こっちゃんと映画をみまちょ♪

レビューと呼ぶほど中身なし。しかし中身が無いのも中身のウチよのぅ。・・・なんちって。

アンジェラ (2005)

2006年05月08日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  試写会 
上映時間 90分
製作国 フランス
公開情報 劇場公開 (アスミック・エース)
初公開年月 2006/05/13
ジャンル ロマンス/犯罪

48時間後、俺の命は奪われているかもしれない。こんな人生、もうたくさんだ。アレクサンドル三世橋から見下ろすセーヌ河。ここで何もかも終わりにしようと思った。その瞬間、突然、君が隣に現れた。透けるような白い肌に神々しく輝く金色の髪。細く、長く、滑らかな曲線を描く肢体を持つ、美しい人。俺は君を見上げ、息を呑んで、そこに立ちすくんだ。「あなたと同じことをする」いきなりそう告げて君は飛び降りた。次の瞬間、俺も君を目がけて飛び降りていった。「死なせたくない」あまりにも無謀で、無垢で、はじめての感情だった…。アンジェラ、君は一体、何者なんだ?

 

(goo映画より抜粋)

試写会でクギを刺されました。あ。”頭に”とかってコトじゃないですよ。「念を押された」って意味です。
え、何をって?それはネ・・・。( ̄∀ ̄*)ムフフ あ、それを言う前に、まずご忠告!

まだこの映画をご覧になっていない方につきましては、”絶対に”この先を読まないで下さい!

それでも読んじゃうアナタのために、念のため いつもの”こっちゃん流”で、完全ネタバレはさせないように進めて行きますが、その「クギを刺された」一件が、果たして”どの部分”をそう言ったのか?今になって 分からなくなってしまったからです。
そんな不安定なカンジで今回は行ってみたいと思いますので....。

この映画「アンジェラ」は、GW真っ只中に催されたテレビ局主催の試写会で観たのですが、そこで「リュック・ベッソン監督からメッセージが届いております。」などと大胆不敵な発言でこの映画の紹介を始めた司会者さんが、次のようなコトをおっしゃってました。

つまりこの記事の上段のあらすじにもある「”アンジェラの正体”について、アンタの口からバラしちゃアカン!」というモノ(文面詳細はHPの”LETTER FROM LB”に掲載されています)それは今思えば、こっちゃんの勝手な思い込みで、受け取り方を大きく間違っただけかもしれませんが、その時は確かにそんな風に聞こえました。こっちゃんの他にもそう受け取った方が多かったと思います。

し、しかしっ!
後になってみれば、”その正体”についてはなんとクッキリ・ハッキリとチラシの表にも裏にも既に書かれているではないですか!こりゃナンじゃ? (○ ̄ ~  ̄○;)ウーン....。

ちなみに、この映画のキャッチコピーは「泣き虫で凶暴 出逢うはずはなかった 君は天使」です。

しかも家に帰ってTVを観れば、この映画のTVスポットまでもが”その正体”について堂々と名前をあげてしまってる。あれ?あれれ~?

そこで再度、良ぉ~っくチラシを読み直すと「決して”エンディングの秘密”を明かさないで下さい」と書かれているではあーりませんか。「あぁ、そっちね」と妙に納得してしまったワケです。
なんだ”正体”の方じゃなかったか?紛らわしーなぁ。

でもね・・・イマイチその点が自信がない。

つまり、この映画「アンジェラ」のチラシは、日本でも二種類のモノが用意されているのですが(こっちゃんの知る限りの範囲でございます)、その2枚を比べると実はニュアンスが大きく違っています。

当初刷られたチラシには、こんな「秘密にしてね」的発言は一切掲載なく、そして”天使”の二文字もドコにも見当たりません。その上、大まかなストーリー解説さえもなく、これだけでは何の話か分からないほどです。


ここで 恐らく”宣伝初期”と”宣伝後期”に、その宣伝方針が大きく変更されたのではないか?などとマタマタ無謀な憶測をしてしまうのですが、こっちゃん的には「リュック自身はこの作品について、日本でも”内容の全て”を公開せずに観客に届けたかった」のではないか?と思えてならないんです。

フランス本土では公開のその日まで、「作品の内容」「出演者」「映像」「写真」の一切が明かされることなく、記者のための”試写会”すら行われなかったそうですね。
「6年の沈黙を破り、リュック・ベッソンが本当に撮りたかったラヴ・ストーリー」
と称されるこの映画は、リュックにとってそれほど大切で、本当に愛して止まない作品だったに違いありません。

