Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

宇宙を危険にした中国の功罪

2007-01-23 20:13:01 | Science
 スペース・デブリって知っていますか?
 宇宙開発をする上で避けては通れない、とっても危険な代物なんです。

 スペース・デブリとは、宇宙を漂っているゴミのこと。小さなものでは、ロケット切り離しを行ったときの破片や、外れたねじ。大きなものでは廃棄された人工衛星など。地球の軌道上を回る、使用されている人工衛星を除いたものを全部ひっくるめた言葉です。
 たかがゴミくらい・・・と思うかもしれませんけれど、衛星軌道上のものは全て”落っこちています”。具体的に言うと、秒速3km~8kmというとんでもない速度で”落ち続けている”ことを、”軌道を回っている”と言います。
 つまり、角度の関係も加味すると、スペース・デブリは秒速10kmを超える速度で人工衛星に衝突する可能性があるわけです。その時の衝撃は、例え数ミリの破片でも、衛星を機能不全にする事があると言われています。

 そのデブリが、ある国の後先を考えない実験によって、大量に宇宙空間にばらまかれてしまいました。ある国とはもちろん、中国のことです。

宇宙に巨大な「破片の雲」 国際ステーションに衝突も 東京新聞

 中国の弾道ミサイルによる人工衛星破壊実験を受けて、米政府当局者らは22日、宇宙空間に破壊された衛星の破片によるスペースデブリ(宇宙ごみ)が大規模な「雲」を形成しており、各国の衛星のほか、国際宇宙ステーションにも衝突する恐れがあると警告した。ロイター通信が伝えた。

 また、専門家はデブリが高度約400キロから約3000キロの広い宇宙空間にわたり観測され、この軌道上にある120個以上の衛星が危険にさらされていると強調。軍事衛星のほか、民間衛星へ衝突すれば日常生活に影響が出かねず、国際的にも懸念が広がっている。


 衛星破壊実験なんて行えば、こうなることくらい事前に分かっていたはずなんですけれどね・・・最終的に自分の国にも影響が帰ってくると言うことくらい、考えなかったのでしょうか?

 今や人工衛星は、日常生活にも欠かせないものになっています。そして、宇宙空間は世界で共用すべき財産です。影響が議論され、すでに”危険である”と分かっているものをわざわざ増やすような真似をすることは、間違いなくエゴ。中国は批難を真摯に受け止め、謝罪をすべきだと思います。

 今回の実験にかかわらず、衛星やロケットを打ち上げ続ける限り、少しずつでも増えていくスペース・デブリ。近い将来、宇宙開発においての影響は無視できないほどに大きくなってくることでしょう。今後、マンガ「プラネテス」の様に、”それを回収する民間業者”なんてのが本当に現れるかもしれませんね。


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