女として大阪で暮らす2

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たまに、読んでください。誤字脱字は、ご容赦くださいね。

欲望のかけら(文鳥花子作)

2015-06-30 05:22:56 | 日記
生き物には、欲望がある。
生きていくには、いろいろな煩悩があるのだ。

子供を作りたいとか、おいしいものをたべたいとか。
安らかに、のんびり眠りたいとか。

私は欲望のかけらのひとつを満足させるためにあるものを、買った。
それは、まるで砂糖の結晶のように、きれいなものだった。

わたしは、程なくそれを薬のように飲んでみた。
体の中で、すべての不快感が、青空のように消えて愉快だった。

いつもなら、恥ずかしくてできないことや、行動もすばやくできた。
頭がさえて、休憩などできなかった。

一日中しゃべりまくり、そして何日も体が軽かった。
そのうちそれにはまり、わたしはやせていった、体も軽くなる錯覚をした。

でも、だんだんと私は、人を疑うようになり、すべてのものがゆるくかんじるようになった。
人がのんびりしていると、私のいらいらはますようになった。

そのいやなかんじと、高揚している繰り返しで私はいきるようになった。
どんなに疲れているときでも、それはまるで、天才のような脳みそになった。

はっきりと、すっきりとからだがさえるのだ。
すべての世界は、うつくしくみえたし、人間の顔さえもうつくしくみえた。

そのときだけは、とても楽しくいきることができた。
でも、それは長くは続かなかった。

欲望のかけらを満足させるそれは、高価でなかなか手に入らないものだったから。
手に入らなくなれば、私の体は、血に這い蹲るような土になり、立ち上がれなかった。

世の中のすべてが、自分の敵に見えて不快そのものになるのだ。
なにしろ、体がなまりのようになり、動かなくなるのだ。

私は欲望のために、それをすてることができなかった。
本能のすべてを、明るくして私を楽しくするそれを、たまにした。

あるときに私は、それをいつもよりたくさんした。
そして、深い眠りについた。

「あ、この人死んでいる」

骸骨のように、醜い姿で私は死んだのだ。
たった一つの喜びのために、それに生きるすべてを奪われた。

人間をやめるために、わたしはそれをつかったわけではない。
でも、そのために最後は、私はいきることさえ、なくした欲望のかけらのために。

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