もしかするとこの辺で、作品を大切にしたいリュックと、興業収入にコダワリ 過剰な宣伝を望む側とで、かなり厳しいやりとりがあったのかもしれません。まったく異なる二枚のチラシは”それ”を物語っているのではないかと....。

結局、「”彼女の正体”が明らかになる”衝撃のラスト”が待っています!」的な日本人の”宣伝根性”をチラシにまで刷り込み、その一方であからさまなCMを流すとは・・・なんだか随分チクハグですねぇ。

いっそのコト、そんなことを初めからわざわざ言わなければ、もっと自然にこの試写会に参加した皆が”純粋なラヴ・ストーリー”として受け取れたでしょうに。

そういう意味ではチョット嫌な思いをしたのは事実です。
結局、”宣伝”と”作品”は全く別次元の産物なんだということですね。

よ~く わかりました。

実際、この映画「アンジェラ」には、色んな映画を数多く観てきている人にとって、”腰を抜かすほどの秘密”など隠されてはいません。

しかし、そのラストシーンはこの地上のどの愛よりも美しく、素晴らしいと言えるものでした。
リュックはまたしても”究極の愛”そして”ありえない愛”をフィルムとして完成させてくれました。

同じモノクロという事もありますが、あの名作「ベルリン~天使の詩~」を思い起こさせてくれる映画でもありましたね。リュックがオマージュを捧げたのではないか?と思えるシーンもあったりして。

こっちゃん的には、そんな素敵な作品に「ありがとう」の想いでいっぱいです。

ただ、今こっちゃんの中ではちょっとした葛藤がおこっています。

それは今までダントツで好きだったリュック・ベッソン作の「レオン」と、この作品「アンジェラ」のどちらが一番好きなのか?ということ。

そんな愚かしい悩みに答えを出す必要など無いっちゃー無いのですが、言いたいのはそれほどこの映画「アンジェラ」が好きになったということです。

こういうリュック・ベッソン作品が観たかった!

なんだか今日までそのことをズーッと待っていたように思えるほど愛しい作品です。
そして初めて観たとは思えないほど自然に、体の中にすぅ~っと入り込んでくるような作品でもありました。

もっとも「レオン」のようにアメリカ合作でもないですし、あんなハリウッド色(いろ)の強いリュックが好きな人にはちょっとウケない作品なのかもしれませんけど、この映画はフランス人としてのリュック・ベッソンによるフランス映画だけに、”やりすぎ感”が押さえられ とても好感が持てました。

とにかくリュックの映画は”構図”が素晴らしい!と、いつも思います。
そしてこの映画「アンジェラ」は終始モノクロ映像なので、その構図は”色”に侵食されることなく、一層際立って目に映(はえ)るかのようです。

特にこのモノクロの質感ときたら!
いやぁ。実に柔らかく、美しいですねぇ。見惚(みと)れてしまいました。ウットリです。
単なる色彩では表現仕切れないツヤが ここにはありました。

こんな”お洒落な写真集”の一ページを切り抜いたかのようなシーンを、一枚一枚 丁寧に丁寧に繋ぎ合せて出来上がったかのような この映画。 素敵ですね。

そしてまたリュックらしく、その映像にクスッとさせられちゃうような演出が要所要所で絡んできます。

今回何よりも良かったのは、やはりこの方を主役に持ってきたところ。

ジャメル・ドゥブーズ

オッカナイ人たちから借金してしまったがために、返済できなければ48時間後には死んでしまうかもしれない男:アンドレを演じます。
彼、”片腕を失くしたコメディアン”としてフランスで人気沸騰中らしいですね。
その演技はホント 終始コミカルで、この映画の雰囲気を決定付けます。とても味のある良い俳優さんですねぇ。
代表的な出演作は「アメリ」ですって?あぁ、たしかに観ましたこの人。

それと、今回この物語のキーとなる主役、謎の美女:アンジェラ役ですが、これがまたスゴイ。

なんと、リュックが別れたウルトラヴァイオレットなカミさんの次に主役に抜擢したのはGUCCI専属のスーパーモデルですって!彼女の名前は、リー・ラスムッセン

その身長180センチの体のスラリと伸びた足に踏みつけられたいと願う男性も ごく一部にいるかもしれませんが(笑)、モチロン映画ではその美しさだけではなく、リュックの映画には欠かせない”強さ”そして”凶暴さ”をも見事に表現してくれました。

こっちゃんにとってこの映画「アンジェラ」は、そんな意外なキャスティングにも思える二人によって、予想以上に惹きこまれた作品です。

観る人によっては「ふぅ~ん。」や「あっそ。」で終わっちゃいそうなカンジもしますが、実はこんな映画も何気にこっちゃんのツボだったりします。

少なく見積もっても「あぁ。仮にこれでまた6年間リュック作品が作られなくても過ごせるなぁ~」と思えるほど満足出来ましたからね。
・・・って、あ、嘘です。これからもドンドン良い映画を作って下さい。リュックさん!

