連れて行こうとする。アマツメが復活したことでシステムに仕込まれたトラップが発動。ゼノビアとカガトの姿はかき消えていた……。

 ゼノビアとカガトはレディウムシステムによって、魂が転生し、他の誰かとして生まれ変わったのだろうか?
 アマツメはヤマトガに二人の行方が気になるかと訊く。興味を示さないヤマトガ。
 辺境の小さな星、文明レベルはここより低く、争いも絶えない。しかし、確かな未来のある場所に二人を送り届けた。もう、ヤマトガの魂が揃うことはないと、アマツメは言う。


 戦いが終わり、地球へ帰還の時。
 帰還させなかった仲間から一言ずつメッセージをもらいながら送還していく。
 カナタが最も好感を持つ仲間が最後に特別な会話があるようだ。セオリーから言えばランゼかまゆらかと言ったところだろうが、結局、光秀に。銃が強すぎだったから。
 光秀から相棒認定を受け、共に地球へ帰還!

 エンディングはアニメーションで。
 仲間たちと再開。キリヤの顔がダウナー系というより、スッカリ気落ちしたかのような表情で何事かと思ったが、単に上手くないだけか。うーん。
 まゆらだけの姿はなく。
 事故が起きた病院へ向かうと、寝たきりで植物状態と思われるまゆらがベッドに横たわる。格好(裸足が特に)や雰囲気、存在結晶からそれと察せられはしたけどね。
 地球に戻したのは間違いだったのかと後悔するカナタに、ヤマトガが、お前たちには不死の呪いがかかっている。死にたくても、死ねない、とささやく。激昂するカナタだが、死の呪いによる副作用には何があったのか……。

 その時、まゆらが静かに目を開き、カナタの名前を呼んだ。


 61時間09分03秒でクリア。
 クリアデータをロードすると隠しダンジョンが解放。ほか、各フリーダンジョンの上級クエストも追加に。
 強くてニューゲームもプラスされた。
 隠しダンジョンでは番外編のシナリオが展開されるようだ。
 プレイ日記はひとまず終了! 後日、総括的なゲームレビューを上げたい。

 何とか最後までこれました。
 読んで下さった方、どうもありがとうございました。

【小説】女が、さむらい (風野 真知雄/角川文庫) 感想

2016年01月25日 18時08分30秒 | 読書感想
 風野 真知雄、時代小説新シリーズ。
 「妻は、くノ一」、「若さま同心 徳川竜之助」など、多数の人気シリーズを抱える作家。氏の作品は、「この時代小説がすごい! 2016年版」で第2位になった「くノ一秘録」を読んでいたのだけど、どうも続刊が出るのが滞っているようだ。このランキングを受け、こちらのシリーズの再始動も期待している。

 「女が、さむらい」新たなシリーズ物。「妻は、くノ一」に呼応する形のタイトル。
 時代小説は様々な作家がシリーズ物で出版されているが、この手合いの作品は大人向け、さらに突っ込んで言えばおっさん、いや、ご高齢向けのライトノベルだと思っている。題材が題材なだけにベテラン作家が多いのだが、ライトノベルよりは文章がよく省かれており、読みやすい。割り切った感があるというか、若さ故に無駄に飾り立てたゴテゴテの文とは違う。本来、ライトノベルというのは、身軽さを有した文体でなければならないそれこそが最大の武器であると思う。

 主人公の秋月 七緒(あきづき ななお)は、千葉 周作の道場に通う女剣士。女性でありながら、300人の門弟を抱える千葉道場で筆頭の腕前を持つ。この頃、男性が弱くなり、女性が強くなったという現代的な風潮を、幕末の時代に持ち込んでいる。小さな飲み屋の女将に懸想する周作に、このような若者への憂いと共に、代わりにジジイが頑張らねば、と口にさせるところに、おっさんのライトノベルという感じをぷんぷん匂わせる辺り、需要と供給を感じ、ちょっと笑ってしまう。
 七緒の縁談で席で起こった強盗事件から、幕府も絡んだ、妖刀村正を巡る騒動が展開されていく。妖しい魅力を放つ村正シリーズの刀 VS 対存在として主人公が手にする正宗、なんて構図も出来上がり、楽しい。いくつになっても男の子は刀が好きなものだろう。
 七緒を取り巻く、個性的な登場人物も上手く配置されている。七緒のファンクラブ会長であり、家柄から七緒の婚約者の座を射止めた、薩摩藩の国分 又八郎(こくぶん またはちろう)や、変わった武器を追い求める江戸のイケメン音曲師、緋桜 錦之丞(ひざくら きんのじょう)、七緒のライバルとして立ちはだかりそうな女刀狩り、小嶋 ゆみ江(こじま ゆみえ)など、今後シリーズで活躍が期待される。そして、事件で出会った幕府お庭番、猫神 創四郎と七緒の恋の始まり、行方を期待させるところで、プロローグとしての第1巻が締められている。

 新シリーズ開始として手堅くまとめられた一冊。実験的な部分は少ないが、妖刀に秘められた不思議なチカラという浪漫もある。まず完結まで続くだろうという安心した見込みをさせてもらい、続刊を楽しみにしている。

 実験的過ぎる「くノ一秘録」も、そこを何とか……という次第(レーベルが違うけど)。

【ゲーム】イグジストアーカイヴ(PSV) プレイ日記20 グランバルナスの侵攻

2016年01月24日 18時46分27秒 | ゲーム
 ゼノビアが、各地のエネルギープラントに送ってきたシャサールの精鋭を何とか撃破し、さらに12人目の魂保持者・カガトも退けることに成功。カナタ達と同じくヤマトガの魂を宿した恩恵を得ているが、戦いの最中、カガトを殺せる予感を持ち得たカナタ。ヤマトガの本体を宿すカナタがその気になれば、カガトを殺すことは可能だと言うが……?
 今回は、ついにシャサール侵攻の最終戦に突入する。


 ○ 名も無き花が群生する丘 → 『名も無き花が群生する丘にて』

 決戦前の息抜きイベント。
 花が咲き誇る丘で、ひとり休息しているカナタのもとに、まゆらがやってくる。
 最近、一人で深刻な顔をしているカナタを心配するまゆら。
 そこに花畑が目に止まりやってきたランゼが合流。一触即発、と思いきや、謝って走り去って行くまゆら。さらに誤解を招くような。プレイヤーの不安をよそに、何故謝って去るのか首を傾げるランゼ。そこへカナタが、ここはまゆらと初めて会った場所だと臆面もなく抜かす。さすがのランゼもこれにはピキッときたか「お邪魔だったかしら」とチクリ。いいぞ。気が利かなくてマイペースなカナタを叱咤。ランゼは空気を読み過ぎると言い合いに。いけいけ。「貴方の前ではそんなことはない」違うだろランゼ。デレるな。コハルが待ってるから戻ろうというランゼの誘いに、カナタは走り去ったまゆらを心配し後を追いかける。しかし、何だかんだでカナタを許すランゼであった。
 ふーん。……爆発しろ!


