Tao of a music therapist

音楽療法士としての生き方(タオ・道)を通した日々の出来事や、音楽についての果てなき思いを綴ります。

NYで出産

2009年11月13日 | 子育て、育児、育自
新年明けましておめでとうございます。


昨年は、私たち家族にとってまた大きな変化の年となりました。
10月1日にNYで4220グラムの第2子が誕生したのです。


第2子とはいえNYでの出産は初めてで,
とまどいもありました。


そんなとき出会ったのが、ニューヨークの出産事情にまつわるドキュメンタリー
映画、"The Business of Being Born"でした。



お産がいつのまにか、女性主体ではなく、誰かの都合のためになっているという
実情が様々な人の視点から描かれていました。そして、自分はどのように新しい
生命を迎えたいか考えるきっかけをもたらしてくれました。

そもそも、分娩台というのはだれのためにあるのか?
女性にとって、分娩台にのったままの体勢でお産を
するのは必ずしも最善とは限らず(赤ちゃんが産道から出る重力には明らかに
さからっている!)、むしろ医療従事者にとってお赤ちゃんをとりあげやすい
ものだから使われているのではないか。

また、医療従事者のシフトが入れ替わる夕刻に、帝王切開率が増えるのはなぜか。
それは決して女性の体と赤ちゃんとが対話をした結果のタイミングとは限らない
のではないか。

そこには、NYでいわゆる出産とえば、無痛分娩が主流で、誘発剤や帝王切開など
の積極的医療介入が行われる現状が描かれていました。


お産の経験を聞かれて、
「陣痛は辛かったけど、私にとって痛みではなかったよ。」
と言うと、みんなに驚かれることがあります。
私にとって、陣痛は、痛みではなく内側から湧いてくるエネルギーの高まり
みたいなものでした。陣痛の押し寄せる波、一回一回は赤ちゃんが降りてこよう
とする意味のあるもので、なるべく力を抜いて波がひいていくのに身をまかせ
ました。

家族のサポートをえながら、赤ちゃんとの対話を通じて出産を終えたとき、
まるで自分が生まれ変わるような今までの人生で経験したことのないほどの
スピリチュアルな達成感を得たのです。今回も、そういう経験ができたらいいな
と望んでいました。

そこで、最終的に選んだのが、ミッド・タウンに位置しハドソン川を見渡せる
セント・ルーク・ルーズベルト病院付属の助産所(Birthing Center)で助産婦
さんとの出産を選択しました。

お部屋は、ベッドとジャグジーが備え付けられた温かい内装の部屋で、分娩台は
ありません。そのお部屋で、お産と産後すべてのプロセスを過ごすことができ
ます。私もそこで、助産婦さんに付き添われて、ぎりぎりまでジャグジーに
入れさせてもらいました。最後は赤ちゃんのエネルギーを感じながら、何度か
体位を変えて重力を利用しながら、なんとか4千グラムを超えた赤ちゃんでも
自然出産することができました。(産後12時間後には退院しなければならない
のは、ちょっときつかったけど。。。)



結果的にどのような出産になっても、最も優先されなければならないのは、母子
の健康だと思っています。ただ産む女性にも、どういうふうに自分の体と向き
合い、(むしろ自分のものだけでないのです!)どのように赤ちゃんを家族に
迎え入れるのか、大事な人生の節目に選択肢があることをもっと多くの人に
知ってもらえたらって思います。私も色んな人の話を聞いたり、家族と相談
したり、いくつもの病院、施設などに足を運び自分にあっているかどうか、
または自分たちがどう赤ちゃんを迎え入れたいかをサポートしてくれるところ
を選びました。そのプロセス自体がもう主体性のある素晴らしいお産への第一歩
なのではないでしょうか。

セント・ルーク・ルーズベルト病院付属の助産所(Birthing Center)
http://www.nywomenshealth.com/birthing-center-st-lukes-hospital-new-york.htm

今回私の出産をサポートしてくれた助産婦、コラーリーの言葉

“Birth is different for everyone; it is my goal to help women achieve a
positive and rewarding birth experience that is unique to them.”
「出産というのは千差万別です。私のゴールは、女性がひとりひとりにとって
特別な、ボジティブでやりがいを感じられるお産を達成できるよう力を添える
ことなのです。」







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5 コメント

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幸せな出産 ()
2010-01-04 14:24:16
あけましておめでとう!
そうだよね。本当にそう思う。自然分娩の幸せ、それに「陣痛は痛みじゃなく、大切なエネルギー」っていう感覚、1人でも多くの人と共有したいよね。からだごと新しい自分に生まれ変わる感覚というのも、よくわかる。女性だけじゃなく、男性も一生に一度くらいこの経験ができたら、世界は平和になるだろうなあと思う。
私は1人目も2人目も助産院だったし、たまたま周りにも助産士さんと自然分娩をする友達ばかりだったから、逆に病院の出産をあまりに知らないけれど、無痛が主流のアメリカ社会で助産院を選べた琴栄は幸せだったね~。ぜひぜひ、NYのママたちとも出産体験をたくさん共有してね!
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ハンデでなく特権 (kotoe)
2010-01-05 09:59:51
愛さん、大学時代からの友人でありながら、同時期に出産、子育てを経ることができて嬉しいよ。

本当だね、性別に関係なく、夫婦交互で妊娠期間や出産を経験でいたらどんなにいいかって思うよ。実際は、いまのところ女性にのみ与えられた機能であるけれど、ハンデではなく特権だと思う。

ただ、今の世の中、労働環境や、妊娠・出産の捉え方にしろ、そう感じられない仕組みになっているのが残念でならないな。
返信する
明けましておめでとう! (ゆみ)
2010-01-05 13:36:32
そして、第2子誕生おめでとう!!
kotoeちゃんの「陣痛は、痛みではなく内側から湧いてくるエネルギーの高まりみたいなもの」という言葉に、目が覚める思いがしたよ!
私はまだ出産予定はないけれど、なんだか励みになりました。
そのうち、一時帰国の予定はあるのかな?
その時はベビーにも会わせてね♪
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明けましておめでとう!! (kotoe)
2010-01-18 05:58:58
メッセージありがとう!
最後に会ったのは、渡米前の夏だったね。
久しぶりにゆっくりとみんなに会いたいです。
これからも末長く、どうぞよろしくね。

痛みって、とても主観的なもので、人によって感じ方はそれぞれ違うのかもしれない。
でも、それをどうとらえるか、あるイメージを持つことで、特に「陣痛」みたいなものは、付き合い方が変わってくると思うよ。

夏あたりに帰国できそうなときは、連絡するね。
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はじめまして。 (青山 愛)
2011-02-09 03:47:59
初めまして。青山 愛と申します。
現在妊娠7ヶ月、NYマンハッタン在住2年目で、5月末にSt.Lukes Rooseveltで出産予定です。
Birthing Centerと自然分娩、Midwifeについて調べていてこちらのブログにたどりつきました。
まもなく3歳になる娘がいますが、日本で出産したためNYでの出産は今回が初めてです。
日本とNYの様々な仕組みの違いや、無痛分娩を主流とする中で自然分娩を希望するということ、こちらでの出産にわからないことが沢山で戸惑っています。
もしご迷惑でなければ色々教えていただきたいことがあるのですが、私の連絡先をメモさせていただいてもいいでしょうか?
お時間のあるときにお返事をいただけると幸いです。
初めてのご連絡で図々しいお願いで恐縮ですが、どうぞよろしくお願いします。

ai.aoyama0518@gmil.com
青山 愛
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