ところで、この映画を観終わったあとで「なんだ結局ファンタジーかよ!」って言ってる方がいたようですが、この映画を観た後にそんなコトを言っちゃった方には「だから何?」と尋ね返したいですね。”ファンタジーにしろ、歴史ドラマにしろ、ドキュメンタリーさえも、ぜ~んぶ初めからヒトが作った物”そぅ考えれば皆同じ。良い悪いはまた別問題ですけどね。

あ。ところでこの記事。

誰も読んでないでしょうね?ダメよ読んじゃ。映画を観るまでね。(笑)

 

《2006.08.17記事一部改訂》

【作品】アンジェラ

 



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24 コメント

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う~~ん (リュックサック・かぶろぐ(?))
2006-05-08 19:52:44
という事はアンジェラは「天使」という事で宜しいんですね。(・∀・)



そうかぁ~、6年間待った甲斐がある映画だったのかぁ~。

これ、観にいこ。



あっ、スカートの中を覗いてるのは自分じゃないですよ。(分かってるわ、そんなもん!)

あはは、あはは~~。
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う~~ん (m52387177)
2006-05-08 20:45:39
おいらには微妙そうな映画だなぁ~。



でも、ファンタジー好きだし、どっちなのオレ!(笑)



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アンジェラっていうくらいだから (Anvil)
2006-05-08 21:13:21
天使なんでしょう(笑)



その昔大学生のころ、学校の近くに「アンジェロ」というイタリアンレストランがあったのですが、

スパゲッティが山盛りで出てくるので有名でした。



とっても美味しいんですけど、食べきれない(笑)

天使は大食漢なのね^^



天使つながりで思い出しちゃった☆



ファンタジーは好きなので、

きっと私は気に入るのではないかなぁと思いました。
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ちょっとだけ (km_achin)
2006-05-08 21:57:11
って思ったのに全部読んじゃいました~。あはは。



がついてると観たくなっちゃうのよね。

観る場合は、頭の中を真っ白にしていきます。



来週あたりから観たい映画の封切りが目白押しなので、スケジュール調整がたいへんです~。
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白黒なんですね (やっぱり邦画好き…)
2006-05-08 22:33:11
期待してよさそうですね

今日、前売り買ってきました~
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すっげ~! (miyu)
2006-05-08 23:35:48
こっちゃんソレ名言だよ!

歴史に残るよ!

「ファンタジーも歴史もドキュメンタリーも人間が作ったもの」

いや~どこかで絶対使わせてもらいます!

ってパクるのかよヾ(ーー )ォィ

そんな名言をこっちゃんに言わしめた作品。

楽しみな映画の公開ラッシュですが、

絶対観たい映画です!
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リュックさんたら (kino)
2006-05-09 01:42:26
これは観てみたいなー。

このアメリの八百屋さん、久しぶりに観た!



しかし、気になるのは惚れっぽいリュック・ベッソン!

キレイな女性に惚れて映画を撮るのか、

映画を撮ってるうちに惚れるのか・・・

この ラスムッセンさんとは何事もなかったのでせうか
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これは ()
2006-05-09 09:20:54
私のおきになシンガー(ミシンじゃないぞ)

山P-が、この映画を見て



歌を作ってしまったときいたゾ





それは映画もみにゃいかんわね~
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こちらは☆5個ね! (choro)
2006-05-09 15:57:16
こっちゃんが冒頭でおっしゃるとおり中身読んでません!(笑)

最後の☆だけ見たら5個だったので、こりゃやっぱり観なくちゃな~と思い始めました。



でも観に行く時間があるのか!嬉しい悩みですぅ・・
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ほら (はんな)
2006-05-09 20:26:30
観たくなった。

こっちゃんレヴュー、最後まで読んじゃったんだよねぇ。

「ベルリン天使の詩」も「ドグマ」嫌いじゃないからさ。
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