 ○ 紫の結晶動力炉 → 『グランバルナスの侵攻』(推奨LV95~)
   カナタ LV98、レン LV98、光秀 LV106、ユイ LV104

 気を取り直し(!)、最後の動力炉防衛戦へ。
 最奥ではグランデュークの同タイプのシャサールが待ちかまえている。予算が……(察し)。

 VS ゼラル・グランバルナス (本体装甲 HP25000 / 右手甲 HP19600 / 左盾上部 HP10020)
   ヴォルグ (HP10665) ×6

 何はなくともペットの犬を蹴散らす。グランデュークに比べると若干パラメータが上がったぐらいだが、部下を後方に置き戦った彼とは逆に、ペットを盾にする非道さ。許せぬ。セオリー通り、盾を破壊。本体装甲を壊すと本体HPが露出(150000ぐらい?)。『明鏡の見切り』でキャンセルさせつつ地道に攻撃。たぶん、毒殺も可能。

 戦闘後。
 後方に待ちかまえていたゼノビアと対峙。「ひとまずアマツメをシステムから切り離す。そうすれば全ては思いのまま」プラントを爆発させるゼノビア。アマツメの機能が停止。ここ、紫の動力炉がアマツメの命脈。他は囮だったらしい。うーん、この後手後手感。

 ここに来てアニメムービー挿入。
 シャサールの軍勢を、アマツメの塔に向かわせ、制圧を指示するゼノビア。傍らには埃にまみれたカガトの姿。

 膝を付くカガト。不死のはずなのに、傷の治りが遅いことに不審を抱くカガト。
 カナタは唯一、お前を殺せる存在と示唆するゼノビア。初めて味わう“恐怖”という感情に笑いを抑えきれないカガト、「あいつらにまた会いたい」と心情を吐露する。ゼノビアはカガトに自身の力を分け与え、タワーの中央付近でカナタらを待ち受けるよう命じる。


 第11章、終了。53時間33分31秒。レベル上げ&ラーニングにかなり時間を費やしてしまった模様。お陰で誰も帰還させずに済んだけど、これが吉と出るか、凶と出るか。
 次回は第12章 終曲の刻。ついに最終決戦に突入か。

【ゲーム】イグジストアーカイヴ(PSV) プレイ日記19 12人目の魂保持者

2016年01月23日 18時04分39秒 | ゲーム
 本格的に侵攻を開始したシャサールの精鋭との対決。
 初戦に精鋭でもトップクラスの実力を持つグランマキアを何とか退け、続くグランデュークも何とか撃破。3番手に戦ったジェリコビスコは先の二人に比べ数段格下であった。残る精鋭もグランマキアに劣るか、どうか。


 ○ 白の結晶動力炉 → 『12人目の魂保持者』(推奨LV88~)
   カナタ LV98、レン LV98、光秀 LV105、ユイ LV103

 若干トリッキーな行程を踏むダンジョンを攻略。まずは様子見でボスの実力を把握するため、道中の敵はスルー。負けたらロードしペナルティーを回避する。
 最奥で12人目の魂保持者、冥寺 僂人(みょうじ かがと)と対峙。従来であれば『~人目の魂保持者』というクエスト名は仲間キャラが加入してきたが。

 何故、シャサールの側に付いたのか? カナタの問いに、地球に帰ったところで檻の中、努力の甲斐もない、と答えになっていないような答えを返すカガト。結局のところは、アマツメが嫌いという感情論に落ち着く。生まれつき感情のないカガトが出した答えというところに面白みがある。
 カナタはカガトを強制的に地球に転送しようと試みる。なかなか大胆だけど、そんなこと出来たっけ。アマツメにはまだ決断を伝えていないんだけど。
 存在結晶を入手していなければ無理だとヤマトガ。
 カナタの行為に、カガトが敵として認め、襲ってくる。

 VS カガト (HP 187050)
 カガト一人だが、大剣と銃を使ってくる、なかなかの強敵。油断していると連続攻撃を食らって蒸発してしまうので、『明鏡の見切り』などで攻撃をキャンセルさせたい。
 とはいえ、初見のグランマキアのようなムチャクチャさや、グランデュークのようなトリッキーな装甲で固めていることもないので、慌てず対処すれば撃破可能。

 戦闘後、逃走を図るカガト。
 カガトと戦う中で、不死のハズのカガトを殺すことが出来ると察したカナタ。
 不死を司るチカラはヤマトガの本体の魂と同化することでカナタにも備わり、カナタが明確な殺意を持ってさえすれば、殺すことは可能。しかし、今のカナタに出来るか? とのヤマトガの問い。やはり、カナタはそこまで割り切ることは出来ないようだ。あるいはキリヤにそのチカラが備わっていれば……。


 ○ 黄の結晶動力炉 → 『グラマダミアの侵攻』(推奨LV90~)
   カナタ LV98、レン LV98、光秀 LV105、ユイ LV104

 ダンジョンにどんなボスが待ち受けているかは、行ってみないとわからないけど、グラマ何とか系は、ランゼの登場シーンで何の因縁か、「グラマーですって? あなたが?」てケチをつけていた事から想像がつく名前である。
 ウニサークルの姫とはよく言ったもので、作中でも屈指の邪魔なザコ、とげとげ野郎に取り巻かれている。

 VS ゼラル・グラマダミア (HP 126076)
   ゼルラ (HP 7146) ×6

 ウニはエア・グラビティで集め、光秀の攻撃で一掃。召喚対策でグリード・ゲージは確保しておく。
 グラマダミアはストーム・マギの魔法を使ってくる。
 『明鏡の見切り』から派生する『復讐の魔弾』をつけておくと、多段攻撃をキャンセル出来る。マジック・ガードでも良い。
 特に苦労することもなく撃破。精鋭の力量差が激しい。


 次回は激戦の最中で一時の休息イベント&エネルギープラント防衛最終戦に突入。
 そして物語は最終章へーー?


【ゲーム】イグジストアーカイヴ(PSV) プレイ日記18 グランデュークの侵攻

2016年01月22日 18時00分19秒 | ゲーム
 ゼノビアが本格侵攻を開始。プロトレクサ各地に点在するエネルギープラントへ、自身の眷属でもチカラのある精鋭を向かわせる。精鋭の中でもトップクラスの実力を持つというグランマキアを毒殺せしめ、地球人が持つ残虐性を遺憾なく発揮してみせたカナタたち。ランゼの存在結晶を回収しつつ、激化する戦いを想定し、攻め込まれたプラントを尻目に、特訓を続けるのであった……。

 グランマキアが予想以上に強かったことと、仲間を帰還させる前に、主要なスキルをラーニングさせるため、しばしダンジョンでレベル上げ&感情度上げに勤しんでいた。
 順番としては朱雀、なめろう、レンで第一陣として帰還させようとしていた。
 回復・防御・攻撃と、クラスを上げればそのバランスの良さに気づくフリーズ・マギを仲間に継承しようと画策。しかし感情度上げがなかなか上手くいかず、レベルだけがみるみる上がっていく。10レベル以上上がってしまったので、スキルも色々揃ってしまった。
 もしかして、もうスムーズに攻略できてしまうのでは。
 以前、試しに戦い、派手に負けたシャサールとの再戦に挑む。

 ○ 翠の結晶動力炉 → 『グランデュークの侵攻』(推奨LV80~)
   カナタ LV96、レン LV95、光秀 LV103、ユイ LV101

 最奥でグランデュークと対峙。
 ゼノビア様の眷属である我らの中で頂点に最も近い屈強な戦士、グランマキアが敗れるとは! と皆まで説明し、驚いてくれるグランデューク。誇り高き戦士を毒殺したカナタたちよりはよほど良い奴かも?

