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世界最速のインディアン

2007-02-06 02:28:03 | 映画2007
 舌下錠で絶好調!

 サクセスストーリーとロードムービーの融合だとは想像もできなかった。最近観た映画でいえば、決して成功するわけではないロードムービーの『リトル・ミス・サンシャイン』と、結果が見えている『幸せのちから』を融合したような作品とも言えるかもしれません。しかし、ロードムービーの定義はハッキリしてはいませんけど、そのロードムービーから得られる感動というのはA地点からB地点へと移動して、その目的地に到達したこと自体に感慨深さが得られるものだと思うのです。したがって、この映画の場合は「融合」ではなく、「付け足し」。全体的にはどうしても混ざりきらない違和感がありました。

 そうはいっても、バイクを愛するジイさんの生き様はカッコよく、信念を曲げないこだわりには共感してしまいます。序盤、海岸での若者たちとのレースにより、真っ直ぐ走ることだけは凄いのにターンが上手く出来ない様子には彼の人生そのものを感じさせてくれるし、負けたって過去にこだわらない男意気。ニュージーランドからアメリカに渡ってカルチャーギャップを思い知らされても自分を見失わない。10%のチップを要求されても10セント渡せばいいのです。

 ロードムービーといえば“出会い”が重要な要素。アンソニー・ホプキンス演ずる実在の人物バート・マンローは「グッダイ!」と挨拶して、どこへ行ってもニュージーランド訛りを隠さない。自然な笑顔と好々爺然とした人なつこさによって誰とでも仲良くやれそうなのだ。しかも、車に関する知識や技術のおかげで重宝がられたりもする。自分だったら、あの中古車屋に就職してしまいそう・・・あぁ。

 リンチ監督の『ストレイト・ストーリー』では「この後どうなるんだろう?」という余韻を残してくれた映画でしたが、今作では“その後”をあっさり描いてしまったロードムービーでした。だからといって、迫力あるボンヌヴィル塩平原のレースシーンは欠かせない部分。やはり一本の映画にまとめるのは難しい。結果、バート・マンロー本人の人生には憧れるけど、映画としては何か足りなかったです。

★★★・・

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27 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるほど (nikidasu)
2007-02-06 08:53:22
あれっ?
普通に観てたら、普通に嬉しくなって、普通に感動してしまいましたッス。
個人的にはとても愛すべき映画でした。
ただそれって、映画的魅力と言うより主人公の存在、およびアンソニー翁の飄々たる演技による部分が多かったのかも。
でもでも、やっぱりいい映画だよーと、私ゃ言いたいのですが…。
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Unknown (syobayashi)
2007-02-06 10:30:43
良い作品だったと思います。

ニュージーランド人としての誇りってものを大切にする彼は良い感じでしたね。

私が気になるのは、金属がバリバリ入った水を飲み続けていたちびっ子の将来です・・・(^^)
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ジイさんの魅力 (kossy)
2007-02-06 15:50:13
>nikidasu様
そうですよね。
俺は普通の精神状態じゃなかったのかもしれません。多分ボンヌヴィルへ到着した時点で感動し、その後がどうでもよくなっていたのかもしれません・・・それよりもレースが終わったら、あの中古車屋へ寄ったのかな~とか余計なことを考えたらり・・・
主人公が魅力あるんだから、魅力的な映画、素敵な映画と言っても問題ないです・・・

>syobayashi様
ひとり冷めた感想になって申し訳ありません。
ニュージーランド人の誇り!というのは感じられましたよね。アメリカごときの風習がなんだ~!って、我を通すジイさんが魅力的でした。

ちびっ子の将来は間違いなく前立腺肥大(?)ちゃんとレモンの木におしっこかけてるから、同じ道を進むのかもしれないし・・・
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kossyさん☆ (mig)
2007-02-06 18:49:17
そうでもなかったですか、、、
『リトルミスサンシャイン』と『幸せのちから』よりも
わたしは好きでした
すごく感情移入してしまいましたよ~アンソニーじいちゃんに☆
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う~む (kossy)
2007-02-06 18:58:28
>mig様
4点にしようかと迷った挙句3点に・・・
その『リトルミスサンシャイン』と『幸せのちから』が好きだから、ちょっと差をつけたかっただけかもしれません(汗)
俺は逆に皆様が高評価なので、ビビッています・・・
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最速ランクイン!? (たましょく)
2007-02-06 21:41:42
 ども、たましょくです♪

 いやぁ~愛すべきヲヤジの物語でしたね~。
最近、スカッとしないことばかりだったので
この映画観たら、小さな失敗でしょげるより
も次の成功に繋げようとゆー気持ちになりま
した!(自分のブログでこーゆーことを書け
ないです…w)

 「泣きのポイント」って、全世界共通な部
分って、やっぱあるんですね。たましょくは
最後のシーン、庭が手入れされていたところ
とか好きでした。
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いい映画でしたね (kisen)
2007-02-06 23:05:35
kossyさん、こんばんは。

誰からも好かれる、こだわりのある男に、つい惹かれてしまう周りの人たち。

これほど安心して見れる映画も少ないかな、と思うほどいい人ばかりが出てくる。
そのうえ、というか、そんな男だからか、やたらに女にもてる。

この映画はアンソニー・ホプキンスがいてこその成功ですね。うまいものです。

何事もうまく行きすぎるところはあると思いますが、この主人公を見ていると、そんなことも許してしまいます。

こんな暖かい映画も、たまにはいいものですね。
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めげない (kossy)
2007-02-07 00:39:31
>たましょく様
俺もここでは書きづらいのですが、めげることだらけで困ってます。俺はとりあえず「幸せのちから」で元気をもらったので、多少は楽になりました。

最後の芝刈り後の映像はよかったですね。
来年も参加するぞ!という言葉に俺はちょっと悲しくなったんですけど・・・やはり中古車屋に・・・

>kisen様
そうですよね~
悪人がほとんど登場しませんもんね。最初に花を10ドルで買わされたところくらい?10ドルだけだったのでホッとしましたよ(笑)

アンソニー・ホプキンスはいいですね~
人間の脳みそまで食っちゃう人にはとても思えません!
時代もベトナム戦争の時代だし、みな心の温かさを求めていたからかもしれませんね。

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確かに・・・ (latifa)
2007-02-07 18:00:07
こんにちは!kossyさん、ストレイト・ストーリー以来の?爺様がんばれロードムービーでした。
確かに、映画としては、バラバラ脇役のエピソードが大過ぎというか・・まとまりが無い感じもしましたが、でも、こんな爺様が実際にいたんだ!ってこと自体が衝撃で。
映画帰ってから、バートマンロー本人について調査してしまいました
ご本人写真を見た限りでは、アンソニーホプキンスより、ぐっと細身で若干若い?爺様でしたw
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本人 (kossy)
2007-02-07 19:06:42
>latifa様
この本人さん、なかなかダンディーですね。
こんな若くてかっこいいジイさんだったら、もっとモテモテなのかもしれません。
「ストレイト・ストーリー」はスピードに関しては全く逆の世界でしたよね。まぁ、このインディアンでもオンボロ車はのんびりしてましたが・・・

記録が破られてないってことも、パラシュートを使わなかったってことも凄すぎますよね~
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