別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン9 雑感感想9

2015-12-26 09:51:58 | シーズン9
第13話 過激なダイエット

この回、面白かったなあーと満足してたら、本国ではこのシーズンのワーストエピソードNO.1だったそうで(・。・; なんで?!
冒頭とラストのサム発言のせいなんですね、ハイ。
例によって動じませんぜ私。

その話はあとにして、兄貴の給食のおにいさん、弟のヨガコーチ姿が見れたのはみんな満足のはず!
それとドーナッツをほうばる兄vvv シュガーで口元を白くしている、おさとうさんv
ドナ保安官、ぽっちゃりで笑顔が可愛い。

“アメリカの強い男像”の古き考え方が抜けないディーン。「ケつをぶっ叩いて、ダメなやつは徹底的にしごく!」 イイ笑顔です(笑)
しかしサムがヨガの先生と付き合ってたっていつさ!? 一定期間兄弟が離れてたのは、サムの学生時代、ディーンの地獄落ち、煉獄行き、あとはロボサム時代ぐらいだった(あらためてもすごい) スタンフォード時代はジェシカと付き合う前もバイトと勉強に明け暮れていたし、地獄時期はルビーと復讐、煉獄時期はアメリアと失意で、他の女と親密になるような余裕はどこにもなかったはず。ロボサムがヨガを教わるほど女性ときゃっきゃするとも思えない。
それにしても本当に、ディーンがいないと女とアンニュイか問題を起こしてるかの弟(笑)
ダウンドックは正式にはダウンワード・フェイシング・ドック。下向きの犬のポーズ。私もヨガ歴は長いけど、あれ5分も出来ないよ! よほど背筋が強くないとね。頭に血が上るし。そりゃサムならできるだろうよ(笑) ダウンドックくらいなら本見てもできるけれど、アシュタンガヨガの上級クラスなんて、高度で教えるふりでも難しいけどねえ。

しぶしぶ配膳してるヘアネット兄と、フィットネスウェアがまぶしい弟の応酬。キッチン部ボスに「インストさんといちゃついてないで仕事」と言われる(吹替え推奨)
オートミール食べるのかディーン。意外だ。やはり幼少期のまともな食習慣は根強い。
塩キャラメルプリンのカップに入れ方がちょう雑vvv
スィートポテトなスィート兄の手から滑り落ちたスマホが、プリンのカップにうまく入った(笑)

睡眠薬入りのプリンを食べてぶっ倒れるディーン。早くないか。ドナ保安官は食べてから施術室で会話してるくらいの間があったのに。
ディーンが睡眠薬をよく知ってるので、飲んでたことがあるようなサムとの会話だけど、睡眠薬はとっさに起きれないからハンターに不向き。
あれはディーンが酒浸りなのを匂わせてるんだな。アルコールは睡眠薬の効果を増長するから。
レタスを食うと胃を大きくするのか。逆に腹が膨れて食欲が押さえられるような気がするが。野菜を先に食べる糖質制限とかあるよね。だから彼は痩せてるのか?
ピシュタコの吸引シーンはキモかった。女優さん綺麗なのに、あんな特撮嫌だろうな(^_^;)


さて、今回ピークのサム問題発言について。
冒頭、兄弟には戻れないと言ったことを気にしてるんだろ、いや全然気にしてないのやりとりがあり、サムの「正直に言っただけだ」の追い打ち。ディーンは「そういう奴だよな」と気にしないふりをして、明らかに傷ついている。

ピシュタコのマウリッサを殺すか(兄)、逃すか(弟)で話し合った時。
ディーン「おまえは狩りに私情を挟むなって言いたかったんだろ」 ←まだわかってない。というかわかりたくない兄。
サム「兄弟っていう私情を挟みたくないって言ったんだ。でも情けはある。ガドリエルが僕に入ってた時にハンターと出くわしたら? 殺されたかもしれない。僕が死んでも構わないって言えるか?」

サムは執拗に“兄弟間の情”を排除したがる。でもパートナーとしては助け合い支え合うことはありという。
ディーンに兄弟であることを脇にのけて組めというのは不可能。サムが一番わかってるはず。
兄がその性質がゆえに絶対に理解できないことでも、お互いのために切り離すことは必要なんだという想いからか言い募るサム。

