ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて17年を過ぎました。今でも一番の読者は私です。

50年ぶりの住吉大社  相棒は杖(1)

2024-02-26 19:09:53 | PiTaPaで歩く

 天王寺駅前あたりでは見えなかったあべのハルカスが、ふと気づくと車両の後部窓から見える。徐々に小さくなるけれど、ハルカスは帝塚山三丁目くらいに遠ざかるまで見える。近いと見えないのに離れると見えるもの、そしてもっと離れると見えなくなってしまうもの。人生訓みたいだと思う。

 例のアキレス腱断裂から約3か月。装具を外して歩く許可が出ました。そこでリハビリを兼ねて、杖を持って街歩きをしてみようと阪堺電車に乗りました。

 天王寺駅前駅の窓口で「てくてくきっぷ」と呼ばれる一日乗車券を買う。自分でコインを使って日付を表示させ…んっ?これって前に経験したことがあるぞ。と思ってこのブログを検索すると…ありました。2009年5月に記事を書いています。なんと14年前!
 駅のホームに1日フリー乗車券の価格改定の張り紙がしてあって、12月1日、それまでの600円から700円に値上がりしたのだそうです。14年前の記事でも600円でした。「2%の物価安定の目標」なんて言いますが、少なくとも14年間は価格改定がされていない。近鉄が昨年4月から値上げをしたのが、消費増税を除けば28年ぶりの値上げだそうです。給料が上がらないはずですね。「おもてなし」なんて奇麗な言葉でいい気になっていたらだめです。

 路面電車に慣れていない者にとっては、電車とクルマが一緒に走るというのはとてもスリリングなこと。南海高野線をオーバークロスしたら、恵美須町からやってきた阪堺線に合流して、住吉鳥居前で下車。

  住吉大社に前回やってきたのは、1973年1月だったと思いますから、えーと遡ること50年!?

 住吉大社の前から西に100mほどにある南海電鉄の住吉大社駅方面へ歩いてみます。50年前の記憶はほとんど消えて風景も覚えていません。が、南海電車のこの駅は高架ではなかったような気がする。ウィキペディアによれば、高架化が完成したのは1980年のことらしい。さらにその前年に駅名が住吉公園から住吉大社に変更されたそうです。南海電鉄のステンレス車両にディスクブレーキがついていたという記憶が蘇ってきましたが、後の自分の記憶と混同している気もします。住吉大社駅の案内板を見ていて気づいたのですが、駅の西側にある住吉公園は住吉区ではなく、住之江区になるそうです。南海本線の線路の西側が区界らしい。


 かつてこの駅が住吉公園駅だったころの名残が見つかりました。高架の駅舎の東側に住吉公園驛と右から横書きされた文字の入った古い瓦葺の建物があります。今は廃止されてしまいましたが、今日天王寺駅前から乗ってきた上町線は、かつて阪堺線とクロスして現在の南海電鉄住吉大社まで一駅分の線路がありました。14年前には盲腸線のように一駅分あった気がするなと思いまたウィキペディアをたどると、この一駅間の廃止は2016年のことだそうです。この路面電車を経営する会社が南海電鉄から阪堺電気鉄道に変わったのが1980年のことですから、この古い住吉公園驛の建物は、かつては南海電車住吉公園駅の一部だったわけですね。現在は駅としての機能はありませんが、宝くじ売り場などのテナントが入って、立派に活躍しています。

 住吉大社に移動。住吉さんは海上の安全を祈願する神社だと聞いたことがあります。現在では、ここから海まで随分距離がありますが、昔はすぐ海だったのかもしれません。神さんはだいたい南を向いておられるものと思いますが、ここの神さんは西を向いておられる。海にかかわりが深いということでしょうか。それに住吉大社には大きな石灯篭がたくさんあります。だいたいが江戸時代に寄進されたもののようで、江戸という文字もよく見える。庶民たちの信仰を集めたことでしょう。

 赤い反橋の急なこと。丁寧に杖を突きながら渡ってみました。この橋を50年前に渡ったことを覚えています。初詣の雑踏の中、私の弟はその時フード付きのジャケットを着ていました。彼の後ろから投げられたお賽銭が彼の頭に当たって、フードに落ちた。彼はいたく怒ってそのお賽銭を自分のものにしたというような罰当たりなことも思い出しました。本殿が4棟あるのですが、第一本殿から第三本殿までが縦に一列、第四本殿が第三本殿の隣に位置するって妙な配置です(別に文句を言っているわけではありません。むしろそういうことに気づけるようになった自分を思うことです)。そして弟のフード賽銭事件はどの本殿のことだったのか、さっぱり思い出せません。初詣の期間ですから賽銭箱では間に合わず、本殿前に大きな賽銭エリアが作ってあったことは覚えているのですが。


 反橋の上から鳥居を眺めると、鳥居の上を南海電車が走る、鳥居の下を阪堺電車がくぐるという面白い景色です。ただ、橋の傾斜が急であるため、シャッターチャンスを待っていたら、いきなり参拝者の頭が出現し、こちらもびっくり参拝者はもっとびっくりということになります。

(つづく)


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