Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ベールを脱いだ「Origami」・・・目指したものは?

2006-03-09 21:24:32 | Weblog
 前回の予告通り・・・にはちょっと早いですけれど、Microsoftの「Origami」が、正式に発表されたのでレポートします。

Microsoft Ultra-Mobile PC

・・・私には、まるっきりVAIO Uにしか見えないんですけれど、それは私の目が節穴だから?(予想が外れて、ちょっとショック・・・プレスのままじゃないですか)
 Origami改め、Ultra-Mobile PC・・・そのまま直球ですねえ。
 記事を読むと、XBOXのように自社で販売するのではなく、MicrosoftがやるのはWMPのようにリファレンスのみ。実際のハードはハードメーカが作成、マーケティングを行うようです。
 IntelのViivテクノロジ・・・と言うよりも、nVidiaやATIがビデオカードのリファレンスとコアを用意するのに近いような感覚でしょうか。で、U-MPCのコアはWindows XP Tablet Editionと言うことのようです。

 今回発表されたハードウェアの基本仕様は、

Windows XP Tablet PC Edition 2005 OS
Approximately 7” diagonal display (or smaller)
Minimum 800 x 480 resolution
Approximately 2 pounds
Integrated touch panel
WiFi- and Bluetooth-enabled


となっています。
7インチか、それより小さいディスプレイで、解像度は最小800×480。約900グラムでタッチパネルを備え、WiFiとBluetoothが使えるPC・・・うー・・・ハードウェア的には大して目新しくないような・・・。この間、富士通が990gのコンバチブルタブレットPCで賞を受賞していましたけれど、私的にはキーボードがついている分、こっちの方が良いなあ・・・なんて言ってしまうと、元も子もないですが。

 それよりも注目は、新たにMicrosoftが開発した「Touch Pack」というタブレットPC用の入力インターフェイスソフトウェア。
 ここのムービーで出てくるんですけれど、画面の右下と左下に、仮想キーボードを表示、両手の親指で文字入力ができるというデモがあったんです。これにはぐっと来ました。両手で持ちながらだと、普通のソフトウェアキーボードや、ペン入力よりも、こちらの方が入力はしやすそうです。キー配列もQwertyですしね。

 日本のニュースサイトも、第一報を出したようです。

マイクロソフトが「Origami」を正式発表、出荷は2006年第2四半期 nikkei IT Pro

 この記事によると、

バッテリーの駆動時間は2~3時間で、ハードディスク容量は30G~60GB。プロセッサーは、インテルの「Celeron M」「Pentium M」またはVIAテクノロジーズの「C7-M」。

価格は明らかになっていないが、マイクロソフトは「599ドルから999ドルの間」になると予想している。

7万から12万までというのは、現在のエントリー向けノートPCとかぶる。そして、サムスンとASUSのコンセプトモデルをページ上で見ると、どうも2スピンドルでは無いようなのですけれど、2~3時間の駆動時間は今ではローエンドですか。

 まあ・・・現在日本で、「普通に手にはいるか」ちょっと不安な点もあるようです。
 と、言いますのは、現時点で参入を表明している日本メーカーは一社のみ。大手ベンダーの動きは無いようです。そりゃあ、発表初日と言うこともありますけれど。
 それに加えて、大手メーカーはこれまでにも魅力的な小型PCを開発してきており、今回発表されたコンセプトは、ハードウェア的には全く目新しくないわけです。となると、後は「Touch Pack」と提供されるOSにどれだけメリットを感じるかと言うことなんですけれど・・・現在のタブレットPCの普及状況だと、わかんないですね。

 私個人の意見で言いますと、出先やベッドサイドでの手軽なメディアプレイヤーと、文字入力デバイスが欲しい・・・と言うのが最近の欲求でして、実にピンポイントでニーズを満たしてくれる製品だなあと。これで5万くらいだったら、PS3とか買わないで、こっちを先に買ってしまうような気がします。
 でも、正直解像度はもうちょっと欲しいですかな。

 ハードウェアの目新しさはどうのといろいろ書いてきたわけですけれど、U-M PCはタブレットPCに「Touch Pack」というキーボード代替の入力デバイスを盛り込んだことで、アラン・ケイの”ダイナブック”の理想型の一つにかなり近づいたのではないか?と感じています。
 ダイナブック構想が考えられた頃には夢物語でしかなかったものが、ようやく形になりつつある、と。結局Microsoftが見せたかったのは、「ダイナブックへの答えの一つ」ではなかったのでしょうか。
 ・・・そう考えると、かなり魅力的な製品に思えてくるから不思議なものです。

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