コニタス

書き留めておくほど重くはないけれど、忘れてしまうと悔いが残るような日々の想い。
気分の流れが見えるかな。

行脚の一徳 駿河小島行 前篇

2009-05-06 09:34:37 | 
駿河小島藩、と言って、ピンと来る人は、城郭マニアか、戯作好きだろう。

私は後者で、52号線を利用する度に、ここが「オジマ」かぁ、と思ってきた。
しかし、倉橋寿平は江戸詰だったし、平沢平格の秋田佐竹藩と違って物の数にもならない、彼を助けられなかった小藩だし、と、まぁ、ひどい話だが、20年訪問せず。
その間に一九研究会の人たちから、資料があるよ、と言う話も伺っていたのだけれど……。

で、5/4。「若手」研究家のお二人に誘われて、やっと足を踏み入れたのでした……。


長くなりますよ。



10時過ぎに興津駅到着。
徒歩で小島まで行って、陣屋跡を見て昼食は興津で食べて、清見寺も見学、と言うのが当初の予定。
海側のロータリーに出て、細い道をたどり、踏切を越えると果樹研究所。
プラタナスの並木は全国区だというのだけれど低く刈り込まれてちょっと不気味な風景。

旧道を北上。案外交通量が多く、恐い。

古い建物も点在し、丸ポストがまだ残っている。

そのうちの一つに解説板。文化財級らしい。

たしかにさっきのと微妙にデザインが違う。「便郵」だし。 


なるほど、自動車で行ったらこういう出会いはないなぁ、と納得しつつ、小一時間で小島。



龍津寺を横目に見て、まず陣屋跡を探します。

案内板を発見。 
道をたどり、その辺のおばちゃんに伺い……。
「裏門」でした。
畑。眺めの良い空き地。
それはそれで感慨。
ここの案内板で文化財マップを入手。

その地図に従っていくつかの興味深い建物をたどり……。
あぁこの家は「触元名主」さんの家です。どこかのサイトで武家屋敷って書いてあったけど、農家。
そして、この窓の多い建物は長屋門です。でかい。

かと思えば、見つからない建物もあり、「八幡様はどこですか」と訊ねてみると、「そこに」と言う。

指さす先に、我々の見たモノは?!!




あんまり衝撃的なのでサムネイル表示しません。クリックしてね。


これが神社。後ろの、ツツジが咲いているところに相当な巨木があったのを伐採したそうです。
近所の家を壊しそうだったとか、木の上で追いかけっこが出来たとか、薄暗くて恐かったとか。ちょっと想像が付きません。


露地を抜けて、52号に復帰すると目の前が元陣屋にあった書院の建物。様々な経緯を経て、今は公会堂というらしいんですが、看板は「文化財資料館」。


鍵がかかっています。中を覗くと、色々面白そうなモノも見えます。

そんなわけで、小島モータースへ。

ご主人がいらっしゃいました。
「案内しますから、車に乗って下さい」と、有無を言わさず……。
「空腹なので」というタイミングを逸し、この時点である種の覚悟を決める三人……。

車は「資料館」に向かわず、まず北上して小島小学校のチリメンカエデを見学、川を越え、吊り橋のある景勝地 (この吊り橋、土地の子は自転車で通るとか……)や万葉歌碑を巡り、もう一度お店に戻って今度は古文書ファイルで色々情報提供。

この時点でやっと我々は、このおじさんが、この町の文化財を守る会の代表であり、このショールームは事務局である、と言うことを明確に認識。

小島小学校のフィールドワーク教育に関する説明にはかなり感銘を受けました。 郷土愛って、こういう事。これはまた別の機会に。

あぁそうそう。
そういえば、さっき陣屋跡の裏門近くでみた酒瓶神社。
石の立派な解説板がありますが、そのちょっと奥にこんなモノがありました。

さて、いよいよ書院の建物。行ってみるとかなり傷みが激しく、文化財行政の問題も浮かび上がってきます。
跡地もある、建物もある。しかし、動けない。
それでも、こうやって、突然来た見物人を案内して下さるおじさんがいる……。

中に、陣屋跡の模型がありました。
この模型を作ったのは(社)静岡県建築士会清水支部50周年記念特別委員会。小島藩陣屋跡地整備計画というのが「あった」わけです。

ここで基礎知識おさらい。
Wikipedia小島藩
静岡市清水商工会小島両河内支所の名所案内
小島陣屋(城跡訪問記・個人サイト)

小島藩は小藩ですが、幕府直轄である駿府の周辺にある農村部の多くを領有していたわけで、実は静岡とはものすごく縁が深いのでした。


そして、このおじさんは!

静岡新聞記事「[静岡文化・芸術] 県文化奨励賞に2個人1団体」09,05,01

その辺のおばちゃんが、「おめでとうございます」と声を掛けてました。
そういうことなのか。
すごい!

で、いよいよ、国指定史跡、小島陣屋跡へ向かいます。


しかし、長くなったのでこの辺で切りましょう。
待て! 次回!

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