女として大阪で暮らす2

初心にもどり、ちゃんとブログをつくりたいですね。
たまに、読んでください。誤字脱字は、ご容赦くださいね。

におい(文鳥花子作)

2015-06-27 22:17:57 | 日記
心地よいにおいが、人によって違う。
たまに、腋臭とか汗のにおいがすきなひとがいる。

色気とかかんじるらしいのだが、汗のにおいはたまに感じる。
私の、汚い汚れたにおいが、なんだか人間の生きた証のように香る。

おふろにはいってしまったら、石鹸の匂いになりそれはたちまち消える。
昔から自分にあるにおいがあった。

それはふるさとの香り、田舎のにおい、青草の香り、川のにおい。
雨の香り、そしてお母さんのにおい。

なまぐさくぬめぬめとしたいやなにおいでも、自分にはそれがなつかしくおもえるときがある。
決まったじきでなく、川の汚れたにおいが、通学路から帰る道にしていた。

学校からとぼとぼと帰る道に、雨が降った後ににごった水になるぬめぬめとしたにおいがすきだった。
どぶのぬめりのように、今でもおもいだすのだ。

田舎では、何もなかったそうなにもないのに、田舎の道はすきだった。
ときおりとびだしてくる、虫たちの鳥肌が立つきもちわるささえ、なつかしい。

村のはずれにあるきれいな川では、せりの青いにおいが立ち込めていた。
おそらく今では、ないのだろうけど。

蓬もちにする蓬も、きっとあったかもしれないが、その香りはおぼえていない。
ずっとあとから、緑のあじのあるにおいだとしったのだが。

こんなに年を重ねたおばあちゃんになってもしらないにおいがある。
覚醒剤をしている人の体臭なのだ。

どんな香りでどんなものなのかは、しらない。
犯罪者に染み付く香りが、どんなものなのかはしらない。

だから、たまに酒の焼けたにおいとともににおってくる嗚咽するにおいが、たぶんそうなのかもしらないとおもう。
いいにおいではない、いやなくさい、吐き気を催す、甘酸っぱいにおいなのだ。

さけのびんをおきっぱなしにしたかおりではない。
だから、あいつが、くすりをやっているのはすぐにかんじた。

体臭がきつくなり、そして行動もおかしかった。
あのにおいが、きつくなったとき、くすりにおぼれていった。

私はどんなにおいも、すきなわけではない。
でも、すすけたふるさとのにおいだけは、きらいにはなれない。

そして、あの薬のにおいだけは、どうしても吐き気をもよおす。
そんなところに今は、住んでいる不幸だと、最近感じた。

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