小太りMTB

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ヘイズのキャリパーを割ってみる。

2006年04月10日 | MTB[GIANT DH]
[4/14訂正] dskさんのご指摘に基づき訂正致しました。
          dskさんご指摘ありがとうございました。


Hayes_caliper_oh_01s 足でキャリパーを押さえ、ハンマーで思いっきりキャリパーを叩くと「パカァ~ン!」ってな訳はありません。
 キャリパーにある2本の5mmヘクスボルトを緩めるンです。

 ステンメッシュのブレーキホース「ハイドラスター」を安く譲って下さった佐藤@電線屋さん、から「どうせホースを換えるなら、キャリパーをオーバーホールしてみてば。簡単に割れるよ。ヘイズはピストンにスレッジ溜まるから。」って聞いたので割ってみました。

 なにしろ、ゲレンデダウンヒルしか使わないので使用頻度は少ないのですが、中古で買ってから一度もオーバーホールしていないブレーキ。ヘイズのバラし方が分からなかったので、今まで見て見ぬふりをしてました。
 でもねぇ。ピストンが左右均等に出てこないンですよねぇ~。(シマノの初期型4ポットXTは左右均等に出てこないのがフツウ。直し方を知ってる方がいらっしゃれば、教えて下さい。)

 と言う訳で、オーバーホールして心もキャリパーもサッパリしちゃいましょう。

 先ずは、上記の通りキャリパーにある2本の5mmヘクスボルトを緩めると、上の写真のようにキャリパーが2つに割れます。
 ピストンは、ラジペンなんかで引っ張っても抜けませんよ。どうやって抜くかというと、エアガン(弾が出るヤツじゃないですよ。エア工具の方です。でも電動エアガンで抜けたりして。威力ありそうだもんなぁ。)を使うんです。自転車屋さんでエアガンを借りて、オイルラインの穴からエアを送ると、ピストンが「スポン!」と抜けます。ピストンが勢い良く飛び出すので、ウェス等で飛び出さないように、キャリパーを包んでおくのが良いでしょう。(これも佐藤@電線屋さんに教わりました。)

 ピストンとキャリパー間に馴染みが出てるかもしれないので、私はこの組合せを変えないようにしました。

Hayes_caliper_oh_02s 次にピストンの掃除です。思った程汚れていません。しかし、ピストンが左右均等に出ないのですから何かしらの要因があるのでしょう。良く見ると、ピストンの下の方に黒っぽいカスが薄く付いています。
 パーツクリーナーと柔かい布で、ピストンを綺麗にします。

Hayes_caliper_oh_03s 綺麗にしました。けど、グレーの帯びのせいで、かえって汚れたように見えます。この帯はシールの跡なのでしょうか?指の腹で触った感じでは、段差は無いようなのでこのままにしておきます。

Hayes_caliper_oh_04s ピストン以外は、ゴム製のシールやOリングがあるので、食器用洗剤で洗います。洗い終わったらオイルが通る穴に息を吹き込んで、オイルラインの水を吹き飛ばしておきます。その上で、完全に乾くまで一日程度干しておきましょう。ブレーキオイルに水が混じると、エア噛みの原因になりますから。
 えっ、一番上の写真と大して変わっていない?

Hayes_caliper_oh_05s これならどうでしょう?表側はかなり綺麗になりましたよ。
 
Hayes_caliper_oh_07s 今度は組み立てです。
 先ずは、ピストン側面にヘイズ純正のシリコン系グリスを薄ぅ~く塗ります。 使用するブレーキフルード(DOT4かDOT3)を指で薄く塗ってください。(ヘイズのマニュアルには、こうありました。マニュアルを読まずに書いちゃってゴメンナサイ。)
 グリスを塗る場合は、WAKO’S耐熱シリコンブレーキグリス(WAKO’SのカタログはPDFファイルだったので、ABITさんのHPを参照させて頂きました。)等、専用のものを用いて下さい。使用方法については、製品の取り扱い説明書に従って下さい。 

Hayes_caliper_oh_06s 本来は、ヘイズ純正グリスを使うべきでしょうが、私は持っていないのでコレを使いました。モーターサイクルでディスクブレーキの同様の部位に使うグリスなので大丈夫でしょう。成分は、シリコンと二硫化モリブデン。 
 これは、あくまでパッドグリスです。モリブデンが入っているので、ピストンに使ってはいけません。

Hayes_caliper_oh_08s グリスを塗ったら、ピストンをキャリパーにスポンと嵌めます。もし、グリスがはみ出すようであれば拭き取っておきます。
 
Hayes_caliper_oh_09s 割れたキャリパーをとめる2本の5mmヘクスボルトに、中強度のロックタイトを塗っておきます。
 
Hayes_caliper_oh_10s 使うブレーキオイルを用意しておきます。私はヘイズの純正ブレーキフルードを持っていた(何時のだぁ?まあ、開封してないので大丈夫でしょう。)を使います。
 ところで、ヘイズ純正ってDOT4なのぉ?贅沢ぅ~と言うより、頻繁にオイル交換しない私には劣化(吸水しやすい)が不安です。今度からDOT3を使おうっと。
 ヘイズでは、沸騰点が高いDOT4を推奨しています。ブレーキを引き摺る方はDOT4を使った方が良いカモです。交換サイクルに付いては、ヘイズのマニュアルの「CaliperRepair」を参照して下さい。

Hayes_caliper_oh_11s Oリング類にブレーキオイルを塗っておきます。
 
 
Hayes_caliper_oh_12s キャリパーを組む前に、この写真の真ん中下のOリングを入れるのを忘れないようにしましょう。
 また、キャリパー2つを合わせる際に、Oリングがズレたりネジレたりしないよう、気を付けましょう。

Hayes_caliper_oh_13s キャリパーを合わせ、2本の5mmヘクスボルトを規定トルクで締め付けます。
 
 
Hayes_caliper_oh_14s ブレーキホースが差し込まれる金具を締め付けます。
 
 
Hayes_caliper_oh_15s ブレーキの鳴き防止の為、ブレーキパッドのピストン当たり面に、ピストンに使ったグリスを薄ぅ~く塗っておきます。

Hayes_caliper_oh_16s ブレーキパッドをキャリパーにパチンと嵌めて出来あがりです。

 ブレーキオイルを充填すると、ピストンは左右均等にスムースに出入りするようになりました。あ~あ、さっぱりした。