別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン15 けじめ感想3

2021-09-03 19:19:17 | シーズン15

第3話 リリスの杖

OPですでにフラグ…。
ほとんど花火な霊アタック。綺麗やんけ。
ロウィーナ、ピンクのドレスに着替えてる。持ってきたのか。可愛いな。
1話の霊廟に集合する面々。ロウィーナは確実な呪いをすると自信満々だったが、呪いははじかれて吹っ飛ばされる。
「みんな死んでしまう」 絶望のロウィーナ。幽霊たちの激しい怒りのエネルギーが強力すぎる。
今度はサムが諦め気味でディーンがヤル気。というかヤケ。見栄っ張りのオタク野郎に勝手させるかと息巻く。

霊廟を出ていったベルフェゴールを追っていくキャス。「やっと俺の目を見てくれた」「目はないだろ」
ベルが言うには、リリスが自分勝手な悪魔どもを従える手段として作った『リリスの杖』があるという。
杖というより角笛で、それを吹けば彷徨える魂をすべて吸収できる。地獄のリリスの部屋にまだあるはず。
裂け目はロウィーナが自分で開発した魔法で閉めることに。
材料は簡単に集められるものだが、助手がいる。「サミュエルがいい」 ご指名はいりました。
裂け目のそばで橋渡しの役も必要。霊がどんどこやってくる場所でかなり危険。兄貴の不敵な笑み(ヤケ)
ベルフェゴールもカオスの地獄での護衛が必要だと、キャスを見る(目はない) ご指名はいりました。
「キャスが行く」ディーンあっさり指定。傷ついた表情のキャス。

病院で寝ていたケッチが目覚め、ナースが止めるのも聞かず退院しようとするが、入ってきた女医がナースの首をひねり黒い目に。アルダト女史。
乱闘になるが、アルダトに抑えられるケッチ。ベルフェゴールじゃなく、友達をかばってる。守りたいの?と。
「命に代えても」
アルダトに心臓をえぐり取られるケッチ…。

裂け目に向かうベルフェゴールとキャス。魔女が裂け目を閉じたら、あんたどうやって戻るつもり? 危険な役目なのに、お友達は気にしてなさそうと突っつく。
キャスの返事は、ベルを突き落とすこと(^^; 自分はえいやっと飛び込む。
仲間のスティービーが材料を運んできた。フクロウの頭蓋骨に「RIP, ヘドウィグ」と言うディーン。
弟をオタク扱いするが、結局兄もハリポタを見ている。
ケッチから今からそちらに向かうと連絡が入る。ディーンは場所を教えてしまうが、それはアルダトだった。
地獄は閑散としている。みんな出ていったことを知ってたなと言うキャスに、のらりくらりかわすベルフェゴール。あんたと仲間になりたいんだ、なんで俺を嫌うか教えてよと食い下がる。
息子同然のジャックの身体を乗っ取っているおまえには、嫌悪感しかないとぶちまけるキャス。
その割に、リリスの部屋の扉の前でベルにせっつかれるまま先に入るキャス。気が良すぎる。
そこでは先客が部屋を荒らしていた。お宝一杯かついだ浮浪者風体の男。
「マルファヤン?」「ベル!」 ダチかよ。
コソ泥の成果自慢に入る前に、キャスがさっくり刺殺。
ベル「マジで?」 キャス「目的は一つだ、収拾しろ」 ベル「はいよ」 日本語の吹替え、軽妙でいいなv
リリスの杖はエノク語が刻まれている箱に入っている。エノク語を読めるのはリリスだけだったと言うベル。
ルシファーを讃える歌詞…。リリスも騙されてたもんだ。
キャスが読み上げたが箱は開かず。歌詞なんだから歌わないと駄目なんじゃない?とベル。
ため息ついて歌いはじ…カーット!(未公開シーンで歌ってます)

