「十返舎一九につきまして」
というメールが知らない人から来たわけです。
Date: Mon, 10 Dec 2007 17:08:42 +0900
From: "○木 △志" <XXXXXX@yyyyyyy-inc.co.jp>
「To: わたしのあどれす。
Subject: 十返舎一九につきまして
小二田 様
突然のメール失礼いたします。
東京でテレビ番組の制作を行っております、
株式会社○△□●の○木と申します。
我々どもは現在「十返舎一九」の火葬のエピソードにつきまして調べており、小二田先生の十返舎一九に対する研究を拝見いたしましてご連絡を取りたく連絡を差し上げた次第です。
本日の日中に総務課を通じ研究室に、お電話を差し上げたのですが、ご不在でしたのでメールさせていただきました。
「十返舎一九」に関しまして、先生にお電話でお話を伺いたいのですが、ご都合のよい時間帯などありますでしょうか?
伺いたい項目は
・十返舎一九の火葬の際、自身の体に花火を仕掛けており、火葬の際にその花火が上がったというエピソードが事実かどうかという点を伺いたく思っております。
お急がし中、ぶしつけなお願いで申し訳ありません。
ご検討いただければと思います。
失礼いたします。
--
/------------------------------/
あと、住所とかそういうの
/------------------------------/
さてさて、どうしましょうねぇ。
「小二田先生の十返舎一九に対する研究を拝見」
何見たんでしょうか??
ネットで調べて研究会や展示のことがヒットしたんですかね。
あいにくですが私は「一九に対する研究」ほぼやってません。
「対する」もおかしいし「研究を拝見」も??
まぁ、日本語の作法をこういう人たちに言っても時間の無駄だけれど、それにしても、なんだか情けない。
実は、こういう話は、2年に一回くらいは私のような所にも来る。
しかし、今まで、話がまとまって私が何かしら協力したという例はありません。
なぜか。
知りたい情報があったらまずじぶんで調べる。
その分野ではアマチュアでも、とりあえず調べる(ネット検索でも、図書館でもまあいいや)ことは可能でしょ。
調べた結果得られた資料の評価については、専門家でないと判らないことが出てくるから、そういうときは質問した方が良い。
情報収集・調査というのはそういうものです。
この人は、その「エピソードが事実かどうか」自分で調べてるんだろうか。
たぶんやってない。
もし少しでも調べてれば、私には質問しないでしょ。
私にメールをよこしてしまったのは、ネットで引っかかった名前と連絡先の判る人、程度でしょう。
一九のプロはあんまりネット社会に情報発信してないからね。
誰に訊けばいいのか、ということを見極める力を養わないとだめですよ。
というわけで、一人のテレビやさんの揚げ足取りみたいな話になってますが、少なくとも私の所に問い合わせをしてくるマスコミ関係者で、まともな人は、まだいません。
そうなると、そういう業界って、そういう質なんだなぁと思ってしまうのですよ。
哀しいなぁ。
まぁ、時間がないとか、色々あるんでしょうけれども。
学問の現場ではこういうことの無いように、という教訓です。
そうそう、今日のゼミで、ずいぶん安心しました。
そこそこの質の卒論が出そろうのではないでしょうか。
そうそうそう。
それはさておき、十返舎一九。
来年はちょっと動きがあるかも知れないな。
さしあたり、
新春講演会「今、十返舎一九が面白い」 は大注目!!
静岡市長田公民館を拠点に活動してきた駿府十返舎一九研究会は、来春、中央公民館(アイセル)を会場として、大規模な講演会を開催します。研究会の成果発表と豪華ゲストの講演が無料!
申し込み受付中です。
申し込みは、長田公民館 電話054-257-0780 fax054-257-8754です。
無料。
先着250名。
日時 08年1月9日(水)13:15~16:30
会場 静岡市葵区東草深3-18 静岡市中央公民館 一階ホール
講師
・駿府十返舎一九研究会
☆小池正胤:東京学芸大学名誉教授
☆棚橋正博:帝京大学教授
☆中山尚夫:東洋大学教授
☆松井今朝子:作家。「吉原手引草」で直木賞受賞。
一九の半生を描いた「そろそろ旅に」を「京都新聞」に連載、講談社から出版予定。
あ、そうそうそうそう、
冒頭の話。
質問をするメールの構成としては、たぶん今までで一番要領を得ているのではないかと思います。
惜しいことに、相手が間違っていたんだけれども。
というメールが知らない人から来たわけです。
Date: Mon, 10 Dec 2007 17:08:42 +0900
From: "○木 △志" <XXXXXX@yyyyyyy-inc.co.jp>
「To: わたしのあどれす。
Subject: 十返舎一九につきまして
小二田 様
突然のメール失礼いたします。
東京でテレビ番組の制作を行っております、
株式会社○△□●の○木と申します。
我々どもは現在「十返舎一九」の火葬のエピソードにつきまして調べており、小二田先生の十返舎一九に対する研究を拝見いたしましてご連絡を取りたく連絡を差し上げた次第です。
本日の日中に総務課を通じ研究室に、お電話を差し上げたのですが、ご不在でしたのでメールさせていただきました。
「十返舎一九」に関しまして、先生にお電話でお話を伺いたいのですが、ご都合のよい時間帯などありますでしょうか?