 VS グランデューク (ボディ装甲 HP22000/右手甲 HP16000/左盾上部 HP9800→下部 HP10200)
   カサンドール (HP20968)

 魔法しか効かない盾を構え、部下を後方に布陣させ守護る上司の鏡。
 まずは盾上部を魔法で破壊。下部が剥き出しに。ここからは光秀の銃でゴリゴリ削る。ゲージが溜まり次第、デモンズ・グリードをぶっ放す。そうこうしている内にカサンドールは昇天。身ぐるみ引っ剥がすと本体のHPが露わに。135000ぐらいか。
 装甲を全て剥がれてからはカナタも参戦。カウンターが無いので安心。
 グランマキアに次ぐ強さ。ユイが覚えてラーニングさせた『明鏡の見切り』スキルが大活躍。敵の攻撃をタイミングよくガードすると、続く行動をキャンセル出来る。アホみたいな連続攻撃を執拗に放ってくる奴には最適。
 今回は紳士然としたデューク閣下に敬意を表し、毒は使わないで撃破してあげた。


○ 蒼の結晶動力炉 → 『ジェリコビスコの侵攻』(推奨LV82~)
  カナタ LV98、レン LV97、光秀 LV105、ユイ LV103

 グランデュークを正々堂々、撃破できたことに気を良くし、次なるシャサールの精鋭にも喧嘩を売りにいく。思いもかけず、レンを加入させてしまっているが、フリーズ・マギが優秀なのだ。
 最奥でジェリコビスコと対峙。人形みたいなアイツ。ゼノビアがベッドで一緒に寝るために作ったんじゃないか? 特に会話もなく戦闘へ。

 VS ゼラル・ジェリコビスコ (HP123000ほど)(帽子 HP23000/髪 HP16000×2/ボンボン HP5200×2)
   ロティスリール×7 (HP11166)

 帽子を壊すと本体HPが露出。頭についた二つのボンボンが今までのタイプに無かったもの。しかし検証する前に容易く破壊してしまったので意味は不明。
 従来通りロティスリールを蹴散らす。召喚をしてくるので、いつでもデモンズ・グリードで一掃できるようにしておく。グランマキアやグランデュークに比べると数段実力が落ちる。ゲームバランスが変なことになってるが、仲間を帰還させようとバイアスをかけているんだなと察する。思惑は上手くいかない。歪な感じがゲームの出来を静かに物語っちゃってるな……。

 戦闘後。
 もしも自分がヤマトガの魂を12個全て手に入れたら……。思い悩むカナタに、それが俺の望みと促すヤマトガ。しかし、最後の一人、カガトの魂を入手するのは手こずるだろう、とも。もし12個の魂を手に入れたら、自分の身体、魂、そしてヤマトガはどうなるのか、と疑問を口にするカナタに、さてね、としらばっくれるヤマトガ。ここまで来たら、帰還させることは考えてないけど。

 レベルが上がって膠着状態もブレイクスルー?
 このままラストまでサクサク行きたいね。
 次回は、『12人目の魂保持者』攻略。ついにカガトが……?!

  

【ゲーム】イグジストアーカイヴ(PSV) プレイ日記17 神河 蘭世の存在結晶

2016年01月17日 16時51分16秒 | ゲーム
 シャサールの本格侵攻を前に、カナタが今後の行動について決断を下す。
 自分一人が残り、皆を地球に帰すか? それとも、いましばらくは決断を保留するか、あるいは、皆を残し、自分一人が地球に帰る(!)か……。三番目を選ぶのは相当なひねくれ者として、優柔不断な私はまだ方法はあるのかも、と一旦、保留することに。
 シャサールの精鋭が一人、グランマキア戦では、今までのシャサールとは段違いの強さを味わい、しかし何とかこれを撃破。
 この先、誰も地球に帰すことなく戦い抜けるだろうか。

 一抹の不安を抱きつつ、ここにきて、いよいよ神河 蘭世に、存在結晶のささやきが聞こえてくるように。


 ○ 惑わす薄霧の森 → 『神河 蘭世の存在結晶』(推奨LV75~)
   カナタ LV81、レン LV78、光秀 LV86、ユイ LV84

 前回のクエストより推奨レベルが低い……。あまり当てにならなくなってきたけど。

 居住区の一部屋、ランゼが、雨が降ってきたと独り言。外を眺めるコハルは、雨なんか降ってない、晴れだよと指摘。幼少の頃のカナタと自分の会話が聞こえ、思い出し笑いをするランゼ。

 惑わす森ということで、しばらく同じマップを出たり入ったりする。
 しかし、カナタとランゼの会話イベント挿入で進行していることはわかる。
 ある程度繰り返すと、変わった色の蝶がいることに気がつく。以降は、この色が変わる蝶を目印に道を進むと良い。
 最奥へ行くと、結晶化したドラゴンが。これが自分の存在結晶?! と驚くランゼだったが、近くに皆と同じ形の存在結晶があるのを発見。この惑星の全ての生命は存在結晶から生まれる。アマツメの言葉を思いだし、口にするカナタ。ということは……。
 振り返ると、結晶から生まれたドラゴンが襲いかかってくる。

 VS アルフ・ボルティクス (HP 111500)
   ヴォルニス ×5 (HP 9320)

 ザコは蹴散らす。
 ドラゴンは、ブレス、突き上げ、魔法攻撃力UPなど使用してくるが、グランマキアを退けたパーティーなら楽勝。

 撃破後、帰りもまたあの迷路を通ると思うとウンザリする、と珍しく弱音を吐くカナタ。リーダーである貴方がそんなことを言っては士気に差し障る、とランゼがたしなめる。
 存在結晶に触れると、問題の台詞が再び聞こえてくる。
 「貴方と一緒に死ぬのは……嫌」
 自分の言葉に対し、違う、言葉が足りていないと反駁するランゼ。
 「今の……貴方と一緒に死ぬなんて……嫌」真意を乗せた言葉を頭の中で言う。
 そして、今の貴方と一緒なら、どうだろうと考え出す。

 地球にいた頃のカナタは生涯を共にする伴侶として認められなかったということか。
 希望的観測で言えば、あなた100まで私ゃ99までの精神かと思っていた。

 『蘭世の存在結晶』を回収。
 アマツメに捧げると、「あなたに会いたかった」とお熱い言葉をカナタに投げかけてくれる。ストレートな物言いに、柄にもなく照れるカナタ。これにはヤマトガも苦笑い。同時に、イケ好かねェ女、とアマツメを罵る。アマツメは、人の心を通し、ヤマトガに対する解釈もまた変わりつつあると。また、人の心に触れることで、己の罪深さに気がついた、とお詫びを入れてくる。
 人の心を知ることが強みとなるか、あるいはつけこまれる弱みとなるか。