そしてラスト。かなり長い、辛い会話が繰り広げられる。

ディーン「何もかもお前を救うためだった」「またああなったら同じことをする。何度だってやる」

サム「そこだよ、違ってるとこ」「僕を救ったことで兄としての務めを果たした、英雄になった気でいるんだろ。行き当たりばったりに行動した挙句、へまをやらかしてもこれでいいと思ってる。大勢を殺しても、その分救ってるから俺は正しいってね」
「でも違う。ケヴィンを守れなかったし、クラウリーを逃がした。天使だってまだ追い払えていない。いったい何のために僕を生かした。何の役に立っている」

ディーン「たってるさ。一緒に戦ってる。俺たちは向かうところ敵なし」

サム「今だけは正直になってくれ。僕が大事だから救ったんじゃない。自分が大事だから救ったんだ」

ディーン「何言ってる」

サム「僕は死ぬ覚悟ができていた。死ぬべきだった。でもディーンは一人になりたくなかった。これがすべての理由なんだ。一人になるのが嫌だから僕を救った。ハッキリ言ってやる。本当は誰が犠牲になっても構わないんだろ。自分が犠牲にならない限りは」

ディーン「俺も正直に言ってやる。俺とおまえの立場が逆だったら、俺が死にかけてたら、お前も同じことをする」

サム「しないと思う。あの状況なら」
「ディーンが死にかけていても救わない」


吹替え版にて。原語や字幕だとニュアンスが多少違ってくるけれど。
このやりとり、サムのキツい物言いとラストの衝撃発言に、兄だけでなく全米(ファン)が騒然…。

サムは、自分が死ぬことでできたはずの清算が、兄の孤独への恐れから強引にとった手段で台無しになったと言う。
けれどこの会話でのサムのディーンへの攻撃にもとれるセリフは、実はサムが自分自身へ向けた責めでもあるんだよね。
思い出すのは、第一話で危篤状態の夢の中で、サムは死の騎士の迎えをうける。そこにディーンに化けたガドリエルが追ってきて、「お前がいなきゃ俺も死んじまう」と言った時のシーン。
あの時のサムは目を真っ赤にして涙ぐんでいた。そして兄の手を取った。ガドリエルだったかどうかは問題じゃない。泣き落としに負けたわけでもない。
兄を一人残して死ねないとサム自身が思ったから、その手を取った 彼もやはり“情”で兄を残せなかった。
そしてそれがゆえに、また犠牲者が出る振出しに戻ってしまった。

シーズン8のラスト、自分が死ねば地獄の門が閉められるだけでなく、もう兄貴を失望させないですむと言ったサムは、ディーンの説得に試練をやめた。
土壇場で“兄弟の情”を選ぶのは兄だけでなく、サムも繰り返している。
ケヴィンの死に深い罪悪感を抱いても、また同じ事態が起これば同じことをすると言いきる兄に、兄弟の情が最優先という前提が引き起こす犠牲の多さを正したいサム。一線を引いて兄を突き放そうとしている弟は、自分自身も陥りがちな“情”のループをなんとかしたいと願ってる。ディーンにキツイことを言う時のサムは、冷酷でもクールでもなく、もどかし気でやりきれなさが滲んでる。

僕の生きている意義は何だ (サム)
二人で戦い抜くことだ (ディーン)    字幕版

サムが数話前の回でキャスに言った、「責任を取るのが人間の義務なんだ」 サムは自分の大罪の清算を願ってきたけど、それはいつも互いを選んでしまうことで無効になる。人間を害さないと決めて弟をハンターにゆだねたピシュタコの姉。夫を殺されたからとはいえ、辛い選択だった。自分たちも世界に害をなす存在になった時、またはその落とし前をつけるときは、互いを兄弟の情から切り離して選択しよう。それを互いに尊重しようというのがサムの想いだが、ディーンにとっては弟と戦い続けることが至上だから、互いを選ぶことがいけないと言われても理解できるはずもない。