伺いたい項目は
・十返舎一九の火葬の際、自身の体に花火を仕掛けており、火葬の際にその花火が上がったというエピソードが事実かどうかという点を伺いたく思っております。
お急がし中、ぶしつけなお願いで申し訳ありません。
ご検討いただければと思います。
失礼いたします。
--
/------------------------------/
あと、住所とかそういうの
/------------------------------/
さてさて、どうしましょうねぇ。
「小二田先生の十返舎一九に対する研究を拝見」
何見たんでしょうか??
ネットで調べて研究会や展示のことがヒットしたんですかね。
あいにくですが私は「一九に対する研究」ほぼやってません。
「対する」もおかしいし「研究を拝見」も??
まぁ、日本語の作法をこういう人たちに言っても時間の無駄だけれど、それにしても、なんだか情けない。
実は、こういう話は、2年に一回くらいは私のような所にも来る。
しかし、今まで、話がまとまって私が何かしら協力したという例はありません。
なぜか。
知りたい情報があったらまずじぶんで調べる。
その分野ではアマチュアでも、とりあえず調べる(ネット検索でも、図書館でもまあいいや)ことは可能でしょ。
調べた結果得られた資料の評価については、専門家でないと判らないことが出てくるから、そういうときは質問した方が良い。
情報収集・調査というのはそういうものです。
この人は、その「エピソードが事実かどうか」自分で調べてるんだろうか。
たぶんやってない。
もし少しでも調べてれば、私には質問しないでしょ。
私にメールをよこしてしまったのは、ネットで引っかかった名前と連絡先の判る人、程度でしょう。
一九のプロはあんまりネット社会に情報発信してないからね。
誰に訊けばいいのか、ということを見極める力を養わないとだめですよ。
というわけで、一人のテレビやさんの揚げ足取りみたいな話になってますが、少なくとも私の所に問い合わせをしてくるマスコミ関係者で、まともな人は、まだいません。
そうなると、そういう業界って、そういう質なんだなぁと思ってしまうのですよ。
哀しいなぁ。
まぁ、時間がないとか、色々あるんでしょうけれども。
学問の現場ではこういうことの無いように、という教訓です。
そうそう、今日のゼミで、ずいぶん安心しました。
そこそこの質の卒論が出そろうのではないでしょうか。
そうそうそう。
それはさておき、十返舎一九。
来年はちょっと動きがあるかも知れないな。
さしあたり、
新春講演会「今、十返舎一九が面白い」 は大注目!!
静岡市長田公民館を拠点に活動してきた駿府十返舎一九研究会は、来春、中央公民館(アイセル)を会場として、大規模な講演会を開催します。研究会の成果発表と豪華ゲストの講演が無料!
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申し込みは、長田公民館 電話054-257-0780 fax054-257-8754です。
無料。
先着250名。
日時 08年1月9日(水)13:15~16:30
会場 静岡市葵区東草深3-18 静岡市中央公民館 一階ホール
講師
・駿府十返舎一九研究会
☆小池正胤:東京学芸大学名誉教授
☆棚橋正博:帝京大学教授
☆中山尚夫:東洋大学教授
☆松井今朝子:作家。「吉原手引草」で直木賞受賞。
一九の半生を描いた「そろそろ旅に」を「京都新聞」に連載、講談社から出版予定。
あ、そうそうそうそう、
冒頭の話。
質問をするメールの構成としては、たぶん今までで一番要領を得ているのではないかと思います。
惜しいことに、相手が間違っていたんだけれども。
おっしゃるように、今回のはまだいい方かもしれません。私のところに、以前「〈落ち着かない〉という言葉は、落ちを忘れた落語家が慌てふためく様子から来ている」という語源説の真偽を、いきなり電話で聞いてきたことすらありましたからね。
教養番組が増えるのはいいけれど、それを作る側に、(いろいろな意味での)力がないですね。