 次回はさらにシャサールの新手と対峙。
 戦いが激化していくよー。何人か地球へ帰還させるべきか、悩みどころだ。

【ゲーム】イグジストアーカイヴ(PSV) プレイ日記16 対グランマキア戦

2016年01月16日 17時59分38秒 | ゲーム
 冥寺 閻美の存在結晶を回収。
 共に地球へ帰るには一筋縄で行かなそうなエマの兄、カガトの人となりを目の当たりに。

 今回は物語の結末を左右すると思われるカナタの決断、そして、遂に本格始動するゼノビアの眷属でも精鋭のシャサールと対峙する。

 ○ アマツメの間 → 遼の決断

 シャサールの侵攻まで、もう大した時間は残されていない。
 皆に分断されたヤマトガの魂を自身に集めればアマツメにとっては大きな戦力になると考えるカナタ。ヤマトガは、自分にとっても良い提案だが、それだと、カナタだけは地球に帰れないと指摘する。
 カナタが取るべき決断は……。

  → 自分が残り、みんなを帰す
  → 決断を保留する
  → 一人で地球に帰る

 三番目の選択肢が突飛過ぎる発想。
 とりあえず決断は保留にしておく。

 ヤマトガが十二人目の魂保持者の気配を感知。アマツメの間にいるという。

 急いでアマツメの間に駆けつけると、ほどなく冥寺 僂人が来訪。カナタに聞きたいことがあると声を掛けてくる。カガトの中に何かが芽生え、それが酷く自分を混乱させているのだという。感情だとカナタの指摘。アマツメを女神と呼び、貴女がやったのかと詰め寄ると、大剣を顕現させるカガト。カナタもまた大剣を顕現させ、阻止しようとする。カガトは、アマツメは自分たちをこんな目に遭わせた張本人だといい、カナタに共闘を促す。危険を察したアマツメ、即座にカガトを排除、どこかへ転移させる。危機は去ったが、ヤマトガは悔しそうな声をあげる……。

 【第11章/シャサール侵攻】

 ○ 朱の結晶動力炉 → 『グランマキアの侵攻』(推奨LV78~)
   カナタ LV81、レン LV78、光秀 LV86、ユイ LV84

 アマツメ曰く、シャサールは各地のエネルギー・プラントの所在を突き止めたとのこと。シャサールにプラントを占拠、制圧されると、星の機能が部分的に麻痺する。施設の数は多く、今のカナタ達では守りきれない。エネルギーの供給を断ち、アマツメの機能が失われた時、ゼノビアは中枢部に侵入してくる。それをカナタ達に阻止してもらいたい。アマツメの頼みの言葉にヤマトガが反論、今のカナタには荷が重い。シャサールの精鋭はケタが違うと。

 やってみなけりゃわかんねえっ!
 勢い込んで動力炉の最奥ではグランマキアと対峙。
 
 VS グランマキア HP158750 剣×2 HP35000
   バンダーイェーガ HP16020

 ザコはともかく、グランマキアが大問題。アホみたいに剣を振るってくる。
 何回か負けている。いろいろ模索。
 敗北後、アマツメの間に行くと仲間帰還により、残された仲間のパラメータ上昇が出来るようになる。とりあえず最終手段として温存。
 多少レベル上げをし、レンの防御力アップ&回復魔法、ユイの回復魔法でガチガチに固める。
 何か良い手はないか負け戦確定時にいろいろ試す。敵を状態異常にするアイテム。麻痺は効果なし? 毒はかなり高確率で効く。1ターンに20000弱ダメージ。これが3ターン。いいぞ。
 あとは手堅い守りを重視し、毒がまわるのを待つ。勝利! いいのか、こんなんで。

 あまりの敵の強さと、これまで培ってきたノウハウを否定するが如き、アイテムによる毒殺。勝てば良いのか?

 今後の展開と、あまりにピーキーな戦闘バランスに不安を覚えつつ、次回はいよいよ蘭世の存在結晶を回収。「貴方と一緒に死ぬのは……嫌」婚約者のカナタに放った衝撃的な台詞、その真意がただされる?

【小説】おとめの流儀。 (小嶋 陽太郎/ポプラ社) 感想

2016年01月15日 17時35分24秒 | 読書感想
 中学校のなぎなた部を舞台にした小説。
 漫画『あさひなぐ』でなぎなたに興味を持っていることと、表紙のイラストに惹かれ手に取る。出版社を目にし、少し躊躇(ちゅうちょ)してしまったが(水嶋 ヒロの『KAGEROU』をお忘れか)。
 作者の小嶋 陽太郎は現役の大学生。第16回 ボイルドエッグズ新人賞 『気障でけっこうです』でデビュー。本作は3作目となる。

 主人公のさと子は母親と二人暮らし。ちょっと抜けている母に代わって、朝ご飯を準備したり、買い物へ行ったりと、中学生ながらしっかり者だ。
 さと子が新しく入学した中学校には、県下でも珍しい「なぎなた部」がある学校だった。小学生の頃から道場でなぎなたを習っていたさと子は心機一転、道場へ通うのを辞め、部活一筋でなぎなたに取り組むことを決意し、勇躍、なぎなた部へ訪問。しかし、道場でさと子を待ち受けていたのは、中学2年の女子が一人で切り盛りする、廃部寸前のクラブであった。

 全体的にソツがなく、なぎなたの魅力やキャラクター、人物の成長が良く描けている。さと子のお母さんがちょくちょく買ってくるキノコや、さと子が悩んだり煮詰まったりする時に動かす、片足を引きずったゼンマイロボットなど、物語に出てくる小物の利かせかたも、良いんだよね。
 ただ者ではない物腰である部長の朝子さんや、さと子の相談に乗ってくれる、公園のホームレス(ふう)おじさんなど、それぞれのキャラクターに見せ場がある。自分の戦い方を探り当て、見定めていくことで、一歩前進するさと子。武道だけでなく、いずれ社会に出た時にも必要な考え方だ。

 上手くまとまった作品だけど、この作者ならではの「これ!」という思いはあまり伝わらなかった。なぎなた、やったことあるのかな。中高生向けだから、とは言いたくないけど、もう一歩踏み込んだ何か、作者独自の視線や特徴が見たかった。
 デビュー作の方に、それが多く込められているようではあるので、文庫になったら読んでみたい。

【小説】犬の心臓・運命の卵 (ミハイル・ブルガーコフ/新潮文庫) 感想

2016年01月14日 17時30分47秒 | 読書感想
 新潮文庫の Star Classics 名作新訳コレクションより。
 上記のシリーズは前からよく手にとっていた。
 書店で見かけ、一癖ありそうな表紙イラストと、1ページ目、犬の一人称から始まる、ただ事ではない様相から強く興味を惹かれた。
 ミハイル・ブルガーコフはロシアの作家で、ソ連体制の折、体制批判を込めた作品を世に出し、発禁処分を受けていたそうである。学生時代、ドストエフスキーやトルストイといったロシアの文学作品を読んでいたが、氏のことは全く知らなかった。
 本作では『犬の心臓』、『運命の卵』の二つの中編を収録している。


