It Breezes(そよ風吹いて)

風が変えていくもの・自然・人達をそっとのぞいてみませんか?

「年賀状」って?

2010-12-26 07:24:51 | 伝統

昨日は年賀状を書きました。
パソコンでデザインを作りプリンターで印刷しても、必ず自分の言葉を書き添えることは忘れません。
25日までに郵便局に持って行けば元旦に間に合うというのですが、
その後に喪中の葉書が届いて臍をかむ思いをすることがあります。
「元旦」というのは「元日の朝」の意味ですから、
本来新年を迎えその時の思いを綴ってお出しするのが本当ですよね。
今年から余り商業ペースに乗らないことにしました。
それで元旦に着かなくてもご容赦下さいね。
ついでですから年賀状のやりとりがいつ頃からか調べてみましたら、
勿論葉書ではありませんが、中世には飛脚・駅伝の普及に伴い賀詞の書状のやりとりの資料があり、
江戸時代には街道の整備・寺子屋などでの文字の普及などによって庶民の間でも行われていました。
明治に入って始まったのではないのですよ。
明治3年前島密により郵便事業が発案され、翌年郵便制度が発足します。
最初は東京・大阪・京都間のみでしたが明治5年全国に網羅し、
明治6年には全国一律料金制度が出来て、郵便役所(郵便局)・郵便差出箱(ポスト)が設置されています。
郵便はがき自体は明治6年に縦に二つ折の葉書が発行されています。
現在の形がほぼ出来あがったのは明治32年の「年賀郵便の特別取扱い」で、
指定局に12月20日~30日の間に持ち込めば、1月1日の消印で配達されることになりました。
また明治40年には業務の煩雑さを解消するために葉書の表に「年賀」と明記すれば、
そのままポストに投函できるようになりました。
関東大震災や天皇の崩御の時には取扱いが中止され、
世界大戦に入ると逓信省により「お互いに年賀状はよしまょう。」というポスターも出されました。
年賀郵便の特別取扱いが再開されたのは昭和23年でした。
現在のお年玉付き年賀はがきが出ましたのは昭和24年で、しかも発案者は民間人でした。
京都在住の林正治氏(当時42歳)の方が、自ら葉書やポスターを郵政省に持ち込み採用されました。
そしてそれが爆発的に大ヒットしたのだそうです。
以上ざっと見て来ましたが、年賀の書状が取り交わされた最初は7世紀後半と考えられていますので、
勿論貴族の間だけだったようですが古いですよね。
その時間の流れを経て今私達が新年を祝い、お互いの無病息災を願って賀状に向かっているのです。
1~2日で一言も自分の言葉を添えず何十枚何百枚と印刷されただけの賀状は、
これほど心がこもらず、相手にも失礼なものはありません。
かたちばかり「出しておけばいい。」程度の感覚の人が中堅から年配者の中にいます。
「こんな賀状、いただきたくないよね。」と亡くなった日田の叔母がよく申しておりましたが全く同感です。
年賀状は心を贈り、心を受け取るものです。



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