徒然刀剣日記

刀剣修復工房の作品・修復実績と刀剣文化活動のご紹介

柄下地の修復

2011-12-24 18:20:33 | 拵工作
害虫により破損を受けた柄下地を、修復しました。



使い物にならない部分を削り、新たにホウの木で補修します。

古い柄下地を削ってみると、最高級のホウの木が使われています。
マニアックな話ですが、十分に寝かした良いホウの木は、削っていてヨダレが出るほどいいものです。匂いといい、彫り心地といい、これ以上の至福の時はありません(笑)
若干引かれるでしょうが、拵工作に関わる職人(柄巻師、鞘師など)なら、きっと分かっていただけることでしょう。
刀匠が良いタマハガネとめぐり合った時、研師が良い砥石とめぐり合った時、同じような反応をされると思います(しないかも知れませんが…この点、刀匠様・研師様よろしければコメントいただければ幸いです!)。

次は、鮫皮の加工です。
鮫皮は準備万端、裏を剥いてイボタで磨きをかけた状態でスタンバイしています。
特にここ数年、できるだけ裏を剥かない様、研究を続けているのですが、まだまだ納得がいく頃合を見切れていません(涙)。

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2 コメント

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イボタ (北の村から)
2011-12-25 00:09:13
激しい雪です。
北国はこれから本格化。

庭の盆栽も雪を被っていい雰囲気です。

さて、イボタ。
いつ、だれが、あんなものを使おうと考えたのでしょうね。
根付などで象牙を磨く時にも使っているようです。

鮫皮の処理で、イボタを刷り込むというか、
何度も叩いているというか、
そういうのを見たことがあります。
それによって艶が出るのですか?

柄を食い進むのも虫、
イボタも虫の所為。
なかなか興味は尽きません。
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 (拵師)
2011-12-25 23:01:56
北の村からさん、メリークリスマス!

盆栽のクリスマスツリーですね!
今年は、特に特別な年ですから、笑顔が絶えないご家庭を想像いたします。

イボタを自分で採取したことはありませんが、昔の人はよく考えたものです。
鮫皮の艶出しには、無くてはならないものですが、やればやるほど美しく仕上がります。
やり過ぎはどうなのでしょうか?

今日は年賀状におわれています…
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