コニタス

書き留めておくほど重くはないけれど、忘れてしまうと悔いが残るような日々の想い。
気分の流れが見えるかな。

2010年度 日本言語文化分野 卒業論文発表会

2011-02-11 00:04:49 | 
年度末です。
入試の進行と併行するように、2/8に口頭試問、9日に卒論発表会が無事行われ、4年生は最終段階に入りました。
以下、今年の日文、卒業論文題目リスト(○は副査で読んだもの。☆は発表会で発表されたもの)。


岡崎研
物名歌の変遷 ○
狐の変化に関する研究 ○

勝山研
若者言葉から見た日本語の変化についての考察 ○☆
「敬語の私信」研究

酒井研
江國香織『ホリー・ガーデン』
『銀河鉄道の夜』論 ☆
『富嶽百景』からみる太宰治 ○ 
宮本輝『錦繍』論
日本における「電子書籍」論 ○
伊坂幸太郎『魔王』論
京極夏彦『巷説百物語』論 ○
『ノルウェイの森』論
よしもとばなな『アムリタ』論

森本研
重層性がもたらすもの-村上春樹『海辺のカフカ』論
「風の歌を聴け」論-失われたものを語る「僕」
女性作家が試みる脱-異性愛とその葛藤-『肩越しの恋人』をめぐって ☆



卒業論文の位置づけ方で評価の仕方も変わってくるけれど、今年の全体的な印象としては、いつもより論文らしい論文が増えたかな、と言う感じ。
色々勉強になった。
特に、物名歌の論文では、何となく声の文化に属する物と思いこんでいた和歌のことば遊びが、実はかなり文字遊びであると言うことに気づかされると言う収穫もあったり。
一方で現代小説の分析では、型通りにまとめようとして作品の魅力を引き出すと言うより、失敗作なのかな、と思わせるような研究があったり。
それはそれで研究としては構わないんだけれど、卒業研究として取り組み続けるのにはきつそうだなぁと思う。

学部生の卒業論文に“完成度”を求めるのは酷だともおもうけれど、次はもう一歩きめの細かさも見せて欲しい、というところ。

自分の指導学生がいないとこう言う時は気楽である。



発表会は延々3時間半。
学生達も後半はそれなりに質問していたし、だんだん良くなるでしょう。
日文は岡崎先生を迎えて、大分形が出来てきたんじゃないかと思っている。

各ゼミ一人の発表のあと、ゼミ生による研究室紹介もあり、それぞれに、「らしい」雰囲気が出て良かったと思う。
私はゼミ生が居ないので、潜りで参加していた2年生が簡単に話をしてくれたあと、私が補足した。

突然だったので、コニ研の“特典”というか、他と違うところについてうまく答えられなかったけれど、あとで考えてみたら、やっぱり、卒業生との強力な連帯だろうと思う。
もちろん全員ではないけれど。ことあるごとに卒業生が現役学生達に絡んでくる今のあり方は私にとっても非常にありがたい。


せっかくなので、ホームページ(廃止)に掲載していたコニ研の卒業論文題目リストを復活させることにした
あとで色々コメントする予定だけれど、さしあたり、題目のみ。
“国文学”が“日本言語文化”になっていった様子がよくわかる。





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