集中してとロウィーナがたしなめるも、兄が心配でソワソワなサム。でも暗記はお手の物。
ディーンは裂け目の淵でケッチを待っているが来ない。
箱が開き、ベル「キャスの声は…まるで天使」 だから歌切ったなw
笛を吹こうという際に、アルダトが来てベルフェゴールを吹っ飛ばす。
ベルフェゴールの目的は地獄を支配すること。こんなやつの味方をするの?とキャスを締め上げるアルダトを、後ろからベルフェゴールが天使の剣で刺殺。
本性を現したベル。リリスの杖の本当の力は魂を集めるのではなく、吹いた者の中に取り入れる。あらゆる悪霊と悪魔のパワーを得て、自分は神みたいなもんになる。「神はいないっていうからさ」
神もクソなので、こいつがなってもさして変わらんかも(兄的思考)
止めようとしたキャスだが、ベルが角笛を吹き、魂が吸収されていくパワーに近づけず。

角笛の音は地上にも響き、ロウィーナとサムは手を取り合って呪文を唱えだす。
どんどん吸い込まれる霊。ディーンも前回のソウルキャッチャー@兄命名(切り裂き入り)を投げ込む。
ようやく近づいたキャス、ベルフェゴールを殴りまくる。「やめて、僕だよ。ジャックだ」
キャスはベルフェゴールを天使パワーで焼き殺す。ほんとパワー少なくなったね…。そしてジャックの身体は黒焦げに。脱力するキャス。
魂が飛んでこなくなり、様子が変だと兄はサムに電話。
兄弟が電話中に、ロウィーナはナイフで自分の肩を刺し小袋を取り出す。何度も生き返った黄泉がえりのまじない袋。「もう必要ない」
しかしルシに焼き尽くされた時も、あれ発動したのか…(今更の突っ込み)
混乱しているサムに説明するロウィーナ。魔術は何でも可能。でも私の血と身体を捧げる必要がある。魂を吸い込み、裂け目に飛び込む。そして私を殺すのはあなたと決まってる。
「嫌だ!」と拒否するサムを諭すロウィーナ。

「あなたならと覚悟していた。命を差し出す、あなたやディーン、ましてや世界を救う気もない。でも預言と魔法は信じている」
「あたしたち、実はウマが合うとわかったのにね。でも世界を、兄さんを死なせても私を生かしたい?」

サム「いや…」 ロウィーナを抱きしめ、泣きながら腹部にナイフを突き立てるサム。
「よくやったわ」 サムの顎をつかんで褒めるロウィーナ(涙)

戻ってきたキャスに、ベルフェゴールを殺し角笛を壊したことを聞き、ディーン驚愕。
二人がもめているときに、霊廟から現れたロウィーナが血まみれの腹部に魂を吸い込みながら歩いてくる。後ろには苦悶の表情のサム。
三人を見まわし、「お別れね」 裂け目に飛び込むロウィーナ。
ディーン呆然。キャス辛そうで悔し気。サム悲痛な表情。

部屋で沈んでいるサム。入ってきたディーンが励ましつつ、ケッチの死について告げる。
「俺達は勝った。自分を責めるな」
キャスと兄はまた言い争う。ベルフェゴールのことはあとでどうにでもできたと。
計画は変更がつきものだというキャスに、「計算違いはいつだっておまえだろ」 言い過ぎ…
「前の君なら信じてくれただろう。今は私をロクに見もしない。天使のパワーが落ちたことも話せなかった」
「ジャックは死んで神もいない。そして君にはサムがいる。私は別の道を探す」 出ていくキャス。

 

馴染みキャストをどんどん出してどんどん断捨離していくスタイル

最終シーズンならではのシビアさ…。
何度か書いてますが、ファイナルシーズンのネタバレは極力避けてました。J2情報は見たかったので、そのはずみでちょろっと見てしまったことはあったけど、ほとんどは知らずにDVD見ました。