 『犬の心臓』

 犬の一人称が特徴的な作品。
 野良犬のコロが、町医者を営む男、プレオブラジェンスキーの手術によって、ヒト脳下垂体と睾丸とを移植され、犬から徐々にヒトの姿に変容。世間に騒動を巻き起こす。
 当時のソビエト連邦や共産主義についての知識が無いと、何を戯画化しているかはなかなか掴みづらい。脳下垂体と睾丸の持ち主であったクリムは前科二犯、札付きの子悪党であった。プレオブラジェンスキーの度重なる教化にも関わらず、コロはこのクリムに似た性格を持ち始める。これが何を意味するのか、巻末でしっかり解説してくれる点がありがたい。
 脳と睾丸を移植する突飛な発想、手術の際の、儀式めいた異様さ、そして創り出された新人類が制御仕切れなくなる点など、『フランケンシュタイン』に似たホラー小説としての楽しみもある。そして、単なるホラーだけでない深みがある点も同様だ。


 『運命の卵』

 モスクワ動物学研究所所長を勤める、動物学教授のペルシコフ博士。
 ある日、博士は顕微鏡の調節によって、虹色の光の束が生じることを発見する。その光の束の中で見出された、一際目立つ赤い光線。この赤い光線には、生き物の繁殖力を異常活性させる効力があることが判明する。
 生命の進化を左右するような大発見にソ連国内は沸き上がり、同時に混乱をもたらす。
 農場長に任命されたアレクサンドル・ロックの登場、そして、彼がもたらした手違いにより、異常なる進化を遂げ、巨大化したアナコンダが大量発生し、人々を食い荒らす大事件に発展していく。

 SFのような設定と、例のB級映画を彷彿とさせる、パニックものとしての楽しさがまず表面にあるのが魅力的である。そうして、内容を吟味していくと、ソ連体制への批判が込められていることに気がつく。


 ソ連、共産主義、ロシアの成り立ち等の知識が無いと、なかなか深く読むことは難しい。物語自体の面白さもあるが、親切な解説が収録されているおかげで、一歩踏み込んだ理解が出来、助かった。

【小説】AID 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (内藤 了/角川ホラー文庫) 感想

2016年01月13日 18時07分13秒 | 読書感想
 第21回 日本ホラー小説大賞 読者賞に輝いた『藤堂比奈子』シリーズ第3弾。
 自身の手帳に書き付けたイラスト(あまり上手くない)から膨大な記憶を連鎖的に引きずり出すことが出来る能力を持つ主人公の藤堂 比奈子(とうどう ひなこ)。しかし、それ以外は身体能力が高いわけでもなく、捜査能力も、他の警察小説でバリバリ働く女性刑事に比べると若干見劣りするのは否めない。容姿だって……そこは現実味があると言っておこう。
 比奈子が所属する猟奇犯罪捜査班は、そんな普通の刑事たちが、普通じゃない犯罪者に立ち向かう、新しい警察小説だ。

 腐乱自殺死体の爆発。ネットに上がった『周期ゼミ』と名付けられた、死体が腐乱していく様子を撮影した動画。さらに、それを皮切りにして次々に発生する自殺事件。
 捜査に乗り出した猟奇犯罪捜査班は、自殺志願者が集うサイトが事件を結ぶ共通点になっていることを突き止める。そして、自殺サイトの背後に見え隠れする「AID」なる存在ーー。

 過去2作に比べると、猟奇的な部分は少なく、むしろ叙情的な部分が高まっているように感じる。それはそれでいいのだが、1作目で見られた、ややSFチックな眉唾みたいな設定がホラーあるいは新しい刑事小説として落とし込んでいる部分があったのだけど、作品が進むごとに、その特色が薄れていってる気がする。反面、登場人物たちの個性や魅力は巻を重ねるごとに上がっており、本作においては、捜査の中で出会った自殺志願者の女性に、比奈子が体当たりで阻止するシーンが見事だ。恥も外聞も無く街中でその女性にしがみつき、死なないで! って、女性にも、通りすがりの人までにも必死に訴えかける姿。自分だけではどうにもならず、周りに助けを求める、情けないその姿。何度言ったらわかるんだろう。カッコ悪いんだって、そういうのはさ。もっとスマートに説得することは出来ないもんかね。けれどこれが真の姿、生きるってことの本当の形。とりすまして語ってみせても、どん底にいる相手には届かない。そして、誰かが手を差し伸べてくれれば。
 そうはいかないのが現実だが、作中では声をかけてくれる人が登場。
 前作からその存在が表されていた、鑑識課は三木の恋人、“麗華どの”が姿を表し、自殺志願者を食い止めようとする比奈子の協力者になってくれる。かなり濃ゆいキャラクターで、見せ場もアリ。
 他にも、鑑識課に新たに配属された月岡 真紀や、愛車のバイクに「忍」と名付けるイケメン刑事、倉島といった、レギュラーメンバー昇格も伺えそうな個性を持ったキャラが出揃ってきている。
 今後の猟奇犯罪捜査班の強化、そして活躍が楽しみだ。

 次巻は、今月の下旬に発売。精力的に作品を刊行してくれるのが嬉しい。

 

【ゲーム】イグジストアーカイヴ(PSV) プレイ日記15 冥寺 閻美の存在結晶

2016年01月12日 17時52分56秒 | ゲーム
 霧谷の宿敵、カガトに刃物で刺された、カガトの双子の妹、冥寺 閻美(みょうじ えま)。
 ヤマトガのチカラによって死に至ることはなく、さらには、そのチカラの恩恵により、地球にいた時には見えなかった右目が見えるようになった。
 妹を刺し殺し、ゼノビアのもとへ向かったカガトの思惑とは何か。

 新たに仲間になったエマの存在結晶の回収を目指す。
 しかし、その前に、ゼノビアがカナタに宣戦布告とも言える言葉を告げに来るのだった。

○ 断層の洞穴 → 『来訪』

 何回目かのゼノビアとの会話イベント。
 自身の眷属が、いよいよ本格的に侵攻を始めることをカナタに告げる。
 「近い将来、アマツメの死をもって、イグジスト・アーカイヴの番人は不在となる」
 ついにタイトルと同じ名称が出てきた。キミに会えて良かったと最後の別れを告げるように去っていくゼノビア。
 ゼノビア達の足並みが揃えばアマツメはひとたまりも無いだろう、ともらすヤマトガ。
 いよいよ身の振り方を決めなければならない時か。
 キャラクターとしては若干悪に染まったアマツメが好きなんだけど。

○ 仄暗き塔の残骸 → 『冥寺 閻美の存在結晶』(推奨LV68~)
  カナタ LV70、エマ LV66、光秀 LV73、ユイ LV70

 ユイにストーム・マギを覚えさせる為、しばらく好感度上げ作業に勤しんだおかげで推奨LVより上回っている。仲間になったばかりのエマは低いが。

 エマが存在結晶の呼び声を聞く。
 同行するという霧谷に、あっさり了承するエマ。

 ダンジョンは以前も来たところ。
 ボスに初見で負けることも予想し、極力、敵を避けて進む。少ない戦闘で装備品が揃えばなお良し。
 エマの存在結晶の声は、近所のおばさんが冥寺兄妹を蔑む言葉に満ちていた。
 兄のカガトは問題行動ばかりで、両親は事件をもみ消すことしか頭にない様子。
 
