金原亭駒与志の世界

一天狗連の楽屋

ディズニー・オン・クラシック、良ござんした!

2011年11月26日 22時00分00秒 | 駒与志の寸評

 本日、"Disney on Classic, Magical Night 2011(まほうの夜の音楽会)"を鑑賞してきました。

          

 ディズニー・オン・クラシックとは、ディズニーのアニメーション、映画、テーマパークなどで生まれた"音楽"に焦点をあて、日本から発信される企画として、2002年に誕生したとのこと。ディズニーの名曲をオーケストラとブロードウェイ・ヴォーカリストで演奏する「大人のための音楽会」だそうです。

     

 アンコールでは、

When you wish upon a star
Make no difference who you are
Any thing your heart desires
Wili come to you

If your hearts is in your dream
No request is too extreme
When you wish upon a star
As dreamers do

Fate is kind
She brings to those who love
The sweet fulfillment of
Their secret longing

Like a bolt out of the blue
Fate steps in and sees you through
When you wish upon a star
Your dreams come true

『星に願いを』を会場で大合唱。そこはほとんど舞浜気分。
     
 芸術の秋に、なかなか良ござんした。

     

ネタ帖 三方一両損

2011年11月24日 00時00分00秒 | 高座

浅草阿部川町に住む左官の金太郎は、書付と印行(いんぎょう)と三両の金のはいった財布を拾った。書付から落し主が神田小柳町の大工吉五郎と判ったので、さっそく当人のところに届けに行く。

ところが、吉五郎、礼を言うどころか、「お節介な野郎だなあ。せっかく金を落として、いい気持ちに酒を飲んでたんだ。そこェ届けに来ゃがって、またこの三両の銭(ぜに)を今日中につかわなくっちゃァならねえ。骨が折れらあ。書付と印行は俺の物だ。貰っておくが、この三両の金は手前(てめぇ)にくれてやる。持って帰ェれ!」

金太郎のほうも一本気で、「持ち主が判った以上、返すのが当たり前。そんな金が欲しくて届けに来たんじゃねえ!」と頑張る。これじゃあ喧嘩にならないはずがない。とうとうドタンバタンとつかみ合いの大騒ぎ。

吉五郎の大家(おおや)が仲裁に出てきて、金太郎に謝ったから、一旦その場は納まった。ところが今度は、この一部終始を聞いた金太郎の大家が怒り、南町奉行・大岡越前守に訴え出る。



白洲に引き出された吉五郎と金太郎。双方とも金は受け取れぬと言い張るので、越前守は1両を出して四両とし、「二両ずつ両人に褒美としてつかわす。二人とも三両を懐に入れるべきところが二両になったのだから、各々一両の損。奉行も一両出したから一両の損。これ呼んで三方一両損である」との名裁きを申し渡して、一件落着。

お裁きの後、越前守のはからいで膳部が出た。二人が喜んで食べようとすると、
越前守「両人いかに空腹じゃからとて、あんまりたんと食すなよ」。
両人「へェ、多かぁ(大岡)食わねえ。たった、いちぜん(越前)」……。


【一口解説】
文化年間から口演されていた古い噺で、講談の『大岡政談』の一部が落語に脚色されたものです。ちなみに、大岡越前守忠相が登場する噺は、ほかにも『大工調べ』『帯久』『五貫裁き』『小間物屋政談』『唐茄子屋政談』などがあります。
実は、この噺のモデルとなったのは、大岡越前ではなくて、江戸初期に京都所司代であった板倉伊賀守勝重(1545~1624)なんだそうです。板倉勝重・重宗父子の事蹟を集めた『板倉政要』には「聖人公事の捌(さばき)」が載っています。

昨日訃報が入った五代目立川談志師の『三方一両損』も逸品でした。

     

立川談志 落語のピン 其の伍』(ポニーキャニオン)に収録されています。

談志、逝く。

2011年11月23日 17時58分51秒 | 日記

 とうとう談志師匠が逝ってしまった。。。

 夢中で紀伊国屋ホールの「談志ひとり会」を追っかけた、あのころ。談志じゃなきゃ、夜も日も明けなかった。ひとつの時代が終わった。

 五代目立川談志。
 誰が何と言おうが、昭和から平成を駆け抜けた「名人」でした。合掌。

嗚呼、落研時代(七)

