担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

結局どこかでつながっている。(3止)

2011-04-25 01:57:59 | mathematics
結局何がどこでどうつながっていたのか,肝心なことを書き忘れていた。

Van der Put と Singer の共著 "Galois Theory of Linear Differential Equations" の chapter1は,いきなり Picard-Vessiot の理論を解説しているのだが,その最初の方に Lie 代数というものが定義されている。それは,ベクトル空間 V に定義された,次のような性質を満たす2項演算 [u,v] である。

  1. [u,v] は双線型である。
  2. Jacobiの恒等式 [[u,v],w]+[[v,w],u]+[[w,u],v]=0 が成り立つ。
  3. 必ず [u,u]=0 である。

これらの性質から,例えば反対称性 "anti-symmetry" [u,v]=-[v,u] が成り立つことが示されるという。(ちゃんと証明も書かれているが,一応自分で考えてからそこは見ようと思っている。といっても,どうしても目にチラッと入ってしまうので,多大なヒントは得てしまっているのだが。)

で,何がいいたいかというと,最近のマイブームである他の話題,ベクトルの外積と解析力学に出てくる Poisson 括弧や量子力学の交換関係は,まさに Lie 代数なのだ,ということである。

要するに,僕が最近の数週間に関心を持って調べていたことは,Lie 代数という結び目によってしっかりとつながっていたのだということがわかったわけである。

そういうわけで,外積の特徴づけを考えたり,解析力学の理論を学んだり,e-x2の不定積分について研究したければ,Lie 代数を勉強しなければならないことが判明したのである。

こういう「ぶっとい根っこ」を掘り当てたので,今回の調査はよい成果を挙げたと自己満足している。

こんなにきれいなオチがつくというのは,実に気分がよい。
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