Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

実験場としての携帯電話市場

2009-05-22 19:32:36 | Technology

 5月19日にソフトバンクモバイルの夏モデルが発表され、その中でひときわ目を引く機種がありました。シャープ製のmirumo 934SHですが、いやがおうにも目に入るのは、サブディスプレイにしてはやけに大きいモノクロ画面です。

mirumo SoftBank 934SH(シャープ製)の概要 softbank mobile プレスリリース

 折りたたみタイプの本体表面に備えたサブディスプレーは、さまざな情報を表示可能な大画面約3.0インチの新開発「メモリ液晶」を採用。従来有機ELサブ画面の約500分の1低消費電力※1を実現した「メモリ液晶」によって、閉じたままの状態でも、時計や天気、新着メール、ニュースなどの知りたい情報を見ることができます。

 電子ペーパーと同じように、画面を書き換えるときにしか電力を消費しないメモリ液晶を搭載することにより、消費電力を押さえることで大画面のサブディスプレイを採用可能となったわけです。このように、携帯電話には比較的新技術が投入される事が多いように思います。

 考えてみれば、携帯電話の発展により、「充電池の小型化、高容量化」「液晶ディスプレイの高精細化」「無線通信規格の発展」「モバイルコンテンツの開発促進」「ポータブルGPSの利用方法模索」「ワンセグの普及」etc.という様々な面での実験的・実践的試みが早期から投入される傾向にあります。この背景を考えてみます。

1.携帯電話の新製品発表プランが比較的短い
2.一度に発表される製品が多い
3.”目新しさ”を求め続けないと陳腐化しやすい
4.製品寿命が比較的短い
5.キャリアの補助、および販売プランにより比較的高額でもユーザーの初期投資を抑えられる

以上のような理由から、携帯電話は実験的な新技術を投入しても受け入れられやすく、かつある程度の販売数が見込めるためコストを抑えやすい。そして、製品の投入スパンが短いため、不振に終わってもすぐに新しいコンセプトの携帯を発表でき、損失を抑えることができる・・・と、そんなわけで、携帯電話は新技術の実証実験場として非常に優れていると言えます。日本の携帯市場はガラパゴスだと、IT界隈・・・えーと、主にスマートフォンに興味がある人たちからは批判されます。しかしながら、ガラパゴス故にこういう市場に育ってきたと言うことは、技術的の発展という見地から言えば間違いなく+であったと思いますよ。

 次はカラー電子ペーパーあたりが搭載の対象になるかもしれませんし、はたまた画期的な入力装置がお目見えするかもしれませんが・・・「とりあえず採用してみる」ことができる市場があるというのは、実にエキサイティングですね。



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