前シーズンでフラグが立っていたので、このファイナルシーズンでロウィーナの死は予告されてたよね。でも3話目で死ぬとは思ってなくて驚いた。さみしい。
OPですぐにわかったけど…。彼女が珍しくピンクのドレスを着たのにグッときた。初期には真っ赤なドレスの時もあり、その頃のロウィーナに似合ってた。派手な色の服もシックなドレスも着こなした、お洒落な稀代の魔女。
蛍光がかっていて目立つけど、ピンクは着たことなかった気がする。私が覚えてないだけかな。
サムに呼び出された際に、すでに予感があったようには見えなかったけれど。
それでも、いずれはその時が来ると心してたロウィーナ。自分の身を犠牲にする柄じゃないけれど、条件がそろった時にサムがいれば、その時だと。

サムとロウィーナの関係性は、まずは「ルシファーまじ勘弁」同盟から始まった。コヴェンにかけられた鎖を解き放ちパワーアップできたのは、サムがルシファーにおびえる彼女に同情したから。
そしてサムがロウィーナを殺すのがデスノートに書かれた運命だと知った時に、二人の絆は奇妙に強まった。
サムは何があっても自分を残酷に殺しはしない。大きな目的のためにだろう。ルシファーに与えられた恐怖と苦痛に満ちた死ではないはず。そう信じたからこそ、かえってロウィーナは落ち着いて兄弟の味方になった気がする。
そしてロウィーナは、サムに対して母性が芽生えてたと思う。
辛いトラウマから、複雑に捻じれた関係の息子クラウリーには与えることを禁じた愛情。ロウィーナは本来は愛情深いからこそ、それを自分に禁じて魔法に打ち込んでのし上がった。でも見ず知らずの自分を救ってくれた家族の少年、オスカーには不老不死の魔術をかけるほど可愛がっていた。クラウリーが死んだと知って、後悔し甦らせようともした。
ディーンにさえ、何もかも忘れていく呪いにかかった時、無邪気な兄に優しかったし本音を漏らした。
賢くて魔術もかじり、しっかりしてるようで兄には甘ったれなサムに、ロウィーナは愛情を感じてたと思う。「サミュエル」という呼び方に、それを感じた。

そしてロウィーナは、ディーンにもキャスにもサムほどではないけど、困った可愛い坊やたちという想いでいたと思う。
「お別れね」ー〝GoodBye , boys”は、クラウリーの最後の三人にかけた言葉、〝Bye, boys”と重なる。アラフォーの兄弟はまだboysと呼ばれることがよくある。ボビーやメアリーには本当にボーイズだし、年上のジョディが二人を呼ぶ時も同じ意味合いだろう。でも数百年生きて黒魔女でもあったロウィーナにとっては、数千年以上のキャスも含めて、どんな目にあわされようが立ち上がり続けた彼らは、永遠の少年に感じられたんじゃないか。クラウリーもまた、半分は揶揄もあったけど同じだったと思う。
でも最後のロウィーナは、苦痛にあえぎつつもしっかりと歩みながら、どこか少女のように可憐だった。ピンクのドレスを死に装束に、捨てた真心を見せて落ちていった。
世界も兄弟も救う義理はない、そう言いながらも、母子共に兄弟とキャスを助けて去っていったね。

ウィンチェスター兄弟とその母に、人生を変えられた男も、今回逝った。
さすがにケッチに厳しい私も、もうガタガタ言わないよ。可哀想だった。
アルダトに向けて言った「命に代えても」 そこまでするほどには、兄弟は彼の死を悼んでいなかったけど(^^; 兄弟は身近の死に慣れ過ぎている。
兄弟はいつでも、家族と仲間の絆の強さを知らぬ者たちに、それを印象付けて虜にさせる。
危ない時には助っ人として現れるスタンスでも、今や一匹狼になったケッチには仲間と思えてた。
けれど相変わらず悪魔の依頼を受けていたことが、命取りにもなった。危険な悪魔と聞いてベルフェゴールの暗殺を請け負ったのだとしても、それを依頼したのも悪魔。たいてい五十歩百歩。
ケッチを生み出し、兄弟の前に登場させたのもチャックの筋書きのひとつだとしても、メアリーの復活はアマラがしたものだし、ケッチが蘇って兄弟の味方になるのも書いたとは思えない。チャックは人物を創造し登場設定を描くけど、彼らの感情と選択を作ることはできないんだよね。特に今は力が削がれてるから、ケッチをアルダトに殺させるシナリオなんて書いてられないはず。
兄弟に味方して罪滅ぼしをしても、悪魔の依頼も好条件なら受けるという自身の選択が死を招いた。アルダトがケッチのスマホで彼に成りすますのも、S12で殺したミックのスマホでケッチ自身がやったこと。つまりは因果は巡る。
だから死んで当然というわけじゃないよ。ただこれで、チャックがしたことも巡ってくるという感じも受けた。

