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新刊『夢、死ね!』に入りきらなかった小者サラリーマンの見事な行動「会長エレベーター事件」をどうぞ!

2014-07-23 18:23:11 | Weblog
7月25日に発売される『夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘 (星海社新書)』ですが、基本的には以下を書いています。

・夢よりも目標を持て
・夢は時に人生を狂わせる
・仕事をする最大のモチベーションは「怒られないこと」にある
・社会人にも小者は大勢いて、仕事とは、日々小者どもが怒られないためにセコいことばかりしている
・そんな状況を理解したうえで、どうやって仕事をすべきか?

 オレがこれまでの労働者生活で体験した、人間らしくドロドロした話から、世に流通するキラキラ系の経営者インタビューやら日経ビジネスアソシエ的イケてる有能若手ビジネスマンの話とは180度違う「人間って所詮そんなもんだよな……」的な話が連続します。

 本書では入りきらなかった「会長エレベーター事件」について、拙ブログでご紹介します。これを「あるよな…」「うんうん、わかるよ」と共感頂けた方は是非とも『夢、死ね!』ご購入いただければ幸いです。以下の「会長エレベーター事件」は、とあるメーカーの仕事にオレが博報堂社員としてかかわった時の話です。国際会議の場で、オレのクライアントとの間に「パワーポイント謝罪事件」というのがあったのですが、そのイベント当日の準備で発生した「小者社会人あるある」みたいなお話でございます。皆さん、明日も仕事がんばろー!! 以下、「Y社」がオレのクライアント企業のことである。




 前の項で書いた「パワーポイント謝罪文事件」だが、このイベントでは別の重要な事件も発生していた。それは「チミィ、会長専用エレベーターを用意させなさい! 事件」である。この国際的な会見の準備をするにあたってはY社の人々と事前の打ち合わせを綿密に行っていた。打ち合わせは「運営マニュアル」を見ながら行う。これは当日VIPがどのように動き、どんな段取りで会が進み、控え室はどこにあり、来場者への「お土産」は何にするか……、といったイベント全体のマニュアルであり、これさえ持っておけばスタッフは会場で何をやれば良いかが分かるのだ。

 さて、その日の打ち合わせには前出山本課長を始め、Y社の現場で動く下っ端社員が勢揃いし、博報堂&イベント会社軍団もその場にいた。その時の議題は会場となる高級ホテル内でのY社会長の動きについてだった。

「会長がいらっしゃるのは13時ですね。で、会が始まるのは13時30分ですね。裏口に車をつけて、控え室前まで行く導線はこうなります」と私の上司がY社の人にホテルの図面を見せながら説明をした。そこには「入り口」→「エスカレーター」→「控え室」→「会見会場」の地図が矢印と共に書きこまれ、かなりの親切設計になっていた。

「そして、続いては○○取締役の動きですが……」と上司が説明しようとしたところで、山本課長が遮った。

「あのぉ、会長専用のエレベーターを用意してもらいたいんですが」

「えっ?」

「だから、会長を、一般の方と同じエスカレーターに乗せるわけにはいかないんですよ。この図面を見ると、入り口からエスカレーターの間に、エレベーターがありますよね。これを、会長専用にしていただきたいんです。時間としては会長がいらっしゃるかもしれない12時50分から、13時20分まで。そして、会が終了する15時から15時20分くらいまでですかね」

「それは……、難しいんじゃないですか?」

「いや、ホテルに聞く前にそう結論づけるのは怠慢じゃないですか?」

「はぁ……。分かりました」

 ということで、上司は「おい、中川、お前ホテルに電話して、この時間、会長専用エレベーターにできるか聞いてこい!」と言い、私はホテルに電話をした。すると当然ながら「他のお客様もいらっしゃるのでムリです」と言われた。そこで、そのまま伝えると、山本課長は「業務用エレベーターだったらあるでしょ? そっちも聞いてくださいよ! 本当に気が利かないですねぇ!」と怒った。そして私は慌ててホテルに再度電話をし、「業務用だったらどうっスか!」と聞いたところ「その日は宴会が多数入っておりまして、従業員も頻繁にエレベーターを使うのでムリです」と言われた。「時間限定でなんとか!」と言うも「申し訳ありませんが……」の返事だけである。

