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武甲山

2009年11月12日 | 山歩 - 秩父



- 御嶽神社 -

11月になり、秩父の里山の季節になってきました。

低い所ではようやく紅葉も色づき始めた頃ですので、秩父の里山では珍しくも1000mを超えている武甲山に出かけました。

今回は、ある目的がありました。

秩父鉄道で山に向かうのは半年ぶりでしたが、以前は見かけなかった山姿の女性がちょっと目につきました。

秩父鉄道の車内で熟年のオジさんやオバさんを見かけるのは珍しくありませんが、山姿の「若い女性」が私の近くに二人も乗っていました。この時期の秩父鉄道は座席の半分位が空いている状態ですので、二人というのはかなりの割合です。雰囲気的には30歳前後かと思います。

何故か、二人とも途中の同じ駅で降りました。いわゆる初心者向けのあの山だなと予想できるのですが、一人で歩きに来るのかという感じで見送りました。

御花畑駅に着くと西武線から乗り換える人達が乗ってくるわけですが、ここでも一人の「若い女性」が乗ってきました。その姿はかなりスタイリッシュで、今はこんなお洒落な姿で歩くのかとちょっと驚きでした。でも、その靴を見れば彼女が山を歩きにきたのは明らかでした。

「若い女性」の間で「お洒落な山歩き」が流行っているのでしょうか?

お洒落な山姿からは程遠~い私は、御花畑駅の二つ先の浦山口駅で降りて、そこから歩き始めます。

橋立川に沿って林道を進み、やがて橋立川から離れて、長者屋敷尾根への登りになります。



尾根の上に上がって、今度は尾根伝いに登っていきます。

尾根道から山腹をさらに登りつめれば、山頂南下の四辻に出ます。



四辻から大持山・小持山

四辻から山頂は直ぐです。

ここで方位盤と東屋の写真を撮ります。同じく三角点と御嶽神社も撮影します。

写真を撮り終り、一休みしてから下山です。



表参道を生川まで下ります。

生川からはさらに横瀬駅まで歩きます。正直面白くない道ですが、この道も一度は歩いておこうと思ったからです。

西武線の横瀬駅まで来ましたが、そこからさらに先に進みます。

まず、羊山公園をかすめて、秩父鉄道の秩父駅へ行き、そこで買い物です。お気に入りの味噌の購入です。買い置きがなくなってしまっていたのですが、それだけで秩父まで出てくる気はしませんので ・・・。

秩父駅からは秩父神社に寄りました。境内のイチョウは大分黄色くなっていました。

そして、最後は御花畑駅まで歩いて、そこでようやく歩き終わりです。武甲山を越えてぐるっと二駅分だけ歩いて戻ってきたことになります。

さて、今回の目的というのは、山頂部にある方位盤などの撮影でした。

私がまだ若かった頃、今はなくなってしまった1336mの山頂に何回か立ったことがあります。当時撮影した写真は数枚しか存在しないのですが、先日その中の一枚を見て「アレッ!」と思ったことがあったのです。



これがその写真です。1972年に1336mの山頂で撮影したものです。この時は山頂には私しかいなかったので、自動シャッターで撮りました。

当時設置されていた方位盤の傍で撮ったものですが、この方位盤は現在展望台にあるのと同じでは ・・・ ということに気がついたのでした。



そして、これが現在展望台にある方位盤です。

写真を見る限り、昔の山頂にあったものを土台部分を除いて移設したのは間違いないと思います。昔の方位盤の方が立派です。



そして、次の写真がこれです。

1975年の1月に、1336mの山頂で撮影したもので、東屋の後ろに見えているのは両神山です。

冬とはいえ、現在より展望がよかったことがわかります。

この鐘のつるされた東屋も、写真を見る限りでは、現在の山頂部に移設されたと思われます。



現在の御嶽神社の裏手の斜面にある東屋です。

この東屋の存在自体は前から知っていたのですが、移設されたものかもしれないという想像はしていませんでした。

この東屋の直ぐ上に現在の三角点があります。標高は1295mです。



これが現在の三角点ですが、昔の三角点の様子がわかる写真はありません。

しかし、現地で目にしたその古さから、おそらく昔のものを移設したものだと思います。

この三角点にはほとんどの人が気がついていないのではないかと思います。

また、写真から三角点の背後の方が標高が高いのが判ると思います。三角点とは三角測量の為のものですから、山頂の標しでもありませんし(もちろん、平地にも設置されています)、山においても必ず一番標高の高い場所に設置されるわけでもありません。ですから、三角点より高い場所があっても不思議ではありません。

現在武甲山の最高地点は1304mとされています。その場所がどこか正確には知りませんが、山頂の様子からすれば、石灰岩採掘の関係で現在立入禁止になっている区域内にあるようです。その最高地点に何が何でも立ちたいと思う人がいるようで、柵を乗り越えてその目的を果たす人が一部いるようです。

ある時、「あの人たち中に入っている」という子供の声を耳にしました。見ると三人の男性が柵を乗り越えて立入禁止区域に入っていました。目的を果たし、柵を再度乗り越えて戻って来た三人に「子供の前で恥ずかしくないのですか」と注意したのですが、黙ったまま走るように去って行ってしまいました。そこまでして最高地点に立つ事に何の意味があるのか理解できませんし、恥じるような行いをして立ったとして、それがいい思い出になるのでしょうか。

山頂の標高の変動をかつては 1336-41=1295 という式で表していましたが、現在は 1336-41+9=1304 という式で表しているようです。

また、昔撮った写真の中に小さく昔の御嶽神社が写っているのがありました。御嶽神社の部分を拡大したのが下の写真です。



昔の御嶽神社 - 1975年に山頂から撮影したものです。

当時の山頂にあったものが現在の山頂に移設されていても、昔の1336mの山頂はもはや記憶の中にしか存在しません。そして、秩父側から見た武甲山の姿は全く別の山となってしまいました。残念にも秩父から眺めた当時の雄々しい姿の写真を私は持っていません。まさか、山頂が無くなってしまうことになるとは想像できませんでしたから ・・・。
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