 エマがカナタと霧谷に自分とカガトのことについて語り始める。
 自分とカガトは一つの魂が二つの身体に分かれて生まれた。互いに足りないモノがある。エマは右目が見えず、世界が半分しか見えない。カガトには感情が無く、世界を半分しか感じ取ることが出来ない。話を聞いたカナタがヤマトガに確認する。話半分にしか聞いていないようなヤマトガ、そういうエラーもあるかもな、と割合興味薄。一方、霧谷はカガトの所業を目の当たりにしている分、説得力を感じているようだ。

 さらに先へ進むと、エマをナンパした男にカガトが対峙する様子の会話が。
 カガトを殴る男、“怒り”を持っている男に興味を持ったカガトは、男を痛めつけ、怒りを、そして恐怖を引き出そうとする。
 エマは、自分には見えない、もう半分の世界には恐ろしい怪物がいたことを知った。感情がないゆえに、感情を持つ者を羨ましく思う、悲しい怪物が。
 感情を出すとカガトが羨ましがるから、抑制するようにしたというエマ。

 右目が見えないから世界が半分しか見えないという、いやにポエティックな表現、兄の欠損を自身と分かち合おうとする態度は共依存を思わせるね。両親が上手く機能していないようなので、子供ながらに自分で現状を解釈し受け入れたため、歪なカタチで表出したということか。右目が見えないことが兄との紐帯になっていた。それが思わぬカタチで解消されほぐれた。どういう変化を遂げるか、思いも寄らず、ちょっと楽しみなキャラクターだ。

 カガトを殺して気が済むならそうすれば良い。私はカガトの半分、私を殺しても構わない。エマの言葉に、根は優しい霧谷クンは若干、旗色が悪いか。「おまえは関係ねぇよ」「……悪かったな」ワルになりきれない奴め!

 存在結晶の前にはシャサールが立ちはだかる。また新手のタイプかと思いきや……。

 VS ゼラル・グランクラーク (HP 86860) 左右手甲(HP 12800×2)
   アルバール (HP 4179)、ラケルラガル (HP 9831)、ヴォルグ (HP 7805)、レムルズ (HP 8936)

 ジンキュラスとは何だったのか、と言いたくなる程、拍子抜けする連中。
 まずは手筈通りザコを一掃。手甲を真っ先に破壊したので効力は不明。ガード時の防御力上昇かな?
 後は一気呵成に攻撃を加え、あっという間に撃破。

 エマの存在結晶。
 大きな病院に右目を看てもらおう、と勧めるカガト。しかし、エマは、カガトとと自分は半分こっこ(原文ママ)。エマが治ったら、カガトの世界は壊れちゃう、と。案じていた通り、右目が治った今、カガトの世界はどうなったのか気にかけるエマ。
 人格障害と断定するカナタ(ホント、冷静に現実を見据えるリーダーだ)、人格障害も心身の異常とすれば、ヤマトガのチカラで治るものかと確認。遺伝子レベルの異常があるなら治るのではないか、とヤマトガは答えるが……。
 エマ、薄れていく意識の中で聞こえたのは、去って行くカガトの泣き声、叫び声、笑い声だったと。エマに及んだ行為を考えると期待薄だけど。

 『閻美の存在結晶』回収。アマツメに捧げると『グリード・デヴァイス』入手。アイテム生成のグレードも上がる。

 皆で地球に帰るというには、一筋縄で行かなそうなことを感じさせるカガトのキャラクター。次回、第十章 遼の決断。物語の分岐点となる重要な局面、見え隠れするヤマトガの思惑、カガトとの対峙。決定的な答えは出せないまま、物語は着々と最終段階へ進んでいく。

【ゲーム】イグジストアーカイヴ(PSV) プレイ日記14 冥寺 閻美、参戦。

2016年01月11日 19時49分34秒 | ゲーム
 アンダーグラウンドの匂いを漂わせる霧谷 時久の存在結晶を回収。
 冥寺 僂人(みょうじ かがと)なる人物に仲間を殺された過去が判明。殺人犯として実刑判決を受け、護送されるところ、この星に連れてこられた。地球への帰還に向け、一致団結して協力し合いたいところに、厄介な人物まで混じったというカタチだ。

 今回は、カガトの人物像を紐解く鍵となる『11人目の魂保持者』と出会う。

 【第九章/静かな決意】

○ 萌黄色の浮遊島 → 『11人目の魂保持者』(推奨LV64~)

 ヤマトガが魂保持者の気配を感知する。
 残る2人のどちらかがカガト、であるなら自分が行く、と殺る気満々の霧谷。修羅場になることを察した朱雀が霧谷を制止し、代わりに自分が行くという。仲間の為に動ける男じゃないのか、という朱雀の説得の言葉に、霧谷は殺された仲間の為と応じる。しかし、ここにいる連中は仲間じゃないのか、という更なる説得には、渋々ながら聞き入れる霧谷であった。根は優しいというか、悪に染まりきれないというか……カガトにつけ込まる隙にならなければ良いが。
 ストーリーキャラに朱雀が同行し、ダンジョンへ。

 カナタ LV68、ユイ LV69、光秀 LV71、まゆら LV74

 ダンジョンに入ると、浮遊島で二人の男女が話し合っているシーンに。
 冥寺 閻美(みょうじ えま)と冥寺 僂人。
 カガトはいつも間違った方へ向かっていく。だから私は反対の方へ行く。感情が稀薄そうな口振りでそう話すエマ。ゼノビアのもとへ向かおうとするカガトとの決別か。
 優しいエマにはこれをあげる。何気ない素振りでカガトが取り出したのは短刀と呼ぶには刃渡りの長い代物。逡巡することなくエマに突き立てるカガト。薄れゆく意識の中、エマはありがとう、と小さくつぶやく。
 絶対関わりたくないタイプの方々だ……。

 敵に先手をとられると瞬く間に壊滅状態に陥り、こちらが先手の場合は、光秀がクラス3の技でデモンズ・ゲージを4つ上げ、デモンズ・グリードで何もさせず葬り去るというルーチン。いいのか、これで。
 そして初の5連戦。『黒い存在結晶』を捧げ、アマツメをチョイ悪姉さんにすると解禁になるグリード・モードを使うと連戦の確率が上がるらしいが、平常でもこんな回数が来るとは。しかし、この機会で3連戦目から戦闘BGMが変わることが判明。しかもなかなかカッコ良い。後半はこちらを使用してほしい。なるかな。

 行けそうで行けない、やっぱり行ける、目的地の方向へ飛ぼう。
 目的地に到着すると、身体に短刀(というより剣だよ)が刺さり、倒れている少女を発見。シャサールの仕業かと言う朱雀に、人間の物だと断定するカナタ。これ、カガトの私物ってこと? 持ってきたの? う~ん。
 ヤマトガがシャサールの来襲を告げ、バトル開始!

 VS ジンキュラス(HP98900)
 ガンダムに出てくるビグ・ザムの両足を取っ払って手と触手を生やした感じのフォルム。今までに出てきたシャサールと異なり、一目でヤバそうと感じられる。
 実はレベル上げを兼ねた、フリーダンジョンは淀みの森(中級)で同タイプのシャサールと交戦していた。ゼノビアが言ってた強い眷属って奴か? 戦ってみたら結構強かった。同じ感じなら勝てるか?