「僕は助けない」は、あとに「あの状況なら」とついてる。
どこかで終わりにしなきゃならない。死の騎士自ら迎えに来てくれる栄誉に預かれ、してきたことを責められず讃えられ。戦いの人生から卒業する。
ハンターとして、世界を救ったものとして、世界を混乱に導いたものとして、望む限り最高の終わりじゃないか。
そう思っていたサムが、ディーンが同じような場面になったら助けずにいるというのは不思議じゃない。

サムはクラウリーが迎えに来た夢の中で、それまで忘れさせられていたガドリエルが入った自分の所業を思い出した。あの時、ケヴィンや天使を器ごと殺した記憶と共に、ディーンが自分をどれだけ気遣い、秘密を打ち明けようと何度も葛藤してたことも思い出してるんだよね。
自分を守るためのディーンの選択は、サムだけでなくディーン自身にいつも枷をつくる。幼いころから自分の人生より弟と家族を選んできたディーンをその枷から外すためには、あえて突き放すしかない。サムはそう思ってる。

でもそれは頭で考えた方法なので、ディーンの本能には響かない。

理想と現実、理性と感情、お題目と本能。いつも二人はその間で右往左往するけれど、肝心なのはドラマの成り立ちからという条件を越えて、兄弟二人が常に共にあるよう、導かれているということ。
ここまでドラマが続いて、世界を救うウィンチェスター兄弟から、破滅を呼ぶウィンチェスター兄弟のようになってきているストーリーライン。
それでも二人を引き離せないのは、神自身がその兄弟のドラマを望んでいるからじゃないのか。

以前の、子供っぽい怒りでプンプンすねて兄に冷たく当たるサムと違い、通常は今までのように兄に接して軽口も言うし、パートナーとしても息が合っていて助けにもくる。だからこそ折に触れての兄弟絶縁発言が、逆にショックに感じる人も多いんだろう。
でもサムが兄と一緒にいて、それで言っているという方が大事。
相手のことを諦めてたり、信用してなかったら、側にいられるわけはない。
口についたお砂糖を注意するのは兄弟愛じゃないかららしい(笑)

自分の意志や決意が、いつでも何者かに作用されて罪を重ねてしまったサムの苦しさをディーンは体験していない。
弟を、家族を守るのが生きている意味であり、それは絶対に変えられないディーンの哀しみをサムはわかりきれない。

サムは「正直になってくれ」と結構ディーンに言ってきたけれど、彼自身は本音を兄の嫌いな味のオブラートにくるみまくって差し出す男。
ディーンは直球だけど辛い思いは隠し通すし、サムは言いたいことを言うようでいて超弩級の捻り玉で打って出るから、この兄弟は毎度厄介(^_^;)

二人はどうこの根本的問題に向かっていくのか。まだ山場は続きます。



4 コメント

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Unknown (どどんぱ)
2021-03-16 11:34:10
突然お邪魔いたします m(__)m
S8までDVD買ってて、「兄ちゃんを探さないサム」にちょっとめげて「終わってからまとめて観よう」(←この頃、S11辺りで終わりそうな雰囲気だった…)となって、今頃S14までディスク買って追っかけている、のっそりファンです(ようやくS10まで来た…(汗))。ストーリーはスクリプトで追っかけてたので、内容は知ってましたが…。

安いボックス買ったらEPリストがなくて、ドナさん初出の回がどこだか分からず、検索しているうちにお邪魔させていただいております。ドーナツシーン、かわいいですよね。
私の場合、元のニュアンスが知りたくて吹き替えでは観ないんですが、結構楽しそうですね(^^)。一回りしてから見てみよっと。

ちなみに、
>ディーンが睡眠薬をよく知ってるので、飲んでたことがあるようなサムとの会話だけど
のところですが、
「サプリメントじゃねえ、こいつはroofies(レイプドラッグ)だ」
「なんで見ただけでレイプドラッグって分かるんだよ?」
「分かんねえほうがヤバいだろ。一服盛られて腎臓盗まれて、ホテルのバスタブで氷漬けにされたいわけねえだろ、チェチェンかよ?」

