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北アルプス 初山行 (1)

2007年09月08日 | 山歩 - 東海・北陸
北アルプス初山行といっても、26年も前のことです。詳細な記録は残っていませんが、アルバムに写真が残っています。それらをスキャナーで取り込んで記録として残しておこうかなと考えました。写真は色褪せてしまっていますが、私の記憶はまだそれほど色褪せていません。しかし、当時の様子を正確に記す事はできません。私の記憶の中に残っている思い出を記したものと考えて下さい。

私が山歩きを始めたのは会社勤めをしてからですし、仕事柄なかなか休みが取れませんでしたから、遠地へ出かける機会はなかなかありませんでした。また、当時は遠地へは夜行列車で行くというのが一番一般的で、現在のように夜間・早朝に車ですっ飛んで行くなどということはできませんでした。ですから、当時遠地だと思われていた場所も、今では遠地とは思われていない場合が多いかもしれません。

それでもチャンスは訪れるもので、1981年の7月末に初めて北アルプスに出かけることになりました。私が最初に目的とした山は黒部五郎岳でした。友人を誘って、4泊5日テント泊でのコースを設定しました。

1日目 : 折立~太郎兵衛平~薬師峠
2日目 : ~太郎兵衛平~北ノ俣岳~黒部五郎岳~五郎平
3日目 : ~三俣蓮華岳~双六岳~双六池
4日目 : ~抜戸岳~笠ケ岳
5日目 : ~杓子平~新穂高温泉

テントは友人が背負い、食料は主に私が背負って行くことになりました。食料といっても当時はレトルト食品などさほど出回っていませんから、かなりの「生もの」を背負っていきました。米も生米を持っていって、コッヘルで炊いていました。最初は私のザックの方が重かったのですが、食べる度にザックは軽くなっていきました。



双六岳への道から槍ケ岳


尚、なにしろ写真が古いですから変色してしまっています。それに、写真によって変色の度合いがマチマチです。一部見難い写真もあるかと思いますが、ご容赦の程を。また、色合いも変色のため実体と異なってしまっていますので、皆さんの目で補正をして見て下さい。それでも、私が感じた何かを感じ取っていただけるのではないかと思います。



出発の日、仕事が終わると急いで帰宅し、準備してあった重いザックを背負い家を出ました。そして、当時の夜行急行「越前」で富山に向かいました。古い木製の普通座席の客車は満席で、通路に寝転んでいる人もいました。そのような状態ですから、十分に眠るなどというのはできませんが、長野駅を過ぎてからの記憶がありませんでしたので、それなりに眠っていたのかもしれません。

1日目 :

早朝の富山駅で富山電鉄に乗り換え、有峰口駅で降りました。駅前には折立行きのバスが止まっていて、さっそく秤でザックの重量検査です。ある重さ(何kgかは忘れました)以上のザックは有料となります。運転手の判断ではなく、きちんと秤で計るので明確でいいです。私と友人は4泊5日テント泊の装備ですから、当然有料でした。

折立への道は途中から舗装が切れ、狭い道を埃をあげながら進んで行きました。バスは満員で、座席を確保できない人もいました。我慢強くずーっと立っている人もいれば、床に腰を下ろしている人もいました。私と友人はなんとか座れました。

終点の折立で降りたのですが、この時の折立の様子は全くといっていい程記憶に残っていません。後に薬師岳から折立に下りた時の様子は明確に記憶しているのですが、どうも昔の記憶はその時の記憶に置き換わってしまったようです。あるいは記憶に残るようなものがなかったのかもしれません。

前日の時点では、まだ梅雨が明けていませんでした。この日も天候は曇りでした。それでも、高度を上げていくにつれて時々雲が切れ、薄日が射しこむこともありました。



途中、有峰湖が見えました。

黄色の花はキンコウカだと思います。この頃はまだ花に強い興味をもっていませんでした。花に興味をもって、真面目に憶える努力をしだすのは、この数年後のことです。それでも、時々は図鑑に目をやっていましたから、幾つかの有名な花ぐらいは認識できました。

太郎兵衛小屋のある太郎兵衛平に着きましたが、ここにはテントを張れません。指定地の薬師峠まで下りなければなりません。

薬師峠のキャンプ指定地には幾つかのテントが張られていましたが、いい具合に隅の静かな場所が空いていたので、そこに張りました。テントを張ってしまえば、夕食の準備以外特にすることがありません。

夕方になって、西の空が少し赤らんできました。夕焼けになるかなと、薬師峠から太郎兵衛平側に上がって見ると、結構綺麗な夕焼けになりそうです。カメラを持ってこなかったので、あわててテントまで取りに戻りました。この時は登山靴ではなく、テント場用のぞうりに履き替えていましたから、急いでの往復は結構しんどかったです。

まず、雲が少しずつ切れて、下界が見え始めました。やがて日本海も見え始め、海岸線をずーっとたどっていくと、能登半島も指呼できるようになりました。



やがて、空も赤く染まり、見事な夕焼けで北アルプス初日が終わりました。
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