 負けた。初ゲームオーバー!
 強烈な前列攻撃に厄介な縦軸ブレス。届かないカナタの剣撃にカウンターを合わせ全体をフルボッコ。瞬く間に蒸発していく仲間たち……。何なんだよコイツ! 可愛げの無い野郎だな!
 再戦。検証タイムということで、全滅即リセットの精神で挑む。道中の敵は無視。
 カナタのクラスを銃に切り替え、バトル開始!
 間接攻撃にはカウンターしてこないようだ。まゆらは徹底して回復に専念。ユイに防御力を下げる魔法を使わせるが恩恵はあまり感じず。この効果でCT3、コスパに合わないなぁ。そんな感じでチクチク攻撃を重ね、敵のHPゲージは赤に。こっからどうなる? と思うと、地面に着地し、だだっ子みたいにジダバタしながら全体を攻撃。見苦しいやら威力はあるやらで腹が立つ。
 回復、回復で撃破。HPが少ないので、こうなったらストーム・マギを2人にし、安全策をとるのも手か。
 この先のボスもこんな感じなら、ちょっと嫌だな。ペナルティー(感情度が下がる)覚悟で玉砕するか、最短でボスまで行き、検証、リセット、再戦という方法をとるか。

 戦闘後、ヤマトガの不死のチカラにより、目を覚ます少女。
 「世界が……広い」少女がつぶやいた言葉に、地球とこの星との大きさの違いをヤマトガに確認するカナタ。理系っぽいなぁ。地球にいた頃には見えていなかった右目が、ヤマトガのチカラの副作用として働き、正常に回復した模様。

 塔へ帰還し、あらためて少女、冥寺 閻美と話をする。
 双子の兄、カガトの名を出すエマ。霧谷が近づき、カガトがどこにいるか訊く。
 「自分を刺したあと、どこかへ行ってしまった」衝撃的な事実に驚く一同。霧谷でさえも、二の句が告げずにいる。

 冥寺 閻美が仲間に。

○ 神秘の溶岩窟 → 『存在結晶探索10』(推奨LV66~)
  カナタ LV69、エマ LV65、光秀 LV71、ユイ LV69

 まゆら Out、エマ In.
 ユイはストーム・マギをセットし、回復役に。

 投具を使うエマ。間接攻撃のクラスの中では貫通型といった感じか。技によって使えるもの、そうでないものの落差が激しいのかな。一定時間、敵のエリアに留まって回転する技が強い、か。エマ自体の攻撃力が高くないので微妙だが。

 ここではボスもおらず、『白い存在結晶』回収し終了。アマツメに捧げ『スプリーム・エリクサー』入手。


 次回は、冥寺 閻美の存在結晶回収に向かう。
 異常性極まるカガトの一端が明らかに?

【ゲーム】イグジストアーカイヴ(PSV) プレイ日記13 霧谷 時久の存在結晶

2016年01月10日 17時50分11秒 | ゲーム
 蒼鷺 ユイを仲間に加え、存在結晶も回収。
 最後までパーティーに入れておきたい(主にビジュアル方面重視)と思う一方、キャラクターの背景を知ると、一刻も早く地球に帰還させたくなるジレンマが発生。両者を満たす答えは見つかるのだろうか。

 今回は、曰くありげなものを抱えてそうな霧谷 時久の存在結晶回収へ向かう。

 【第八章/ゼノビアの最終確認】

 ○ 神秘の溶岩窟 → 『霧谷 時久の存在結晶』(推奨LV61~)
   カナタ LV61、ユイ LV60、光秀 LV63、まゆら LV67

 仲間と話す声を聞く霧谷。朱雀とカナタが近づく。
 一人で向かおうとする霧谷に、同行を申し出る朱雀とカナタ。一人で行きたそうな霧谷だが……。

 足場の悪い洞窟を進む中、霧谷の存在結晶の声。カガトという男と揉めた霧谷の仲間。カガトは執拗に霧谷を追っているようだが、霧谷には覚えがないらしい。
 仲間のもとに駆けつけると、カガトの手によって仲間達は倒されていた。霧谷に興味があり、怒り狂う霧谷を見たかった、とこの惨状を説明するカガト。カガトを血祭りにあげたいところの霧谷だったが、仲間たちを病院に連れて行くのが先と行動に移そうとする。しかし、仲間たちは既にカガトの手によって事切れていた……。
 存在結晶の声から我に帰る霧谷、一人洞窟の奥へと駆け出して行く。

 存在結晶の前、地球でのニュースの声が流れる。
 護送車の突然の爆発。暴行殺人事件の加害者として実刑判決を受けた冥寺 僂人(みょうじ かがと)が逃走、行方不明に。霧谷、カガトもこちらに来ていると察し、笑う。冥寺カガト、俺の仲間を殺した男、と口にする霧谷。見つけ次第殺してやる! 霧谷のどす黒い決意に殺すのは無理と冷静に突っ込むヤマトガ。だったら死ぬより辛い目に遭わせると。
 何か後ろぐらいような事を抱えているとは察せられたが、ヘビーな内容である。しかし、イベント自体はさらっと流れるので、もたれはしない。霧谷自身のキャラクターもあるけどね。

 ボスがいないためあっさり『霧谷の存在結晶』回収。アマツメに捧げると、『グリード・デヴァイス』をくれる。

 ○ 天空に浮く島 → 『確認』

 会話イベント。
 ゼノビアと話すカナタ。
 ヤマトガとアマツメは超文明から作られた。しかし不死のチカラが恒久的に作用するとは思えない。生存本能はあまねく生物に備わったモノ。その生存本能こそが不死のチカラを発動させるトリガーとなる。人間には、自ら死を選ぶことが出来る、と開陳(かいちん)するカナタ。驚きを隠せないゼノビアとヤマトガ。ヤマトガ、生命として欠陥品。おまえの星は大丈夫なのか? と要らぬ心配までしてくれる。
 自分が死ねば、ヤマトガも死ぬ。そうすれば、アマツメは皆を地球に帰してくれるだろう。カナタの言葉に、そんなことは絶対にさせないと珍しく感情を露わにするゼノビア。カナタは冷静にも、ゼノビアの反応も知りたかったと答える。ここまで折り込み済みとは、クレバーな主人公だ。ヤマトガを想う気持ちがあるなら話し合う余地もある。
 しかし、カナタの言葉にゼノビアは注意を促す。残る時間は少ない。既にシステムの中枢部を掌握するため、眷属は動いている、と。
 アマツメに以前言われた「本当に注意すべきは自分自身」という指摘に、今になって、見透かされている気がすると思うカナタであった。

