西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ミサ(1)

2017-02-05 21:46:30 | 音楽一般
テ・デウムの次は、これも前から取り組んでみたかったミサ曲の歌詞。やはりベートーベンの素晴らしいミサ・ソレムニスがまっ先に思い浮かぶが、テ・デウム以上に多くの作曲家が作品を残してくれている。

ベートーベンの曲は、全5楽章ということになっているが、第4楽章は、サンクトゥスとベネディクトゥスの部分から成る。歌詞は全部で6つの部分から成るが、第1楽章となるKyrieの箇所を見てみる。

このKyrieだけは、実は、ローマ字で書かれているが、元はギリシア語である。ラテン語の辞書を見ても出てこない。大学時代ギリシア語の先生から、その事実を聞いた時、えっ、そうなの?、と思ったのを覚えている。なぜなのか?、その説明は見たことがないように思う。歌詞は、わずか4つの語だけ。読み方は、古典ラテン語の読みを付けてみた。実際に合唱をやる人が歌うのは、ドイツ式かイタリア式の読み方で、これとは異なるでしょう(2楽章以下についても)。

Kyrie(主よ)

Kyrie, eleison.                  
キュリエ エレイソン
Christe, eleison.
クリステ エレイソン
Kyrie, eleison. 
キュリエ エレイソン

Kyrie ギリシア語のΚύριος(男)主(しゅ)、の呼格 Κύριεをラテン語の字体に直したもの。
eleison ギリシア語のελεέω(動)~を憐れむ、の能動相アオリストⅠ命令法単数2人称のελέησονをラテン語の字体に直したもの。ギリシア語の読みは、エレエーソンだが、ここにあるように綴られる。
Christe ギリシア語のХριστός(男)キリスト、の呼格Хριστέをラテン語の字体に直したもの。

和訳
主よ、憐れみたまえ。
キリストよ、憐れみたまえ。
主よ憐れみたまえ。

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