2011年11月14日 00時00分00秒 | 中入り
 
 本業の噺の稽古はそれよりも何倍も厳しい。こうして、夏に行われる地獄の合宿を過ぎたころには、ちゃんと適正人数に調整されているという具合になっていました。

 そんなにいじめられても、僕たちが落研を辞めなかったのはなぜでしょうか。
 確かに「必ずうまくなって、あの先輩のような人気者になりたい」と念じていたこともあります。しかし、それ以上に、なんとか生き残って、翌年来るべき新下級生に「いじめの倍返し」をしなければ、とても割に合わないと正直に思っていたからです。

(この項、完)

親WA会 懇親会

2011年11月13日 13時40分00秒 | ご挨拶

 11月13日(日)、社会福祉法人しおん保育園において、新WA会・懇親会~高齢者を囲む会~にお招きをいただき、『浮世床』でご機嫌をうかがいました。

 最前列で小さなお子さんが急に大声を出したり、真ん中あたりで熱心に聴いてくだすったご婦人がサゲのネタばれ発言をされたり…と、なかなかエキサイティングな高座を経験いたしましたが、それでもご来場の皆さまには喜んでいただいたようで、たいへんに勉強になりました。

     

 口演後、お年寄りの皆さんと昼のお弁当を頂戴しながら、童謡やクリスマスのミニ音楽会を楽しみました(歌:植木澄子、弦楽器:神田幸彦、ピアノ:渡辺英理)。

 次の土曜日は、馬吉兄さんと二人で、地域ボランティアの落語会です。

隅田川七福神めぐり

2011年11月12日 21時47分31秒 | 日記
本日は、下町ミステリー・ウォークに参加し、隅田川七福神をめぐってきました。

毘沙門天(多聞寺)→寿老人(白髭神社)→福禄寿尊(百花園)→弁財天(長命寺)→布袋尊(弘福寺)→大黒神・恵比寿神(三囲神社)

            

スカイツリーの傍を通って、

      

最後は牛島神社にお参りして、浅草へ。

         

亀十」のどら焼きを買ってから、仲見世を経て、浅草の観音様

浅草寺の境内では、「浅草奥山こども歌舞伎まつり」をやっていました。

      

仲間で酒を飲んで、寿司を食って、解散。寿実した一日でした。感謝

せたが家落語会 ご来場御礼

2011年11月10日 00時00分00秒 | ご挨拶

11月9日「せたが家落語会」(下北沢)へ、平日の遅い時間に遠方にもかかわらず、たくさんのご贔屓様にご来場を賜り、誠にありがとうございました。

当日の駒与志は、『浮世床』を口演させていただきました。

       


会場には、声優でフリーアナウンサーの中村こずえさんも来てくださいました。

     

こずえさんのブログ「中村こずえのひとりごと」にも今回の落語会のことが紹介されています。


11月30日の霞が関寄席「馬吉・駒与志二人会」も宜しくお願いいたします。

口演録(11): 『小言幸兵衛』心配のゆくえ ~刑事と民事の交錯

2011年11月04日 00時00分00秒 | 落語市民と法
 のべつ小言ばかり言っている家主・幸兵衛のところへ、仕立屋が空き家を借りにやって来ます。物腰態度のていねいさに感心した幸兵衛が、いろいろ聞いてみますと、今年20歳で腕のいい男前の一人息子がいるという。これを聞いた幸兵衛の機嫌がとたんに悪くなります。

 長屋の古着屋にお花という19の一人娘がいるが、商売のうえでも近い関係だから、いずれ2人は相思相愛のいい仲になるだろう。しかし、どちらも一人っ子では、嫁には出せず、婿にもやれないから、お定まりの心中沙汰。だから、とても家を貸せないというのです。



 では、なぜ幸兵衛は、そんなに心中を心配したのでしょうか。それは、当時の重罪だったからです。生き残った心中未遂者に対しては、「三日晒しの扱い」でした。

 現代の法律では、刑事と民事で、適用される法律も裁判手続も厳格に区別されています。しかし、江戸期では、吟味筋の出入筋による解決、すなわち、刑事事件なのに民事手続きで解決するということが行われていたようです。

 本来ならば心中未遂も、吟味筋(刑事事件)として処理されるべきところですが、「酩酊あるいは口論のうえ逆上して相手を負傷させ、これを公開して自殺を試みたが失敗に終わった」という内容の供述をするように当事者を誘導し、出入筋(民事事件)として処理していたらしいのです。