あちらの「都市伝説」なんですが、
旅行者がバーで一服盛られて、昏睡状態になっている間に臓器売買組織に腎臓を1つ切り取られる。目が覚めると、氷だらけのホテルのバスタブに首まで漬かっている(多分止血のため?)。目の前にはメモと携帯電話。メモには「お前の腎臓を1つ頂いた。絶対に動かず、この携帯で直ちに911にコールして助けを呼べ」と書かれている。
というのがあって、兄貴はその話をしてるようです。臓器密売組織が、チェチェンとか南アメリカに関連してるとかいう話なので「チェチェン」が出てくるのかと。
アメリカではバーで一服盛られるってのは凄く多いみたいですから、バーによく出入りする兄ちゃんは、そういう経験(盛られそうになったり、盛ってるところを見たり)も、多々あるんでしょうね。

お邪魔いたしました~。
トリビアだらけv (山吹@管理人)
2021-03-17 17:23:10
どどんぱさん、初めまして。コメントありがとうございます!

ふむふむ、なるほど。SPNはメリケン都市伝説や新旧アメドラ、映画のネタだらけなんですよね。そこを詳しく解説してくれてるブログかサイトさんもあるようですが、自分が見てないとわからないのでたいていはスルーしております(笑) わかればもっと、さらに面白いんだろうなあとはいつも思っています。
このネタはリアルっぽいけど、どうもSPNはそちらの恐怖は感じないホラーアクション(スパドラでのカテゴリー)

長年のドラマになると、どこでつまずいて挫折するか人それぞれですね(^^; 私はSPNに関する限りは、しつこく見続けてますが、シーズン7の頃に多少投げやりでした(笑) 逆に多くが怒って離れたS8のサム問題は全然平気で、「ふむ、カーヴァーの奴、搦め手で来やがったな」とか闘志が沸きました。変人です(笑)
まあ、あのサムが女ができようができまいが、兄が死んだと決めつけて探さないってのは感情以前に無理な設定で、そこらはしくじったなと思いましたが(笑)

ドナは大好きですv 彼女ほんといいですよね。兄と一緒だと、なぜかお花畑っぽいw
アマプラ他での配信が終了してしまったそうで、DVDを見ない人には布教できなくなってしまい残念な中、しがみついてでもファイナルまで見て頂ける人、募集中です(誰) どうか頑張って、ファイナルシーズンまで兄弟と仲間たちを見守って下さい! 能書きブログですが、ご覧いただければ嬉しいです~。
Unknown (どどんぱ)
2021-03-19 21:39:18
山吹さま

S8が「ムリ!」ってんでもなかったんですが、天使ラインのウジャウジャは面白くないし、兄弟はなんかギクシャクしてて…となると「今観たい〜!!」とはならなくて(苦笑)。だから密林プライムで面白そうなところをつまみ食いで、飛び飛びに観てました(←不真面目)。

スパナチュの年上女性陣はみんなカッコいいですね。ドナさんは一番好きです(^^)。ウサギの頭の話とかも。

引用は、メジャーどころの引用でないと、ほぼ分からないですよね。『オズ』の引用は結構多いのは何となくわかります(オズファンなので)。アメリカの「桃太郎」的位置付けなのかなぁ、なとど思ってましたが、もしかしてクリプキ氏が個人的に好きなのかな?? 
まあ、物語の始まりも賢人の基地もカンザスですからね。
2–20 What Is and What Should Never Be
は、オズからの引用が多かったですね。

ちなみに、『Scary Stories to Tell in the Dark』というアメリカ版『トイレの花子さん』みたいな本は、「スパナチュの最初の種本!?」というくらい、ネタが被ってて面白かったです(ウェンディゴ、フックマン、ブラッディメアリー)。

またうろちょろさせていただきますm(_ _)m。長文失礼しました〜。
PC不調(^^; (山吹)
2021-03-21 16:24:33
どどんぱさん、返信ままならぬPCでした(汗)

OZ見てないんですよ。昔はスパドラを買ってたんですが、諸事情によりやめてしまいまして。見たのはメンタリスト、クリマイ、ブラックリストの初期位という体たらく。あ、ビックバンセオリーは見たかw

SPNのホラーテイストより、兄弟関係にこだわりまくるブログです(笑) でも花子さんは面白そうだな。
天使関連がおもろくないのは全面的に賛同です(笑)

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