17世紀オランダの天才画家フェルメールの肖像画をモチーフにしたベストセラー小説を映画化。妻子のいる天才画家と、彼と運命で結ばれた少女のもどかしくもプラトニックでありながらも官能的な愛の物語が展開する。名画「真珠の耳飾りの少女」のモデルとして描かれる主人公グリートを演じるのは『ロスト・イン・トランスレーション』のスカーレット・ヨハンソン。共演には『ラブ・アクチュアリー』のコリン・ファースらが名を連ねている。17世紀オランダを再現した美術や衣装も必見。[もっと詳しく]
重ねられる色と心理
オランダの寡作画家フェルメールと色彩に対して感受性を持つ家政婦グリートの物語。
グリートは、フェルメールの妻に邪険にされつつ、フェルメールの頼みで耳飾をつけ絵のモデルとなる。
当時の油絵画家の絵の具の作り方が興味深い。
それぞれ、鉱石をすりつぶし、油を混ぜ、色彩を作り出していく。
すべての色は複雑な重なり合いから成っている。
フェルメールから「今日の雲の色は?」と聞かれ、最初は「白」と答えたグリートは、もう一度じっと雲をみて、「黄色、青色、白、灰色----」と心で見た色を今度は重ね合わせて答えようとする。
グリートはまた、フェルメールが自分自身の「心の色」まで覗いてしまうことに、怖れと敬意と自負を感じていったのだ。
>怖れと敬意と自負
それが少女が画家といる時スリリングな空気になるんですね。
スカーレット・ヨハンソンも大女優になったし、フェルメールも大ブームですね。
この3年あまりに、かなり、系統的にこの時代の美術作品を見てきたので、いまならもうちょっと踏み込んだレヴューが出来るかもしれません。