 いよいよ物語も佳境を迎えるか。
 次回は第九章 静かな決意 に突入。『11人目の魂保持者』も登場。


【小説】桜花忍法帖 バジリスク新章 (山田 正紀/講談社タイガ) 感想

2016年01月09日 17時36分28秒 | 読書感想
 山田 風太郎の忍法帖シリーズ、記念すべき第一作『甲賀忍法帖』の続編。
 既にオマージュとして『神君幻法帖』を上梓している山田 正紀と、鬼門と言われた忍法帖シリーズの漫画化を見事に物にし、アニメ化まで成し遂げた せがわ まさきとのタッグ。ただし、せがわ氏のイラストは表紙のみで、主人公とヒロイン以外の登場人物のビジュアルが拝めないのは残念なところ。

 『甲賀忍法帖』で後継者争いの為に、甲賀忍者VS伊賀忍者の壮絶な死闘が繰り広げられてから数年後の物語。
 突如姿を現した成尋五人衆なる人外の外法操る忍者集団が、甲賀・伊賀のエリート忍者を苦もなく蹴散らす。残された2軍(以下)のメンバーが、甲賀・伊賀連合軍として手を組み、敵と対峙していく。その中には、前作の主人公、甲賀 弦之介とヒロイン、朧の間に生まれた少年と少女の姿もあった。

 敵方の成尋五人衆は、時や空間を自在に操るようなチートクラスの忍法、というより魔術やサイキックと言った方がもはや近しいものばかり。山田 正紀の本来のSFテイスト溢れる技の数々に、如何に2軍メンバーが対抗していくのかが下巻での読みどころの一つとなっていく。

 最終的には忍法帖ワールドを閉じ込めていく荒技へと至り、勝手に始めて勝手に終わらせた僭越と見るか、忍法帖に手をつけるのはこれまで、という作者のケジメととるか……。
 まずは自分のフィールドを作り、そこに忍法帖のテイストを当てはめていった月村 了衛の機忍兵零牙の方が独自色もあり、面白かった。他人のフィールドに入り込んで自分の好き勝手やった感じがする本作は、なかなか受け入れがたい人も多いのではと思う。敵方の忍者が「ぼくのかんがえたさいきょうの……」を彷彿とさせるテイスト且つ筆者の主戦場たるSF来歴の能力であり、そんな奴らが甲賀、伊賀の元来の「忍法」をいとも容易く打ち破るシーンは、忍法帖ファンとしてはあまり気持ちの良いものではなかった。2軍と思われた連中がいかにこれに対抗するかという楽しみはあるが……。

 この作品で初めて忍法帖を知った人が、より多く、原典を手に取ってほしい。
 忍法帖ファンとしてはただ、そのことを願うのみだ。

【小説】きりぎりす (太宰 治/新潮文庫) 感想

2016年01月08日 18時32分16秒 | 読書感想
 太宰 治、中期の作品で表題作を含む14編を収録。
 例えば『走れメロス』などの有名な短編が収録されているわけではないのだけど、新潮文庫のナンバリング後半の中では比較的、書店に置かれている気がする。

○ 燈籠

 太宰お得意、女性告白体の短編。
 24歳、貧しい下駄屋の一人娘、さき子が、5歳年下の学生の恋人の為に犯した罪。逮捕され、牢に入れられないよう、暴走気味の陳情をまくし立てる。弱者の愚かな行為の裏にある女性の思考が上手く描き出されている。そして、傷心のさき子を暖かく迎え入れる為、切れていない電球を新品に交換する家族の心遣い、つまりは、弱者に対する太宰の視線が嬉しい。

○ 姥捨(うばすて)

 嘉七とかず枝が、自殺をするために向かった水上(みなかみ)における顛末。太宰治自身の経験から描かれた物語である。自殺を果たすも死にきれなかったかず枝が「おばさん。いたいよう。胸が、いたいよう」と声を出す場面で、図らずも怒りを覚えた。どの面下げてこんな台詞を言わせてるのかと。
 一度失ったハズの命。八方破れで開き直り、ノーガードみたいな太宰の態度が本作で見える。覚悟の二文字が感じられる。

○ 黄金風景

 幼少の頃、太宰がいじめていた女中に、大人になって再会する話。
 過去に受けた太宰の仕打ちを物ともせず、鷹揚に挨拶してみせる女中に、一人、清々しい涙を流し、負けたと思う太宰の姿。いじめっ子もすべからくこんな感受性であってほしいものだが。

○ 畜犬談
 
 いかに自分が犬が苦手であるかが滔々と述べられる。好きの反対を無関心とはよくいったもので、最終的にはツンデレ太宰の登場と言いたくなるほどの変容ぶり。ユーモアと暖かさがこもっており、この短編集の中ではより万人に勧めたい作品。

○ おしゃれ童子

 当時の田舎の若者が背伸びしてしていたおしゃれと気構えはこんなものでした。『晩年』収録の他の短編で見かけたシーンがある。婦人向けの雑誌に掲載された小品といったところか。

○ 皮膚と心

 デザイナーの夫と、皮膚に吹き出物が出来た妻。これまた女性の告白体の小説で、自身の吹き出物からぶつぶつした物を次々に連想する様子と嫌悪の仕方が実に女性的感覚を捉えているように思う。

○ 鴎(かもめ)

 鴎が唖(おし)であることから自身に重ねることがある、という太宰が本来語るべきところを連ねた文章。いま正に兵役に就き、戦争に行っている人たちがしたためた小説を世に出そうとする太宰。戦争に行っていない奴が戦争を題材にした小説を書くことを唾棄する。さらに「本物」である兵隊たちの書く作品が、それらに目をくらまされるように、「偽物」化されてしまっていることに怒っている。同じフィールドに立たずして、外側から我が物顔で振る舞いに来る奴は確かに嫌だし、自身も戒めるところがある。

○ 善蔵を思う

 生き方が不器用で、要領の悪い、或る作家の話。
 下手くそに生きていても幸不幸は巡り行く。

○ きりぎりす

 表題作。
 お金持ちになってくるうちに段々と俗物めいた振る舞いをし始める夫を嫌悪し、戒めようとする妻。きりぎりすというタイトルは、蟻とキリギリスから来ているのかな。しゃかりきに働くことはお金を稼ぐこと。必ずしもそれを良しとはしない職業があり、矜持とすべきというところ。蟻は尊し、しかしキリギリスにも存在意義はある。

○ 佐渡

 『津軽』などに連なる、佐渡島への旅行をテーマにした紀行文。
 太宰治は紀行文になるとドロドロした陰鬱な部分が割合鳴りを潜め、健やかささえ感じさせてくれる。

○ 千代娘

 文学少女の才能。
 身勝手な大人たちに翻弄されて、始めは乗り気でなかった主人公が次第に作家活動へのめり込むに連れ、才能が失われていく。気付いた時には既に遅し、自身が認める体たらくでありながら、それでもすがりつこうとする姿が、哀れで、悲しい。

○ 風の便り

 太宰自身をモチーフにした作家と、先輩作家との手紙のやり取りで構成される書簡形式の短編。文学論の新旧対決としても楽しめる。

○ 水仙

 「忠直卿行状記」という作品から物語が展開される。
 本当に才能のある人が、才能のない人の言葉に惑乱され、破滅する。
 凡人に足を引っ張られ、潰される天才は今日(こんにち)でも大いにあることと思う。

○ 日の出前

 放埒な兄に虐げられる妹。ミステリ的な要素もありつつ、衝撃的な結末とシニカルな台詞。エンタメ小説としても読める。