 この時、私も怒られたくなかったのである。このまま会議に戻って「業務用もダメでした!」と報告して上司から「このヤロウ、おY社様様の大大大会長様様様のためだったら黒いカラスでも白くするのがお前の仕事だろ、エッ!」と言われるのもイヤだったし、山本課長から「はぁ……、高いカネ払ってイベントの発注をしているのに、この程度のこともできないんですか、はぁ……」と言われるのもイヤだったのだ。そこでホテルの人に「そこをなんとか!」とお願いをすると「お客様、申し訳ございませんが、それだけはお受けしかねます」と返事が来た。「どうやってもムリですか?」と伝えると一瞬間を置いて「はい」と言われた。

 私は暗澹たる気持ちとなり、会議室に戻り、「業務用もダメでした。しかも、時間限定で! と言ってもダメでした! いや、私も色々説明したのに、頭の固い担当者でしてねぇ、いやぁ、Y社様の会長様ってこともちゃんと伝えたんですよ。ネッネッ、私だって最善を尽くしたんですよ!」と伝えた。

 すると山本課長は「そうですか。分かりました」と妙に物分かりが良いので拍子抜けしてしまった。

 一体これは何だったのか? 推測するに、私達が出した運営マニュアルは、最終的には山本課長がY社社内の会議で説明をすることとなる。その際に、同社では神のような扱いを受けている会長に何かがあったらマズい! と考える人がその会議には出席をするのだろう。そこで「オホン、山本君、チミィ、会長専用のエレベーターはあるのかね、ウオッホン! 会長と一般人を同じエレベーターに乗せることなど許されることじゃないからね。もし、暴漢でも出たらチミ達の進退問題にも繋がるよ」などと言われることを山本課長は見越していたのだ。そこで「申し訳ございません。ホテルに確認したところ、一般向けのエレベーターを貸し切りにすることはできない、とのことです」と答えたいのだ。そして、前出のウオッホンのオッサンが「そうかね、山本君、チミィ、だったらホテルには業務用のエレベーターもあるだろう。何せお客様は神様だからね。たかが従業員が使うエレベーターなどさっさと開けさせなさい。で、従業員エレベーターはどうだったの?」と聞くのだ。それに対しても山本課長は「その日は多くの宴会が入っているそうで……、従業員専用エレベーターもムリなのです」と答えたいのだ。

 要するにどいつもこいつも「私は会長のためを思い、ちゃんと事前に手は打ってますよ!」をアピールしたいのである。そして、会議に出ているウオッホンのオッサンも「ガハハ、ワシはちゃんと会長様のことも考えてんだかんな! ワシって気が利く男じゃろ。だから出世させてくんろ」などと思っているのだろう。

 で、ここからが重要なのだが、色々と雑誌の記事などを見ると、Y社の会長は、庶民が同社の商品を買ってくれていることを充分に理解しており、庶民を大事にする人物であることが分かる。結果的に大金持ちになってはいるものの、基本的には「我が社の商品を買ってくださるお客様がいることに感謝しなくては」という考え方を持っている人物である。

 どう考えても「おい、ワシは一般人と一緒のエレベーターなぞ乗りたくないわぃ! てめぇ、ホテルに電話してワシ専用エレベーターを用意するよう伝えろ、エッ!」などと言うようには思えないのだ。

 要するに、下々の小物連中が皆で「先回りした配慮」をしまくっているのである。それが会長の気持ちに従っているかどうかは分からないままに。後の豊臣秀吉こと木下藤吉郎は、寒い日に主人である織田信長の草履を懐に入れて温めていた、というエピソードがある。これは、藤吉郎の「機転が利く」という特徴を端的にあらわすエピソードとして有名だが、私はこの話が気持ち悪くて仕方がない。

 お前はどんだけゴマスリなんだ!!

 信長はこの時の藤吉郎を高く評価した、とされているが、大体よぉ、男が懐に入れて温めていた草履なんて履きたいか? 生暖かくて気持ち悪いよ! Y社の「会長専用エレベーター用意しろ! 事件」はこの藤吉郎のエピソードを彷彿とさせるのだ。この思考停止で「とにかくエラい人が喜ぶかもしれないことをやっておこう」「エラい人が怒るかもしれないことはやらないでおこう」という無駄かもしれぬ気遣いが企業には蔓延している。

 そこから何が生まれるかというと「イノベーション」なんかよりも単なる「先回りしてゴマすりする小物」が続出するだけである。組織なんてそんなもんである。長くいればいるほどそこに毒されていく。

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