ベルフェゴール、3回の登場にて退場。はやっ。ジャックの復活も早いんだなと思った(笑)
奴に関してはアレクの演じ分けが楽しかった。あの健気な時と怖い時の差が激しい目を封じての演技。ガムでも嚙んでそうなベルフェゴールのチンピラな所作とお軽い返し。でも兄弟とキャスを観察してるのもわかる。
リリスの杖の箱を開けられるのが天使だと知ってたから、キャスに付きまとった。クラウリーが開けようともしなかったってのは、昔の奴からは無理のある設定だが(^^; クラはエノク語読めそうだったし。
ディーンは地獄にいたときのことを知ってるし、局面に立つと味方でも撃つ腕にものを言わせまくりタイプとみて、触らぬ兄に祟りなし姿勢。サムは寛容そうに見えて、ルシファーに見初められて器になったこともある。やっぱウィンチェスターやべえ。そんな感じ(笑)
いかに自分に嫌悪感の塊で怒りっぽいとはいえ、やはりお人よしの天使こそ使える。エノク語読めるし、器にしてる小僧を気にしてるし、ディーンにツンケンされてしょぼくれてる。つけ込めると踏んでる。そんな感じが伝わってきたベルフェゴール。最後の詰めは甘いというスパナチュの悪党あるあるで、ジャックの振りをするやらかしで逆鱗に触れてさようなら。うん、面白かったよあんた。少なくともアスモデウスよりは(まだ言うか)

キャスとディーンの件は佳境に(^^; どうせいずれは仲直りするのに、まず盛り上げる姿勢。
メアリーの件でキャスは兄に遠慮もあり、自分のことを言えなかった。が、前回ケッチを治せないことをサムには言ったよね。サムは疲れてるだけだよって、天使疲れるって本来おかしいだろ。アルダトにぶっ飛ばされて気絶もしてた。天使が気絶。
キャスは色々あるからと視聴者は察するが、サムは知らんだろ。兄はツン期なわけだが、サムも地獄に行かされるキャスについて、別段止めてない。弟もたいがい(^^;
まあサムはロウィーナと呪いという一番安全っぽい役回りだけど、バリアが破られたら守ってるハンターたちも街の人たちも殺され、世界中が破滅する。そっちに頭が行ってるんだよね。サムはハンターのリーダーだし。兄もかなり危険な役目と聞いて(ロウィーナがサムと二人になるために盛った感)、それも心配。むしろそばにいたい。キャスはある意味正しいんだよ。でもそんなの知ってたよね。ロウィーナはよくわかってたよ。
ラストシーズン、キャスも活躍するとは思ってたので、この際は我慢してくれという回。ジャックと再会するという役目が待ってるぞ。

サムは殺すしかなかったこと以上に、辛くて悲しいんだよね。自分もかつて地獄の裂け目に飛び込んだ。その意味を知っている。そしてそれを見とどけるしかなかった兄も、今のサムの気持ちをわかってる。
けれどロウィーナを殺したのがサムと言えるのかな? 確かに致命傷は与えた。けれど傷口を自らえぐり、まじない袋を外し、裂け目に飛び込んだのはロウィーナ自身。彼女は預言を受け入れたけれど、自分で選択してボーイズと世界を救う道を選んだと私は思う。

それぞれの選択が、決められたさだめの意味を変える。
それを決めることは、チャックにもできないんだよ。

 

 

 

 

 

 


コメントを投稿