本日、技術士経営工学部会に参加してきました。経営工学部会は午後からなのですが、情報工学部会と共催とのことで、午前中にクラウドコンピューティングの話があり、こちらも参加しました。
このため、家を朝8時に出なくてはいけなかったのですが、昨日寝たのが朝の4時でしたので、3時間ぐらいしか寝られませんでした。電車の中でねてました。
情報工学部会の話はさっぱり分かりませんでした。基本的に3文字のアルファベットの横文字がたくさん出てきて、なんのことだかさっぱり分かりません。半分ぐらいは睡眠時間となってしまいました。
しかし、討論形式がおもしろかったです。4名の方がパネリストとして登場し、20分程度の発表を行います。その後、司会者が、クラウドコンピューティングのセキュリティーについて、各パネリスト、会場に意見を求め、そして、全体の意見をまとめるといった形で進められました。
このような形式はテレビの討論会ではよく見かけますが、私が経験するのは初めてです。しかも、司会者というより、ファシリテータの方のまとめかたが実に見事で、さすがは技術士だと感心しました。肝心なクラウドコンピューティングについてはあまり分かりませんでしたが、討論の方法などは大変勉強になりました。
午後からは経営工学部会。詳細は
こちら。全部で70名ほどの参加で大盛況でした。私も前の方に席を陣取りました。最初は小型の原子炉開発の話。ある意味、非常にcontroversialな話題です。
小型で、メンテフリー、電源喪失しても自然に冷却する機構を有し、離島や辺境の地などで有用とのことでした。大変興味部会内容で、これが震災前でしたら、かなりの予算がついてもおかしくない内容だと思いました。
質疑応答は時間が足りないぐらい意見がでました。私も質問しました。私はデータが外挿やシミュレーションの結果が多いので、製造物の性質上、実証実験を行うことについて、施設周囲の住民のコンセンサスが得られないのではないかと質問しました。
これに対しては、これらのデーターを検証する試験を必ず行っているので、コンセンサスは得られると考えているとのことでした。ただ、このご時世ではこれまでようには行かないような気がします。
たくさん質問が出たのですが、印象的な質問として、本体がシンプルな構造になっても、冷却にナトリウムを使っており、付帯設備については逆に従来の軽水炉の構造と比べて増えている。これでは増えた付帯設備の分だけトラブルが起きる確率が従来構造より上がるので、小型化というのは見かけ倒しなのではないかというものでした。
講師もその点については完全否定できませんでしたが、これらの信頼性を高めることが同様な開発テーマとなっているとのことでした。原子力はその性質上、冗長性をもった設計が求められますが、だからと言って、複雑になっても、またリスクが高まります。構造はシンプルにしかし冗長性は保たれなくてはいけない。難しい命題を抱えていると感じました。
次は経済産業省からミスターロードマップと言われている方の講演。国が考える技術ロードマップについての話でした。この経済産業省から出版されている技術ロードマップは、私が博士論文を書いていたとき、序章のほとんどについてこれを参考にしていました。
よって、このロードマップが作成されたいきさつや目的など、大変興味を持って聞くことが出来ました。また、このロードマップの使い方についてのマニュアルまで作成されており、ロードマップを使って、技術士が中小企業に補助金がでる事業開発や、その手続きに関して指導ができること、企業がこれを使って経営戦略を描く方法などについて紹介されていました。
できれば本日の話は博士号取得の前や昨日の昇格者研修の前に聞いておきたかった内容でした。こちらも質疑応答が活発に行われ、時間が足りないぐらいでした。丸一日座りっぱなしでしたが、有意義な部会でした。
夕方からは懇親会。多くの先生方と懇親を深めることができ良かったです。また、本日の講師の方々とも名刺交換をし、経済産業省の方には博士論文にて参照させて頂いたお礼を言いました。
この方も博士号を持っており、私の論文の内容に大変興味を持ってくださり、説明をさせていただきました。酔っ払っていたので怪しい説明でしたが、鋭い意見を頂き、さすがだと感じました。技術士の部会に出席すると、かならず何か得るものがあります。
その後二次会にも連れて行って頂き、楽しい時間を過ごしました。私ははるばる鹿児島から来てくれたのでおごりということになりました。大変恐縮です。ごちそうさまでした。